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永遠の課題と言うか、ザル碁の醍醐味と言うか、この辺の判定が難しいのです。
ネットで見慣れない人が対局待ちしています。
点数だけで言えば向う先でコミ2目半というところだけれど、例によって素性?調査から入ります。
マアこれは殆ど意味のないことなんですが、私の儀式みたいなものです・・・それはリアルで初対面覆面している人とは打ちにくいみたいなものです。
知りえた情報は、彼は関東の県に在住していて、過去に500局以上対局があり、15局くらい勝ち越している。
たったこれだけですが、これを見ないと落ち着かないのです。
さて15勝ち越しは少し気になるけれど、500局以上対局実績があると言うことは、勝手に典型的戦績を想像すると、最初の登録点数が低めだったので初めに15勝して後は1勝1敗のイーブンペース。
都合の良い解釈です。
ですから今の点数がほぼ適正なところで、まあプラスマイナス5点くらいと想定します。
但しそれなら何で今まで名前を見かけなかったのか・・・そういう不安はありますが細かいことを気にしていたら対局できないので当方も対局オファー。
対局の方は何となく不安に感じていた通りの進行になった。
本当はそういう感じ方もおかしいのですが・・・相手が表看板以上に強いみたい>反面こちらは看板倒れの点数です。
中盤でどうも地合いが良く無さそうで、どうも打ちにくい感じ。
この辺りで必死に数えます・・・数えてどうなるものでも無いかも知れないし、今更数えてどうする?というムード。
どうやら序盤の定石の選択やら、構想に問題があるようです(いつものことではありますが)
どのくらい足りないのか・・・大雑把に見ると、どう頑張ってもコミを引いて10目から15目は足りない!
これでは投げるしかないのだが・・・しかし中央の黒にホンの少しだけ何かが臭う。
そこは白がパラパラ取られていて、そのまま纏まると40目近い地になりそう。
つまりそこが黒の宝庫なのだが、ダメの詰まり方によってはなにやら・・・
そうは言っても一直線にダメ詰め流では相手ががっちり守って何事も起きないし、黒に2,3目の損など気にせず守られたら「一件落着」してしまう。
ココからがジイサマの古狸流を発揮します。
”いかにも”先手先手ヨセて、ガンガン追い上げていく体勢を見せます。
それは事実追い上げではあるけれど内心は”これでも足りない”と思っている。
こういう時追われるほうは微妙な心理になるようです。
”このままでは白に良いように寄せられて、追いつかれる!”
だから黒は本来真ん中の大地に一手補強すべきところを(一見手無しではあるけれど)手抜きして白に”先手寄せを仕掛ける”
ココがチャンス!あるいは大ピンチ!
中央の大石に手が生じ、パラパラ取られていた白が息を吹き返しセキ・・・40目が6目に目減りしたのです。
勿論これがそっくり白の実入りではなくて、白だって黒の仕掛けに手抜きをしている・・・ここで白は何かをしなくては素直に10目以上足りないのですから、怖いものは無いということです。
結果は白4目半勝ち・・・幸いしたいうより相手に気の毒をしたみたい
さて、相手には悪いけれどザル碁の見本みたいな勝負をしていまいました。
何処かで”勝ちました”という勝利宣言みたいな手を打たれたら当然投げますが、蜘蛛の糸みたいに一筋でも可能性があると多少は無理筋でも投げられない。
さて、相手にしてみたら迷惑な話かも知れませんけれど
何処で投げるか・・・これが難しいテーマですよね。
お互いザルだから”何処で何が起こるかわからない”とまで言ったら失礼でしょうが、失礼に当たらないギリギリを見極めるのも(ザルとしても)芸のうちでしょうね。
相手の黒さん、寛容に「こういうのもアマ碁のうち」と思ってくれるか、それとも「いやらしい奴」と思うか!?さあ
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