円谷英二の孫が書いた内幕本 . . . 本文を読む
偉そうなことを書いてしまいましたが、
結局個人的な思い出とリンクしているので、
書かずにはいられないというわけなんです。
ライブリストを見ると、うちの町にも山平和彦とマイペースがやって来ていました。
いまはもう無くなってしまった、旧勤労会館でライブをやっていたようです。
ここには高田渡も来たことがあって、見に行った友人によると泥酔して歌っていたそうです。
後半に登場するJAPというバッ . . . 本文を読む
日本のフォーク・ロック史の中で、70年代をつづれ織った「山平和彦」という縦糸を抜き出してみた、という1冊。
ご本人が亡くなっているので、関係者の証言だけで構成するというのは、
犯人は分かったけれど動機不明で終る探偵小説のようなもの、
と言うとこれだけ楽しめたのに著者には申し訳ない気もする。
山平和彦の評価としては、
「時代が違えば、画家にもなってしたかもしれない真性のアーティスト」
という意見も . . . 本文を読む
帯には「元辣腕編集長が実体験をもとに書いた、某大手出版社が出版を中止した禁断の書」とあります。
なんかすげーことが書いてあるのか!
残念ですが、帯にあるほど危険な話ではないかわりに、
エリート意識過剰な上から目線の文章が読めます。
単純にテキストをPDFにした電子書籍を出し続ければ、既存の出版メディアは消滅するしかない。
動画や音声などのマルチメディアと融合したものでなければ、電子書籍の意味 . . . 本文を読む
大仏次郎の書いた「鞍馬天狗」作品の中から、
秘密結社(つまり●●党と名のる敵組織)が登場する作品を選んで
(鞍馬天狗シリーズは十数作ある)、
秘密結社と覆面のウラにあるものをあぶりだす、
みたいなお話です。
鞍馬天狗自身が謎であり、敵組織以上に秘密結社然としているわけですが、
鞍馬天狗の舞台となっている幕末と、
大仏次郎が「鞍馬天狗」を書いていた時代が、
二重映しとなっているわけです。
と、まあ . . . 本文を読む
黒澤明や野村芳太郎、森谷司郎、山田洋次らに脚本を書いた、
たぶん日本でトップの脚本家、橋本忍の自伝です。
「七人の侍」の脚本が出来上がる顛末がやたらに面白いのは、
企画自体が頓挫の連続の末に生まれたものであった、からかもしれません。
「侍の一日」なる地味な話が、「七人の侍」へと変貌したのは、
橋本忍と小国英雄の2人の力あってのもの、ということがよく分かります。
なんですが、
松竹で野村芳 . . . 本文を読む
地方出版物ですが、ローカルこそグローバルですよ。
惹句には
『路地の向こうに、古本の匂いのする街があった。学生時代、クリスティと横溝正史に夢中になって始まった神戸の古本屋巡り。記憶の中にのみ残る店、震災後閉じた店、今も気を吐く店――探偵小説に取り憑かれた古書渉猟人 (筆名・亜駆良人 [畸人郷/SRの会]) が、1970年代の神戸と阪神間の古書&読書事情を語り継ぐ一冊』
私もカーと横溝正史を集め . . . 本文を読む
SFにする必然性に、都筑道夫はこだわったようですが、
そういう都筑道夫本人が
「銀河盗賊ビリイ・アレグロ」
「翔び去りしものの伝説」
といった、SF、ファンタジイを書いています。
「ビリイ・アレグロ」はSFにする必然性があったかどうか、
すみません、忘れてしまいました。
ブツも本棚のどこかにあるはずなんですが、見つかりません。
表紙のイラストが大友克洋なので、そっちのほうがうれしいような。
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今読むと、ポケミスの解説って
ブログみたいなものですね。
この中にポケミスの全解説と、EQMMに連載した
「ぺいぱあ・ないふ」というコラムも収録されてます。
タイトルが英語のひらがな表記ってところも、また時代ですなあ。
で、矢野徹との「ハインライン・ダブルスター 論争」も収録されています。
ミステリマガジンにSFのことが載っていても、
当時はミステリもSFも読者はずいぶんかぶっていたでしょ . . . 本文を読む
とり・みきがかつて少年チャンピオンで連載していたことを、
思い出してはいけないのだろうか?
とはいえ、ギャグの出し方はさほど変わらず
ネタがオヤジ系になっただけのような。
連載は「オール読物」だから。
著者といっしょに読者も年をとると。
「鉄腕アトム」の第一話「アトム大使」をネタにして、
「大きいのは耳だけではなかった…」は笑いました。
【時事ネタ とり・みき著 文春文庫】 . . . 本文を読む
その1
まだ読んでいる最中ですので。
わたしは昭和50年代にポケミスを読んでいたので、都筑道夫が担当していた時代(30年代)よりずっと後ですが、
情報的には物足らないけれど、コアなジャンルを共有している感じがたまらないですね。
今見れば間違いも見られますが
わずかな情報の中で今も通用する批評をコンパクトにまとめる手腕は流石です。
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古代から軍事技術として暗号は発達してきました。
人間の業はなんと、構想の段階ではあるけれど、究極の暗号「量子暗号」へとたどりついた!
しかも多世界解釈を前提として、多世界に同時存在する一つのコンピューターをネットワーク化し、一台のコンピューターが演算すると一千年かかる計算をもたった1秒で計算するんだそうです!
こりゃSFの世界ですよ、ダンナ。
ロゼッタストーンって、イアン・ミッチェルじゃなくて。
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昨年(2008年)に亡くなった野田昌宏宇宙大元帥秘蔵のパルプSFのカバーを、
テーマ別に編集した3部作の1冊目。
テーマはロボット。ほかに「異星人」「ロケット」があり。
時間があればとめどなく眺めていたいですね。
河出書房新社 ふくろうの本 . . . 本文を読む
中国の文献あるいは、民話、聞き書きといった資料の中から、
幽霊、妖怪、鬼といった類いの物語を集めて分類したものです。
著者は学者ですが、飄々としてときには藤山寛美までを例えとして登場させ、
ユーモアもあり飽きません。
集められた物語もさまざまな分類にしたがって、
代表的な筋とそこにこめられた意味を簡潔的確にまとめられています。
無味乾燥な評論書ではなく、いかにも好き者らしい楽しさが行間から読むこ . . . 本文を読む
幕末におこったシーボルト事件は、ただの輸出未遂事件だったのか?
著者はそこに最上徳内、間宮林蔵を配して、一大政治疑獄をあばきだします。
当時の将軍徳川家斉がうった、幕内のオランダ派を一掃するための罠とは。
歴史ミステリとしても読める面白本です。
【秦新二著 文春文庫】 . . . 本文を読む