はさみの世界・出張版

三国志(蜀漢中心)の創作小説のブログです。
牧知花&はさみのなかま名義の作品、たっぷりあります(^^♪

新年のごあいさつ&抱負 2025

2025年01月01日 10時43分41秒 | Weblog
旧年中は大変お世話になりました。
今年もみなさま、よろしくお願いいたします(^^♪

あっという間に2025年……まじか。
昨年は「赤壁編」を中心に生活が回っていました。
家のごたごたがあったわりには、頑張ったほうだと自分で思っています;
とはいえ、まだ出来たかな、という思いもチラホラ。
今年は、もうちょっといろいろ挑戦したいものです。

さて、では、今年の抱負に加えて、げんざいの創作の進捗状況などをおしらせです!

◎ 奇想三国志 英華伝
→「赤壁に龍は踊る・改」は、旧作「飛鏡、天に輝く」の原稿を活かしつつ書いております。
げんざい、全6章中、5章目の制作をしているところ。
こちらはラストまで決まっておりますので、ひたすら書くのみ。
続編については……
孔明と趙雲に関しては、赤壁後のほうが色々あったようなので、そこを混乱しないように書かねばなと思っています。
新キャラクターもたくさん登場する予定なので、これまた自分が混乱しないよう気をつけたいです。
最初に予定していたストーリーがあまりに面白くないので、あらたに一から作り直しているところでもあります。
そのため、ちょっと制作に時間がかかりそう?
とはいえ、英華伝はたくさんの方に読んでもらえている作品なので、ガンガンと書いていきます!
今後ともお付き合いの程、宜しくお願いいたします!

◎ うさ・ルート
→こちらは迷走中です;
「これでいける!」と思ったストーリー。
何日か置いてよく読んでみたら「これは……ちょっと……どうなの?」と面白く思えなかったので、ボツとなりました。
また1からやり直しております。
といいますか、これはもしかしたら、全然違うシリーズとして、つまり、「うさぎまみれの三国志」というコンセプトそのものを変える可能性もあります……まだ明確に決まっておりませんが、何らかの形で、なにかを作っていきたいとは思っています(あやふやだな!)。
はっきり決まりましたら、またご報告させていただきます。

◎ 春に寄す(仮)
→なんとか書きたいシリーズの一つ。
げんざい、コツコツ地盤固めをしているところ(全体の構成は決まったので、あとは細かいプロットと、舞台や人物の設定を練っているところ)。
もともとあった原稿を何度か読み返し、さらに再構成していきます。
「奇想三国志」のほうが落ち着いたら、一気に活動を加速させていく予定。
こちらは、年内に発表に漕ぎ着けたい作品です。
動きを出せるようになったら、またご報告させていただきます♪

◎ そのほかオリジナル作品
→スコッパー作業をしているうちに、「わたしもファンタジーを書いてみたいな」などと思いはじめまして。
高校生の時分に作った設定を思い出したので、それを大幅にチェンジアップして書こうと画策中。
さすがに「春に寄す」「奇想三国志」「うさ」の三本にプラス一本、というのはむずかしいので、2025年はプロット+設定づくりの年にして、2026年の発表を目指しています。
コツコツやっていけば、なんらかを生み出せそうです。
出来上がったら、見てやってくださいませー。

◎ ブログ、「なろう」、「ノベルデイズ」
→「ノベルデイズ」は毎日更新をつづけられそうですが、「なろう」と「gooブログ」は、原稿の制作状況によっては、隔日連載になる……かも?
まだわかりませんが、そうなる前にお知らせしますね。
「赤壁編」は原稿完成までめどが立っていますが、「続編」はちょっと制作を焦らないと、原稿ができない、つまり、定期連載が止まるな、と思われるためです。
要するに時間稼ぎでございます……スミマセン。ご了承いただけたらと思います。

でもって、凍結中の「書評ブログ・牧知花の本棚」を今年は活用しようと画策中です。
昨年は読書しまくったというより、読書に逃げたくらいの勢いで読みました。
とはいえ、書名と著者名くらいしかメモに残していませんでした。
最近になって、「たくさん読んだけれど……身になっているのかな?」という疑問がわきまして、感想を残しておくことを決意した次第。
どんどん「次! 次!」と読んでいたので、ブログを書くとなると読書量がペースダウンするかもしれません。
でも、昨年はほんとうに異常な程読んだ(320冊)ので、今年はゆっくりじっくり本に向き合おう! と決めました。
不定期連載になりますが、更新したら、どうぞ読んでやってくださいませ。

◆ まとめ
というわけで、新年らしく、盛りだくさんの「こうしたい!」を発表してみました。
具体的に動いているものもあれば、まだぼんやりしているものもあり。
ただ、今年は、去年以上に、手を動かしていこうと思います。
去年の収穫は、ノートをまとめていくと、頭もまとまり、いい結果が出るということがわかったことと、スコッパーをすると、とてもいい刺激がたくさんもらえるとわかったことです。
今年も、あっちこっち目配りしつつ、楽しくワクワクしながらやっていきます!
引き続き、当ブログをごひいきにー!
そして、すべてのお付き合いくださっているみなさまが、よいお年を過ごされますように!

