なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

山型対策は

2007-06-24 18:34:00 | Weblog
 図書館から借りた「白江治彦の置碁戦略」はまだ返却期限には1週間余裕があるので、ゆっくり楽しんでいます。
 こういう内容は”いつか来た道”で、私も自分が置いて打つ機会が多い頃には、かなり真剣に読んだはずです。(「天下五目必勝法」を読んだのもその頃です)
  K畑師匠に4つも5つも置いて負かされるのが悔しくてかなり真剣に勉強したと思う。
 いや、今でも高段者やプロに打ってもらうなら、置かなくてはいけないのですから、置き碁とは完全に縁がないなどとんでもないのですが、この本の趣旨・想定している読者は多分上級者のようです。
 同じアマの有段者にたくさん石を置いて打つ碁が想定されているようで、プロが解説しているということです。
  だから先ほどの”いつか来た道”は、私もそういう棋力の頃読んだ・・・上級から初・二段という所かな(普通の碁会所での段級で)
 最近はこの種の本にトンと縁がない。
  それは著者が設定した読者の棋力とずれたから読まないのでしょうね、”今更自分がたくさん置いて打つ碁を勉強するのも・・・”という気持ちも皆無ではないだろうが、ともかく偶に読んでみると新鮮な気分がするから不思議なものです。
 この本を読む動機は先日も話した通り、昼休み碁の相手F・K両氏と今丁度向う5子なので、折角お相手をするのだから、少しでも彼等のお手伝いになれば良いと思ったことからです。
 勿論”教える”とか”お説教”するというような類のことではない。
  例が適切でないかも知れないけれど、『芝居の書割みたいなもの』というのはどうだろうか。
 お客さん側から見えるものと、裏から見るものは違うし、そういうことはお互いに承知の上なわけで・・・それでいて虚のはずの舞台装置が実としての威力を発揮したりするわけです。
  ともかく、彼らが棋力アップを目指しているなら、折角の昼休み碁でどういう碁が打てればアップに繋がるのか知っておきたかった。
 つまり、”私自身が良いお稽古台になる”ための心得を確認するためというと、少し大がさかも知れませんが。
 結果的に彼らが何年かあと、今の時期を振り返って、「あの時期に強くなった」と思い出してもらえれば本望。
 もっとも、彼らが勝ち負けに拘って・勝った時に大喜びされると、一緒に喜ぶほど私の”人間”は出来ていないから、これは私についてはそういう面での修行みたいなものもプラスアルファーで有るかも知れない。
 但し、もし一緒に喜んだらいかにも彼等の先生みたいな喜び方に取られて、「先生の臭い」がしてしまうかも知れないから、そういうのは彼らにとってやや臭い存在だろうから、負けて悔しい素振をしている方が彼等の励みにはなりそうです。

 さてこの本の最後は4子局でこれは1局のみ
  このテーマは「考える力を鍛える」で多子局のまとめですね
 ここをクリアーしたら3子局ですから一隅空いて、互い先の要素が入ってきますから、ここが大きな関門です。
 ここでは白の小ケイマカカリに小ケイマ受けがでてきますが、興味があるのは白の”山型”対策です。
 これは私の師匠が”多子局でこの形が出来たら、白なかなか負けない”と言っていた形です。
 「置碁戦略」では、この形が出来た時どうするか解説されています。
 これは私にとっても勉強になります。
  私がこのように打ったら、勉強家の黒はどう対応してくるのか、そこのところを私も予習みたいなもの。
 それに当然ではあるけれど「山型」は多子局での白大優勢形でも無いという勉強

 「山型」というのは、言葉での説明になるけれど・・・例えば4子局で白が隅の星に小ケイマでかかって黒が小ケイマ受け、白が背中の隅の星に小ケイマでかかって黒が小ケイマ受けとなった時に辺の星に構えると白の3個の星が「山型」というわけです。
 さて、黒からの「白の山型対策」これは私の受けた印象ではテクニックでは無い
  いやそれはテクニックもあるけれど「考え方」に基づいていないと打てないと感じました。
 そして確かにこういう風に打たれたら白は手も足も出ないで負かされるだろうとも思うのです・・・
 それは「白の山型を地とさせる・・・白に囲わせても周りから寄せれば小さな地
しかない・・・その外側は黒の大地」示されれば簡単なことであり、黒からは接触戦のようなリスクも少ない。
 こういう考え方が出来れば、こういう風に戦略的に局面が見えれば・・・考えたとおりに打ち進めることが出来れば4子卒業なのでしょう。
 それはテクニックだけでは無く、ものの見方考え方を身につけるということ・全体のバランスを見ることでも有り『戦略があって戦い方を決める』ということでもあるでしょう。
 だからこれは単に4子卒業ということではなくて、更に棋力アップする地力をつけることが出来るいうことかも知れません。
 
 ということは、4子・5子局が多い黒いさんは囲碁の成長で大事な時期かも
  私は今F・K両氏と打っている5子局は、この先彼らが地力をつけて棋力が上がっていくか、何年たっても相変わらずの昼休み碁レベルかの分かれ道に立ち会っているのかも知れない・・・オーバーかな?
 オーバーついでに、正しいかどうか自信は無いけれど日頃感じていることを言ってしまうと「彼らは経験をつめば(このままいけば相当な局数の経験を積むと思う)今よりは置石で1目か2目は強くなるだろうが、もしかするとそこ止まり。この時期正しい努力の方法を取ることが大切で、それを怠るとそうなるかも知れない危険性が大きいような気がする。そこのところが日頃”楽しく碁を楽しむ”裏にある落とし穴かも」
 楽しい事は結構だけれど、楽しいこと意外にも大切なことが有る・・・そうだとしたら間接的にではあるけれど私の責任も0では無い。
  さてさて「盤上にこれから起こるであろうという未来を想像してイメージを作る」・・・都合の良い様に夢を見る・見たい夢を描くということもある。
 そういう時もあるでしょう