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ヒーローの物語 1

2006年01月03日 | SF
ヒーローの物語だったはずが、いつのまにか敵の物語にすり替わっている。

バットマン、スーパーマン等、ヒーロー映画はみなそうだ。たしかに第一作はヒーローが生まれるまでの話になってはいる。悪役もいる。しかし好評のおかげで第二作を作るようになると、とたんに悪役が大きな顔をして出てくる。しかたがない、ヒーローの出自は一作目で語ってしまったのだから、二作目も同じようなことをするわけにはいかない。しかもヒーローと張りあえるくらいの敵役を作らねば物語としてのカタルシスが生まれない。いきおい、悪役の描写に力が入る。そしてヒーローは敵役の評論家となりはてる。

謎解きミステリと同じだ。誰がいった言葉なのか、犯罪者は芸術家だが探偵は評論家にすぎない。また、犯罪者はそれ自身だけでも存在しうるが、探偵は犯罪者がいなければ存在理由がない。【続く】
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