eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

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52のメインSF6高圧コンタクタ(接触器)の事故原因判明を推理する。

2022年08月25日 | eつれづれ

メーカー等のコメントを精査、現場操作、測定、聞き取り等を解析すると下記の機器は異常無しの判断。

1.高圧電動機の絶縁抵抗値、巻線直流抵抗値は異常無し。

2.リアクトルのワニス垂れは外気温度、経年劣化で起きる。

3.6/3kVタイトランスの絶縁抵抗値、巻線直流抵抗値は異常無し。

4.保護継電器等、異常無し。

5.起動渋滞等、異常無し。

6.リアクトル短絡用SF6高圧コンタクタ(接触器)異常無し。

7.その他

以上の結果、考えられる破裂原因は

① 経年劣化に伴ってSF6高圧コンタクタ(接触器)本体エポキシ樹脂の強度低下が進み、52 メインコンタクタの投入

振動で最初の亀裂が入った。

② 内部のSF6ガスが抜けた状態で投入の頻度は低い事もあり回数不明だが、高圧電源は通常通り入り運転継続。

③ 亀裂が更に大きくなりリンク機構がまともに動作しなくなり可動接点ズレとなりスパーク、相間短絡、地絡(GR動作)となった。

④ 操作員が投入した途端、爆発破裂したので直ぐ停止PB、GRで操作電源が切れ、6kV側のVCBも連動して開放となった。

まとめ:

1.ガス抜けが発生しても亀裂の進行が遅ければASとして開閉の機能していた。

2.経年劣化したコンタクタ本体は、外気温度により内部ガス圧の上昇で強度不足で簡単に破裂する(経験済)。

3.メーカー指摘通りガス圧等のメンテは長期使用した物は必須となる。

4.交換推奨年を把握して、速やかに更新する。

5.管理体制を確保し点検しておく。

 

 


高圧コンタクタ主接点の接触抵抗値は0Ωで抵抗は無し。

2022年08月25日 | eつれづれ

SF6高圧コンタクタ(接触器)コイルにAC100Vを入れて主接点をONにする。

主接点オンの状態。

この時の接触抵抗は表示にも出ず0Ω。

これはサーマルリレーのb接点における接触抵抗値。

バラして見る固定接点は銀接点の様だ。

同じく可動接点の25年経過したスイッチとは思えない荒れなど無し。恐るべしSF6高圧コンタクタ(接触器)のガスだ。

投入コイルの強烈な圧接力、接触抵抗など測定不能。

内部の接点は25年使用したが特に荒れなど無く綺麗だ。メーカー設計寿命は23年、保障も無しなので何時壊れてもおかしくない。

 


ステッピングモーター巻線直流抵抗...デジタルテスター測定では無理。

2022年08月21日 | eつれづれ

2相バイポーラステッピングモーター巻線直流抵抗値。

同じく別の巻線直流抵抗値。

テスターΩ測定の限界、これでは低抵抗測定判定は無理。

導体の抵抗は下記の公式で表すことができます。

この導体の抵抗の公式を見ると、導体の抵抗は長さに比例して断面積に反比例し、抵抗率の大きさによっても異なってくることがわかります。

最近では、次の式の単位のように、抵抗率を[Ω・m]、断面積を[m2]にして計算することが一般的となっています。

抵抗率ρ(ロー)とは、単位断面積、単位長さ当たりの物質固有の抵抗値のことです。

それぞれの物質によって抵抗率(20℃の温度で、銅:1.68×10-8[Ω・m]、

アルミ:2.82×10-8[Ω・m]など)は異なってきます。

ρが大きい程電流は流れにくいので、銅とアルミを比べるとアルミの方が流れにくい物質であることがわかります。

また、温度によっても抵抗値は変化します。一般的に金属は温度が上昇すれば抵抗値は大きくなり、温度が低下すれば抵抗値は小さくなる傾向があります。


※-273℃まで温度を下げると物質の抵抗値がゼロ[Ω]になるといわれています。

 

導体の断面積が大きいとどうして電流が流れやすいかというと、この場合も導体の長さによる抵抗の違いと同じ理由で、自由電子と金属原子との衝突回数が少なくなるからです。

 「抵抗率」は断面積が1 [m2]、長さが1 [m]の均質な導体がある時に、その抵抗値で定義されます。要するに、物質によって異なる定数で、単位面積・単位長さあたりの抵抗、ということです。この値が大きいほど、その物質の抵抗が大きい、ということを意味します。単位は[Ωm]です。
 形状には依存しませんが、温度によって変化します。

ほとんどの場合、金属などの導体では、温度が上がると抵抗率も大きくなります。]

シリコン等の半導体では、一般に温度が上がると自由に動ける電子が増えるので、抵抗率は下がります。
 常温での値を理科年表から引いてくれば、(×10-8 [Ωm]で示しています)
 金 …2.4
 銀 …1.6
 銅 …1.7
アルミ…2.8
黄銅 …5~7
 鉄 …9.0
ニクロム…110
という具合です。同じ導体でも数倍から数10倍の差があることが分かります。

富士電機SC-4Nマグネットスイッチの可動、固定接点に銀を使う事が理解出来る。多分、銀合金だと思うがパーツでも高い価格だ。

これは低圧37kW程度の電動機用スターマグネットスイッチだったか。

銅そのものでは柔らかく、銅合金では抵抗高くNGか。

誤差を3%...実際の高圧電動機等は、もっと少ないかも知れない。