「新青年 昭和12年(1937)新春増刊号」に掲載されたアンケートで、
翻訳家浅野玄府のあげた作品に「ダゴベルト探偵の冒険 グロルレル」とあったのが
(HP「本棚の中の骸骨」所収の「新青年海外探偵小説十傑」より)
頭のどこかに残っていて、読まねばならぬ、と。
なんでこんな古臭い小説を、と最初は半分義務感で読んでいたのですが、
キャラクターがなじんでくると、けっこう面白いのです。
「探偵」と呼ばれていますが、金あり地位あり、頭のきれる主人公が、
秘密裏に解決する上流階級の隠された醜聞事件、というところでしょうか。
こちらで言うと捕物帳と山手樹一郎の明朗時代劇のミックスみたいな感じです。
作品全部が主人公の探偵ダゴベルトが、語って聞かせる「冒険譚」という点も
「半七捕物帳」や「三浦老人昔話」と共通する話法ですね。
しかも、三ノ輪の万七親分(銭形平次)や鳥越の茂平次親分(人形佐七)に相当する、
かませ犬的なライバルも登場して、ますます捕物帳的な雰囲気が濃厚です。
「ダゴベルト休暇中の仕事」はお家騒動(革命)で取替え子の結果、
貧しい牧師の妻と女伯爵が生後すぐに入れ替わっていたという過去の因縁を解明する話で、
時代小説にこんな話がよくあるなあと既視感いっぱいで楽しい話でした。
昭和40年代の「さすらいの太陽」を思い出した自分は
旧いニンゲンですねえ(アニメ版のほう)。
あと「赤い運命」とか。
■探偵ダゴベルトの功績と冒険 バルドゥイン・グロラー 創元推理文庫
翻訳家浅野玄府のあげた作品に「ダゴベルト探偵の冒険 グロルレル」とあったのが
(HP「本棚の中の骸骨」所収の「新青年海外探偵小説十傑」より)
頭のどこかに残っていて、読まねばならぬ、と。
なんでこんな古臭い小説を、と最初は半分義務感で読んでいたのですが、
キャラクターがなじんでくると、けっこう面白いのです。
「探偵」と呼ばれていますが、金あり地位あり、頭のきれる主人公が、
秘密裏に解決する上流階級の隠された醜聞事件、というところでしょうか。
こちらで言うと捕物帳と山手樹一郎の明朗時代劇のミックスみたいな感じです。
作品全部が主人公の探偵ダゴベルトが、語って聞かせる「冒険譚」という点も
「半七捕物帳」や「三浦老人昔話」と共通する話法ですね。
しかも、三ノ輪の万七親分(銭形平次)や鳥越の茂平次親分(人形佐七)に相当する、
かませ犬的なライバルも登場して、ますます捕物帳的な雰囲気が濃厚です。
「ダゴベルト休暇中の仕事」はお家騒動(革命)で取替え子の結果、
貧しい牧師の妻と女伯爵が生後すぐに入れ替わっていたという過去の因縁を解明する話で、
時代小説にこんな話がよくあるなあと既視感いっぱいで楽しい話でした。
昭和40年代の「さすらいの太陽」を思い出した自分は
旧いニンゲンですねえ(アニメ版のほう)。
あと「赤い運命」とか。
■探偵ダゴベルトの功績と冒険 バルドゥイン・グロラー 創元推理文庫
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