ではでは、今年もよろしくお願いいたします。
またお会いしましょう(*^▽^*)

牧知花

赤壁に龍は踊る・改 一章 その16 柴桑へ向かう美周郎

2025年01月01日 10時14分50秒 | 赤壁に龍は踊る・改 一章
風が吹いている。
身を縮《ちぢ》こまらせる、冷たい風だ。
その強い風に頬をなぶられながら、龐統は徐々に遠のく鄱陽《はよう》の街を長江のうえからながめていた。
鄱陽の水錬場には、龐統の上役たる周瑜の恋女房、小喬がいる。
見送りのために岸に立っているだろう妻のため、周瑜はとなりで、いつまでも手を振りつづけていた。
しなやかな腕の動きに合わせて、派手な色合いの、しかし周瑜が着ると不思議と品がよくなる衣の袖が流れるように動く。
互いを思いやる美男美女の夫婦の姿は一幅《いっぷく》の絵のようで、そうしたところからして、周瑜は恵まれている男だということがうかがえる。


名門の貴公子として生まれ、当代の若き英雄・孫策の義兄弟であり、なおかつ水軍を指揮させれば天下無双。
本人も右に並ぶものがないほどの美貌で、人柄も悪くない。
出来すぎだろうと龐統ですら思うが、現実に、周瑜はそうなのだ。
とことん、恵まれている。
スッと通った鼻梁が特徴の、その明るい横顔には、みじんも悲壮感はない。
『曹操に勝つということ以外に、何も考えていない顔だな』
龐統はそう思い、ひたすら感心する。
そこまでおのれに自信を持てることに対して。


やがて、鄱陽が完全に見えなくなってから、ようやく周瑜は船べりから身を離し、水夫たちにテキパキと指示をはじめた。
その指示に無駄はなく、下々に冗談を叩く余裕すらある。
水夫のほか、周瑜についている部将らにも、目に輝きのない者はなく、だれもがこの目の前の、きわめて美しい将軍を信じ切っているのがわかった。
唯一、目がどんよりしているのが龐統だが、かれは曹操を怖じているので、こんな顔をしているのではない。
かれはいつも何かを心配している。
万が一のことを考えて、ついくよくよしてしまうのだ。


「船酔いですか」
そんなかれを心から気遣う少年がいる。
つややかな長い黒髪を頭頂でひとつ結んだ、少年兵の|鶉火《じゅんか》であった。
これが周瑜か、ほかの部将であったなら、龐統の愁眉はひらかれなかったであろう。
この小柄ながらも鍛えられた体つきの可憐な少年には、龐統も気安く話ができる。
鶉火は龐統が召し使っている従者であり、策士を自任しつつも、こころのうちを人に伝えるのが苦手な龐統の先を読んで気遣ってくれる、貴重な人物でもあった。


鶉火の眉がしかめられているのを見て、龐統は、すぐさま愁眉をひらいた。
「いいや、気遣わせて済まぬな。いろいろ考え事をしていたのだ」
「公瑾さまのことですか、それとも、曹操のことですか」
「どちらともかかわりがあるが……劉備の使者として柴桑にいるという、孔明のことをかんがえていた」
率直に答えると、鶉火のしかめた顔が、ますます苦いものに変わる。
孔明としては迷惑だろうが、鶉火が孔明を嫌う理由は仕方のないことなので、龐統もたしなめない。
「人づてに聞きました。孫将軍を焚きつけて、開戦へ持ち込んだそうですね」
「あれは人を動かすのが得意なやつだからなあ」
「士元さまとて」
お得意です、と言いかけた鶉火に対し、龐統は無理するなというふうに微笑みかけた。
「わたしには出来ぬ芸当をやってのけたらしい。たいしたものだ」
「士元さまが同じお立場でしたら、もっと上手にやってのけたことでしょう」
「どうかな、わたしは口がうまく回らぬからな。言わなくて良いことも言ってしまうし。だからいつまでも、うだつが上がらぬ」
そう自嘲する龐統に、鶉火は悲しそうな顔を見せる。


龐統が大志を持つ、鳳雛の名にふさわしい人物だとこころから信じ切っているのは、目の前の鶉火のほか、妻と親族くらいなものだった。
その『親族』のうちには、孔明も含まれている。
あのきらきらした青年軍師は、なぜだか自分のことをよく見てくれている。
いや、孔明は、だれのことをもよく観察するかと、龐統は思い直した。
柴桑《さいそう》で会うことはあるだろうか。


風をはらむ帆の下では、周瑜が部将たちと歓談しているのが見える。
地図を手にしているので、柴桑を出たあとの算段をしているのかもしれない。
『いまの公瑾どのには、敗戦ということばは、もっとも遠いところにあるのだろう』
周瑜の部下になって二年になるが、そのまばゆいばかりの存在感に、龐統はつねに圧されっぱなしである。
それに周瑜は、龐統が進言せずとも、自らの手で策を生み出せる。
鄱陽湖の水練場においても、龐統が出来ることといえば、自身の知る荊州の情報を教えるくらいのことだった。
『敵わんわい』
やっかみではなく、素直にそう思う。
周瑜は若々しく、はつらつとしていて、向かうところ敵がいない。
仕える孫権すら、周瑜の前ではかすむ。
以前は周瑜のあまりの存在感を煙たがっていた程普《ていふ》でさえ、周瑜を認め、かれを美酒にたとえて人を酔わせる男だと褒めちぎっていると聞いた。
出番がない。
龐統は、おのれの翼を思い切り広げて飛べないことに、このごろ不満を抱くようになっていた。
なにか大きなきっかけがあれば、もっと才覚を発揮して、軍師として周瑜に貢献し、この地で思い切り出世もできように。
荊州に残した糟糠《そうこう》の妻や弟たちを江東に呼び寄せることも、できるかもしれない。


つづく

※ 龐統と周瑜の人物設定を前作と違うテイストにしています。
新しいかれらの活躍をおたのしみに!

さて、2025年! 新しい年になりました。
みなさまに多くの幸がありますようにー!!
またのちほど近況報告を書きます。
ではでは、またお会いしましょう('ω')ノ

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