赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

ウクライナ②—ウクライナの政治危機

2023-09-25 00:00:00 | 政治見解



ウクライナ②—ウクライナの政治危機 :230925情報


昨年の4月、当ブログ『ウクライナ問題、もう一つの視座』でロシア事情に精通する物理学者からの個人的メールを紹介したことがあります。

テレビに出てくる大学のロシア研究者も防衛省の研究者も、歴史も事実関係も、兵器に関しても、勉強不足と云うよりも、全く無知のようです。これは米国が始めた戦争です。ロシアは、仲良し米国の黙認が無ければ絶対にやりません。真珠湾のときと同じように、プーチンは嵌められた(米国とツルンだKGBか?)と思います。

金融制裁など、チョットは効き目がありますが逆効果。ドル体制の崩壊です。オイル・ガス本位制、鉱物資源本位、大豆本位制・・・・で、ルーブルでも、元でも、ルピーでも何でもありの多元制となります。グローバル・ドルのもとで紙きれだった通貨も、地下に資源(物)でもあれば、生き返ります。

「ロシアはルーブルで払え」と言っていますが、ドルが無くても、ルーブルが無くても、例えばペソで払えば銀行が勝手にルーブルに変換するだけで簡単です。ドルを買う必要が無いので、手数料も半減です。これは、80%の貧乏国が望んでいた体制です。

恐ろしい時代がきます。自宅で戦争に参加できるようになりました。好事家は、どちらが側でも面白ければ関係ありません。ソフトが流れています。

ハードも例えば米国戦車砲1台は、高級車数台に変わって、流れています。ウクライナも今はロシアのお陰で統一されていますが、もともと分裂国家。民間やゴロツキ集団に渡った兵器は、各派の貯蔵に回っています。「秀吉の刀狩」は難しいでしょう。


最後の方に「武器の横流し」が書かれていますが、やっとこの事実が認知されるようになってきました。国際政治学者は、坤為地のウクライナの政治状況を以下のように語ります。




9月3日のゼレンスキー大統領がレズニコウ国防大臣を更迭すると発表しました。これは国会の承認が要るので、やがて国会で承認を受けることになると思います。

問題は前から噂されていて、ある程度の事実も出てきている国防省内の増収賄汚職事件です。国防省が今、戦争をやっていますから大量の食料や様々な物資・兵器も含めて購入するわけですが、そこの入札で不正がありました。要するに国防省の役人が不正に金儲けをしているということです。

そして、西側から供与される兵器の一部が横流しをされていて、アンダーグラウンドの世界にそれが流れている話や、その一部がヨーロッパの方に還流してしまっています。要するに兵器が正式なルートでウクライナに来ていますが、国内のマフィア的なところにその兵器が流れてしまって、それがヨーロッパのアンダーグラウンドの世界に還流しているというようなことまで指摘されているのです。

これも国防省汚職の一環となります。レズニコウさん自身もその疑いを持たれているということでしょう。レズニコウが国防省内の汚職問題をちゃんとコントロールできていないという責任も問われたのだと思います。以前は特に食料が指摘されました。兵隊さんの食料を国防省がいっぱい買い付けるわけですが、それに関して不正があったということが言われています。

後任がルステム・ウメロフという人になるのです。ウメロフさんは元々クリミアにいたタタール人であり、彼らはスターリン時代に強制移住させられたのですが、この人自身は旧ソ連のウズベキスタンで生ました。1982年生まれということで、現在41歳の若い人です。クリミア・タタール人の末裔でイスラム教徒となります。前のレズニコウさんはゼレンスキーさんと同じユダヤ系でしたが、大きくメンバーが変わりました。

レズニコフ国防大臣の元で腐敗が続いているということになると、やはり西側のアメリカやヨーロッパの国々がウクライナを支援しようという気力が落ちるでしょう。そこまで腐敗したところにおいて金儲けに使われているのかと考えたら、経済援助も軍事援助もやる気がないなという感じになって、国内的にも一般国民のウクライナ支援に対する支持率も落ちてきます。それはアメリカでも同様です。

