なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

道具は流れる

2007-08-18 15:33:21 | Weblog
 碁盤も足付きのものとなると、カヤ材など言うに及ばずスプルース輸入材だってそんなに安いとはいえない。
 だから!! 私の家にはそれが無い!
  嘗ては表面を化学処理した碁盤で、折りたたみ式の金属性の足がついているのを持っていて、これで並べていました。
 機能は確かに碁盤ではある
 アノ硬質な表面に石を打つ感じは・・・カチッカチッ・・・不思議ですね
 そういう経験があるから、木の盤に石を打つ感触は好きです。
  まあやがて化学板の盤は子供たちのお絵かきボードになってしまいましたが

 「道具は流れる」
 時節柄「精霊流し」みたいに川を流れる・・・
 碁盤の文化伝統の流れ・・・
 私みたいな貧乏人だと「流れ」といえば「時の流れ」「雲の流れ」「水の流れ」などよりまず「質の流れ」を連想してしまいます・・・話はそちらの方が近いかも
 碁盤と言う機能・・・逆に言うと囲碁にしか使えないものですが、あるところで不要になっても案外必要とされる所に伝わっていくようです。
 最近はネットオークションと言うものもありますが、そういう「市場」で値がつかない程度のもの、あるいは元の持ち主がそういう手間を嫌う人、あるいはボランティア的な気持ちの持ち主の場合です。

 時々顔を出すコミュニティの囲碁クラブは、素晴らしいとはいえないまでも一応足付きの碁盤が揃っています。
 但し、盤によっては漆の罫線が消えかかっているものもあるのですが、それでも畳の和室ですから足付き盤がサマになります。
 もし折りたたみ盤とか板盤ですと机・椅子とするか、寺子屋みたいな小机が必要となる筈ですから、足付き盤なら座布団だけで良い・・・
 そういう盤が十数面並んで、まだ押入れにもストックがあるからたいしたもの
  ココは市の施設ですがコレは市が用意したものではありません。
 市は好意で座布団は貸してくれる・・・なんたって和室に備え付けです
  碁盤碁石についてはほぼ全部囲碁活動への好意の寄贈品なのです
 おじいちゃんが亡くなって、家では不要になった盤石だとか・・・
  マア市の施設で使うだから家族にしても故人の供養にもなるということでしょう。
 それと廃業した碁会所からの寄贈品
  例えば家の離れなどで碁会所をやっていた人が何かの事情で廃業した時、道具はヤヤ嵩張るお荷物になります。
 再開する予定が無ければ”処分”あるいは”寄贈”となる
  コミュニティは格好の受け皿みたい
 その前までは商売敵みたいな時があったにせよ

 さて家賃を払って駅前などで碁会所をやっていた所が廃業したりすると・・・
  そこはたいてい2寸盤などで机・椅子ですからこういうところへは寄贈されません。
 私の住んでいるマンションの老人クラブの囲碁将棋会などが受け皿みたい
  先日そこに”招待”されて打ちに行きましたら、碁盤は少し前に廃業した駅前の碁会所から来たものだとか。
 3セット貰ったらしい。
  ちゃんと情報が伝わって、「貰いたい」という希望が伝わるのが面白い
   品物としてはたいしたものでは無いけれど、誰かの形見みたいなものだったり、いわくがあったり・・・
 碁会所は経営的には家賃問題が大きいでしょうし
  客を掴むのに”有料”が”無料”の公的施設と争っている所もあり
 減少傾向のあります
  公的なサービスが民間の碁会所を圧迫している面・しかし誰でも楽しめる場所としてのコミュニティ
 何だか対立しているようであり・・・でも道具の繋がりがあったり

 有料でもそこで打ちたいという、碁会所には夫々魅力があるはずです
    席料は500円くらいからありそうですが私の家の周辺では800円から1000円が普通です。
 都心のホテルにある超高級クラブで1万円だったでしょうか、ともかく会費を払ってでもそこが良いわけです。
 会費を払っている所ほどその雰囲気をお客が大事にするでしょう
  そうでなくては有料クラブの常連になる意味が無くなる
  この辺りはネットでの有料クラブと無料クラブの雰囲気の差と似ているかな?   
 話が脇道に反れました・・・道具の話です 
  いろんないきさつがあっても皆盤だとか石を大事にして、使われるであろう所へ受け渡していくのが嬉しいですね。
 自分が要らないと言って、廃家電みたいにその辺に捨ててある盤はみたことが無いです。
  勿論一面何十万と言うようなカヤだの桂、ハマグリや那智の厚手の石は別です
  そういうものはそういうものなりの行く末とか経路があるでしょうね

 さてコミュニティみたいな責任者がはっきりしないところでは困ることもある。  使っている石がだんだんミックスされていく・・・瀬戸物にガラス練りこみとハマグリや那智の薄いものが混じって行く・・・
 ボランティアの石洗いの際混じったり、チョット石が足りないと無造作に持っていくのですからね・・・それも奇妙な面白さと言うか少し悲しいというか。
 碁盤の方は少し深刻です
  先ほど話した罫線の問題とか盤の汚れ
 根本的に修理・手入れをするなら専門業者に頼んで表面を削り直し漆で線を引き直してもらわなければいけないのですが、どんなに安くても一面5千円から1万円はかかる。
 さてさて、ただで遊べるというのが利点のコミュニティで・・・ 
 だから将来的には道具の受け入れが止まったら、ごしごし表面を洗ってマジックで線を引くしかないのだろうと予想しています。
 そんなんで良い筈は無いのだけれど