自称米子のプロモデラー

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幻のブルドーザー戦車 その一

2024-01-17 09:16:59 | 模型

昨日で「朽ちたダグラム」の製作が終わりました。

それで、次は何をアップしようかと思いましたが、このブログのタイトルのバックに変な戦車らしき物が写っていると思った方が多いのでは?

車体の横に「協同建設」と書いてあるし、一体これは何だ?

と思われるでしょう。

 

なので、今回からこの「協同建設」の「ブルドーザー戦車」に付いて書こうと思います。

先ず、なんでこのような「ブルドーザー戦車」のジオラマを作る事になったのか?

から話さないと行けません。

 

この「ブルドーザー戦車」は太平洋戦争が終わり、GHQが日本に入って来た頃に製造された実際に有った物です。

ベースになった戦車は、日本陸軍97式中戦車の初期型と後期型です。

そのプラモがこれ、

これが初期型

こちらが後期型

どちらも同じ様な形なのですが、エンジンまわりがだいぶ違います。

キットはファインモールド製で、ファインモールドの社長さんが無料で提供して頂いた物です。

キットの出来はかなり細かく、

このような排気管のカバーのエッチングパーツや、透明パーツには酒の瓶まで付いていました。

パーツを見ただけでワクワクして来ます。

ただ、実際製作に入ったら地獄を見ました。

 

話がそれましたが、日本が敗戦、GHQが日本に入って来たとき、瓦礫だらけの町を開墾して整備するのに、戦車を改造してブルドーザーを作り、それを使って町を復興させろ!という命令が来たそうです。

この当時、三菱重工には97式中戦車のパーツが残っており、実際、戦車を改造したブルドーザーが有り、戦場で滑走路の整備や基地の地固め等に使用していたそうです。

その当時ブルドーザー戦車は、ノーマルな97式戦車の砲塔にフックを付けてブルドーザーブレードにワイヤーで繋ぎ、砲塔を回す事でブレードを上下動させていたそうです。

これは1/35の模型です。

こんな形状の戦車でした。

これの武装を全部外し、砲塔も無くした物が今回アップするブルドーザー戦車(チハドーザー)です。

我が家の古いアルバムを見たらこんな写真が有りました。

これは皇居前でのパレードの様子です。

国民に配られた写真の様です。

同じ写真がこの本にも掲載されていました。

この本の編集をされた「小泉聡氏」に、大変お世話になったのですが、それはおいおい話します。

 

話を元に戻しますが、なぜ、私がこの模型を作る事になったか?

それは「米子ガイナックス」から製作依頼が有ったからです。

もう12年前になりますが、「米子ガイナックス」が、四国の香川県で行われる「映画祭」に参加する時に交流の証として何か展示したいと考えました。

ここ鳥取県と香川県はちょっとした縁があります。

鳥取県の大山にある「香取村」は、香川県の「香」と鳥取県の「取」を組み合わせた地名なのです。

日本が終戦のとき、大陸から帰って来た兵隊さんは自分の故郷に帰りたいが、鳥取県の港に着いた時点で帰る場所が無くなってしまった人が沢山いたそうです。

そこで、鳥取県は大山麓にある未開の地を開拓すれば、そこに住んで良い。という事を帰還した人たちに知らせました。

香川の出身の方々が、大山に入り開墾するのですが、人間の手だけではとうてい開墾が進まないという事で、東京に有った「協同建設」からブルドーザー戦車が出動する事になったそうです。

そういう経緯から香川の方々が開墾した香取村のブルドーザー戦車のジオラマを作ろうという事になりました。

 

遠路はるばる来たブルドーザー戦車ですが、現場では色々大変なことが毎日起きたそうです。

それらの話はまた次に。

続く!