なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

ひたすら守ったならば・・・

2008-01-10 18:50:05 | Weblog
  今日は今年になって2局目の昼休碁でした。
 今年に入ってFさんは序盤から積極的なうち方を試しているみたいに見えます。
 3子の置き碁で、白が空き隅の星に打つと、黒はその石の6六にかぶせてくる
 所謂「ヘリコプター」ですが・・・この後の様々な変化を彼は知っているのだろうか?
 尤も6六は案外変化が少ないかも知れないし、ともかく仕掛けた側はひたすら戦いの姿勢いうを崩さずに打ち進めるようなところがある
 してみるとFさんに向いているのかもしれない。
  もしかしたら年末年始休みで、どこかから仕入れたのかな?
    こういうことは私も上手の端くれですから情報収集に抜け目がありません
  雑談の中で「休みの間にどこかで打ちました?」とか聞いてある
 「いやー何処にも出かけなかったし、碁も打たなかったですね」・・・
 『するとアノ6六は何だろう?』
  「前から知っていたのを、今試している」あるいは「実際は長い休みでどこかで仕入れてきていた」のどちらかでしょう
  6六を奨励・解説する本はなかったと思うし・・・

 ともかく黒2・6六に少し考えました。
 「なんとなく勘で、ここは手抜き」の一手だと感じました。
 黒の6六はこの一手で白にダメージを与えると言うものでなくて、「白の動きにあわせて黒の打ち方を変えようとする、あるいは黒は中を打つ」というものでしょう。
 6六の黒石の後ろには置石3つが控えているのですから、ここで白が変に動いたらあっという間に黒の大模様が完成してしまいそう。
 それでは白の敗因は白3だ
でしたみたいになってしまいます。
 ここは多少うっとうしいのは我慢して黒さんの出方で考えることとして「手抜き」
 そういう考えが正しかったかどうか、ともかく白は走り回って稼いで、それでいて黒の模様を値切って・・・従って大戦が勃発
 最後は白の一団は両コウでシノギがあり、白が凌いだ時点で勝負に決着がつくと思われる形。
 マア丁度その辺りで「チリトテチン」のエンディングテーマが流れました。

 さて局後に一階の休憩室から二階の執務室に上がる短い間の会話
 Fさん「どうです積極的に打っているでしょう」・・・
  私が”裏読み””深読みに過ぎる”のだろうか?『積極的に打つと碁がまぎれやすくなって、白に付込むチャンスがあるから・・・』みたいに聞こえないことも無い
 彼が言っている事が間違いでは無いでしょうが、何処か少しズレがあるような気がしたので「もし置き碁でひたすら守って打って、それでも勝てるのならもともと手合いが違うかも知れませんね」
 Fさん「そうなんですか?」と聞き返す顔がなんだか生き生きしていた
  これは少しパラドックス的な論法だったかもしれませんから誤解される恐れは充分にある。
 「ひたすら守って」という部分ですが、それが常に良いことだとは言っていませんが、彼は「守る事は簡単だから、勝つことは簡単で尚且つ置石が減る」と思ったのでしょうね
 普通は「守って守って打つようでは強くなれないよ」と言われるはずです
  ですから裏返して言うと「積極的」=良いこととなるのですがこの辺りに誤解される要因が潜んでいるようにも思える。
 つまり「積極的」であろうと「消極的」であろうとそれ自体に善悪があるわけでは無くて、局面に合った手が良いわけです。
 ですから守るべきところは守り、攻めるべきところは攻めなくてはいけない
 ただ、下手としてはそういう理想的な打ち方は成長過程ではなかなか難しいので、とりあえず積極策を奨励するような気がする。
 消極策が身に染み着いてしまうのも困りますしね。
  そういうことを踏まえたうえで「守りに守って・・・尚且つ勝てるならば」当然ハンデが間違っているのでしょう
 何回か打ってたまにはそういうこともあるかも知れませんが、3番手直りみたいな中では相当難しいでしょう
  だから「守り専科」がいつでも良いこととは言っていないのですが伝わっただろうか?
 守りに力点が入っていたとしても、互い先とかハンデが適正な置き碁などでは、場合によっては反撃体勢を持った守りでなくてはいけないでしょう?
 少なくとも気持ちの上ではそういう目で碁盤を見ますね。

 さてFさん「3つ置いた碁」で試しに打つだろうか・
  私の勝手読みかもしれないが、彼は「置き碁の黒として積極的な打ち方をしなくてはいけないから、結果として紛れることが多いので白にチャンスが生じる」と思っているような・・・裏返しとして「黒がその気になって守りを固めれば白にはなかなかチャンスが少ないはず」」と感じているように見える
 ある程度は正しい考え方かもしれないですが、「積極的」「消極的」にはその人の好みもあるでしょうし、「積極的」=取り掛けでも無いでしょうしその点は誤解が有るような気がしている
 置き碁では白に付込む隙を見せず・・・これは「ひたすら守る」とは違うはず
  手を考える時「手抜き」とか「振り代わり」もう一歩踏み込んだ守り・・・
 そういうことをされたら置石は確実に減りますね。
  守り=消極では無いですからね
 さて今言ったことは全部自分に帰ってきそうです。