赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

立憲民主党と共産党が合流協議に入っている コラム(344)

2020-12-06 10:12:42 | 政治見解



コラム(344):立憲民主党と共産党が合流協議に入っている

旧立憲民主党と旧国民民主党から分党した議員たちが合流して新しい立憲民主党が結成されました。

これに前後して日本共産党は「野党連合政権」構想を打ち出し、首班指名で立憲民主党の枝野代表に投票するという出来事がありました。共産党が他党に投票するのは22年ぶりのことです。共産党の支持を得た枝野代表は「(共産党とは)相当な共通点がある」として前向きな姿勢を示しています。

この状況に対して、当ブログ宛に友人から「立憲民主党と日本共産党は言っていることや、根底にある考え、目的が共通しています。テレビで、枝野氏や小池氏が野党連合を叫んでいるのを見て、これは『立憲共産党』だと思いました。」とのコメントを頂きました。もともと両党は親和性のある政党なので、一つになっても違和感はありません。


背景にある両党のメリット

立憲民主党は衆議院で108の議席を保有し、参議院は43議席を有しています。今後、共産党との選挙協力が進むことで、立憲民主党の組織力が補完され、衆院で150議席を獲得できると試算している幹部もいます。両党が合流すると289の小選挙区中の60の競合区が解消され、議席の上積みが可能だと考えているようです。

また、立憲民主党にとっては合流することで情報力がアップします。国会での立憲民主党の質問は週刊誌やメディア報道に依拠することが多いのに対し、共産党は独自の調査で質問を行っています。

共産党が政府を追及する情報源は関係省庁内にいる国家公務員によってもたらされています。長年にわたり政府自民党を追い詰めてきた様々な問題は共産党員の公務員によるリークなのです。残念ながら立憲民主党にはそうした情報ルートはありません。つまり、立憲民主党は共産党が提起した問題に対して後塵を拝するほかありません。

最近の日本学術会議の問題でも共産党系の学者が排除されたため騒ぎになったのですが、国会では立憲民主党が前面に立ったので、最終的には、世論の反発はおもに共産党ではなく立憲民主党に向けられました。

一方、最近になって共産党は中国批判を強めています。「尖閣は自国の領土だ」と主張した中国の王外相への批判や、香港の民主化運動の周庭さんらに実刑判決を下した「国家安全法」に抗議するなど、自民党以上に強硬な意思を示しています。これは野党連合を推し進めるための世論形成を意図したものです。

また、日本共産党は近年、中国からの資金援助が無くなり、全選挙区に候補者を立てるほどの資金的な余裕がありません。

したがって、立憲民主党と合流することで資金難が解消され、さらに、後期高齢者によって支えられている硬直化した組織の若返りを図ることができます。また、合流することで立憲民主党系の労組の取り込みが容易になると考えています。



立憲民主党と共産党は国会対策上の協力関係だけではなく、水面下では両党の合流を視野に調整を図っています。合流後は「立憲民主党」の党名を掲げるかもしれませんが、その本質は「立憲共産党」なのです。

ただ、こうした両党の思惑が世論に受け入れられるかどうかは別問題ですが・・・。




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