こういう状態を正さないといけないということでゼレンスキー大統領は決断をしたということなのですが、それ以上に大統領自身の足元を揺らがせるような事件も起きています。

それは2019年のゼレンスキーさんが選ばれた大統領選挙において一番ゼレンスキーを支援して大統領に押し上げた新興財閥の1人がコロモイスキーという人です。このコロモイスキーさんがマネーロンダリングで起訴されたというニュースがロイター通信で入ってきました。

コロモイスキーさんがやっていることが今年の2月ぐらいから大手石油会社に関わる脱税事件等で自宅捜査が行われていたようです。そこで外国にお金を送って不正な資金洗浄(マネーロンダリング)をやっていたということが報道されました。ロイター通信によると、コロモイスキーさんは2013年から2020年に違法で獲得したウクライナの通貨単位で5億フリブナ(約20億円)以上を自ら支配する銀行を通じて国外送金などして資金洗浄した疑いがあるということです。

そもそもコロモイスキーさんは、オリガルヒの1人としてゼレンスキーさんを売り出した人間の1人でもあります。コロモイスキーさんが持っているOne Plus Oneというメディアグループがあるのですが、彼がこの会社の70%の株を所有しています。

このテレビ局One Plus Oneでゼレンスキーが学校の先生を演じた『国民のしもべ』というシリーズを放映しました。これはゼレンスキーさんが学校の真面目な先生であって、大統領選挙に立候補したら当選してしまったという話で、腐敗したウクライナの政治を正していくという一種のコメディタッチの夢物語(フィクション)です。これが受けてそういうことをやってほしいということで、フィクションと現実が混沌となるような形でゼレンスキーが2019年の大統領選挙に立候補して当選してしまうという夢のような話が実現してしまったわけです。

そして、コロモイスキーはドニエプロペトロフスク州の知事も務めた経験があるということで、彼がゼレンスキーの選挙キャンペーンでもセキュリティとかロジスティクスのバックアップを一番やったということで、最もゼレンスキーを支援してきたオリガルヒということです。ゼレンスキーさんが大統領になった後は、一線を画して彼に託されたオリガルヒとの腐れ縁を切るような政治をやるように心がけてきたとは言いながら、コロモイスキーとの縁は深いものがありました。


彼のライバルなどが次々に失脚する中でコロモイスキー自身は、司直の手にかかることがない違法行為で起訴されるということもなく生き延びてきたのです。ところがよく調べてみると、コロモイスキーさんとゼレンスキーさんは、大統領選挙前の2年間くらい海外に14回も一緒に旅行しているという深い仲でした。ジュネーブやテルアビブなどに旅行をしていたそうです。いわゆる刎頚の友だったのではないかと思います。しかし、コロモイスキーの評判が悪いので、政府としても起訴せざるを得ないということになったのでしょう。

先ほども言ったように、あまりにも腐敗しているよということです。まるでウクライナがマフィア国家ということになると、アメリカ、ヨーロッパの国々、日本も含めてウクライナ支援の支持が集まりません。それで一定の規律を示さないといけないということで、自分がお世話になってきた財閥だけど、これを起訴せざるを得ないというところにゼレンスキーは踏み込んだのではないかと思います。

いずれにせよ、無国籍金融資本派・無国籍ボーダーレス経済のグローバル人たちがこの戦争を仕掛ける側であったということ、そしてウクライナを応援しているということです。まさにコロモイスキーさんは無国籍的なグローバルリストであると言えます。国籍も3重国籍という人間が戦争の最中にあるにもかかわらず、不正行為を行ってきました。訴追対象になったのは2013年から2020年までなのですが、未だに本質的にやっていることを改めていないのでしょう。

そういうことになりますと、ウクライナも国際的にも支援を受けにくくなってきて、ますます戦争がやりにくくなってくるということです。8月11日にはゼレンスキー大統領が全ての州の軍事委員会のトップをクビにしました。これは徴兵逃れで贈収賄が横行しているということがあり、この徴兵の最高責任は各州の軍事委員会であるということで、そこのトップに責任を取らせるため全部のクビを切ったわけです。こういう体制では国民が一致団結して、総力を結集してロシアと戦っているということにはなりません。

やはり、ウクライナの方で戦争を継続能力がだんだんスタミナ切れになってきているのではないでしょうか。これでおそらく秋から冬にかけてのウクライナ側がやむを得ず停戦・休戦を受け入れるという状況に繋がってくると思います。その伏線になるでしょう。



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