なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

本の値段

2008-03-03 17:53:57 | Weblog
 先日ネットでチョウさんの本を注文する時に値段で一寸引っ掛かりを感じました。
 これは、誰の本でも、どんな本でもいざお金を出して買おうというときにはいつも感じてしまう貧乏性です。
 ですから、勿論「この内容で、この値段?」みたいな失礼なこことではなくて、私の財布からいくらなら支払えるのだろうか?・・・みたいな事柄です。
 マアいくら貧乏な私でも、それを買ったからと言って破産するのではありませんが、でも買うに当たっては考えてしまうのです。
 これは衣料品でも同じ・・・食品については「待った無し」的なところがあるからその辺の意識は希薄ですが。
 
 1冊の本が出来るには、著者の苦労があり、印刷・製本などのいろいろな作業があり、紙とかインクとかの材料費がかかり、出版する会社や本屋さんのの利益も見込まれて値段が決まるのでしょうが、それらを作る・売る側の正当な評価としての本の値段だったとして、私の場合は買うほうの立場で、いくらくらいならいいのかなという財布との相談
  ですから、著作の内容、著者の知名度などとは・・・余り関係が無いかも知れない
 どれくらいそれが欲しいか?いくらまでなら払えるか?のような問題
 
 少し前に塩野七生さんの「ローマ人の物語」が出版された時に、私が買うにはやや値段が高いかなとはおもいつつも、シリーズが出版されるたびに勝ってしまいました。
 ですから貧乏性の貧乏人ではありますが、多少高くても気に入ってしまえば買うわけです
 気持ちとしては「金のかかる悪女に惚れた弱み」みたいな感じかな?
  その本はハードカバーのしっかりした本ですから、本棚に並べてもまあまあ見てくれは良い。
 しかし私としては「中味さえ良ければ装丁を落としても安い方がいいのに」とぶつくさ言いながら買っていた・・・

 本の値段については、貧乏学生時代の思い出があります。(この頃から貧乏性が染み付いたでしょうから、結構年季が入っている)
  その頃「すみれ図譜」と言う本がありまして・・・今で言うとスミレという種のボタニカルアート集というか・・・写真ではなくて白黒の2色の手書きのスミレに関する図鑑です。
 この本が当時の値段で5000円!
  貧乏学生には高値の花みたいなものです。
 アカデミックで、保存版みたいな堅牢な作りで・・・出版部数も少ないでしょうから値段は安くは出来ないでしょう。
 『良くぞ出版して戴けた』という感謝の近い気持ちと、『しかし、値段がなァ』という嘆き節が同居します
 いや買えないことは無いのですが・・・当時の間借りしていた下宿が4畳半で月5000円・・・丁度本の値段と同じでした。
  今、東京近郊辺りでワンルームマンションなら家賃が6万円くらいでしょうか
 下宿スタイルでしたから、おそらく半値くらいで今なら2、3万円はすると思われます。
  田舎からの仕送りは家賃と一月の食費などでピッタリだったのです
 そこで(既に時効だと思われるので話せますが)
  1冊丸まるコピー版を作ることに・・・
 当然著作権に触れますが、この本をテキストにして何回かに分けてスミレの講義をやって頂くことに・・・つまり何回かの講義を受けると自然に手元に1冊分のコピーが残ると言う仕組み
 その辺を懇意にしていただいた生物学の助教授に頼み込んで・・・研究室名義で20人分のテキストを作って・・・(ナント)コピー代を先生に立て替えてもらって
  今考えても、貧乏だといろんな知恵?を搾り出さないといけない
 当時のコピー代が同じものをコピーする時に、最初の1枚が20円ですが2枚目以降は1円・・・1ページにつき20部のコピー代は39円でスミレは日本産の野生種は約80数種類・概ね100ページ
 と言うことで、1部300円程度で海賊?版を作った
  いやスミレに関する自主講座のテキストですが

 これも学生時代ですが、当時のパチンコは今と違って、釘で調整されていた
  今みたいなコンピュータの確率とは無縁の世界です。
 私は実は子供時代に父親がパチンコに行く時についていって、かなり鍛えていまして・・・高校生時代は場末の小さなパチンコ屋さんの常連だったりして・・・
 「芸は身を助く?」では無いけれど、学生時代アルバイト代わりにパチンコと麻雀(麻雀の話は置くとして)
  パチンコで儲けると言っても、今のパチンコに較べればささやかなものです
 (何せ当時は1個2円です・・・もっとも換金率も70%程度は有りましたが)
 毎日のようにパチンコ屋に顔を出して1500円から2000円くらい儲けるとお終い・・・そういうアルバイト?
  それでパチンコ屋さんの2軒隣に本屋さんがありまして、必ず本を買って帰ります。
 例えばタイムライフ社の自然シリーズみたいな本・当時大体700円くらいの本で、概ねパチンコの儲けの半分
  残りの半分でその日暮らしたいな生活・・・
 いや本の値段の話でした。
  ともかく当時の700円は安くはなかったですね。
 それでも、欲しい本は買っていた。

 サテその頃に較べれば、同じ貧乏でも多少はゆとりがある・・・
  それでも、本を買う時は必ず値段が気になるのです
  囲碁の本は、ベストセラーになるような気遣いは無いから・・・発行・販売部数を考えたら安くは出来ないでしょうね。
  ですから単なる商品としてみたら、どちらかと言うと割高商品でしょう
  割高を意識しつつも、買って読みたいと言う欲求が問題
 ではいくらなら良いか・・・それは安ければ安いほど良いけれど、買う方の許容範囲みたいな感じで言うと
  中味にもよるし、装丁にもよるし、質だけではなく量も問題ですが、まあ1000円以内なら良いかなという感じですね。
  このくらいの値段で内容にも満足できれば得をした気分になれるし、やや不満が残っても「マアいいか」「しかたない」みたいに諦めやすいです。
 まさに貧乏症ですね。