先日、「和風総本家」というTV番組を観ていました。
私自身、この番組は、工芸品をはじめ、伝統的な技を持つ職人の方々を特集されるので、勉強になります。
観る機会の多い番組のひとつです。
先日は、「秋の京都を彩る職人さんたち」という特集でした。
その中で、特殊な土を扱う職人さんがいらっしゃいました。
「これが、良い土です。ちょっとぴりっと痺れるような感覚・・・。」と言って、土を舐められました。
たしかに、ちょっと粘り気のある変わった土だなと思いましたが、どんな土かは知りませんでした。
その土は、聚楽土と謂って、かつて豊臣秀吉が、京都に建てた「聚楽第」(じゅらくだい)に使われていた土だそうです。
その土は、京都御所から、二条城辺りにしかない土で、今は、掘り起こして、取り出すことはできないため、たまに、ビルなどの
解体や建て替え作業中に出た土を大切に精製して使っているそうです。
ですので、今では、量が少なくなり、稀少価値が高まっているようです。
その聚楽土は、きめが細かく、他の土より、水に溶けにくく、土壁などの補修には最適なものなのだそうです。 城壁の補修や、
お茶室の土壁の塗り替えなどに使用されるそうで、 左官屋さんも「聚楽土を扱うのは、緊張する。」そうです。
その聚楽土を扱う職人さんは謂います。 「聚楽土は100の力を持つ土だと思います。 その土を70、80のままにするのか、
100の力を出してやれるかは、私たちにかかっていると思っています。」
言い換えれば、「素材の良さを、極限まで引き出す。」という事だと思います。
その事は、私共にも言えることで、 「銘木工芸品の良さを、極限まで引き出す」 それが出来るような、ご提案や企画、プロデュースを
心掛けていきたいと思います。
【工芸品ショップ泉亀(いずかめ)】ショップサイト
http://www.izukame.com