赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

反戦、反基地、反原発の背後に潜むテロリズムの思想

2015-05-26 00:00:00 | 政治見解
赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』(24)

反戦、反基地、反原発の背後に潜むテロリズムの思想



高度な精神性に基づく日本の再生を


素朴な疑問

「戦争反対」、「米軍基地反対」、「原発はいらない」などのプラカードを掲げては、声を張り上げて政府批判を繰り返す人たちの姿に、筆者のみならず多くの方が違和感を覚えていると思います。かれらの主張を一見すれば、「平和・子ども・人権・平等・動物愛護・環境」などの誰もが反論しにくいようなことを掲げています。しかし、実際に活動している人たちの顔を見ると、マスク、サングラス、帽子などで顔を隠していることも多く、また、違法行為を行っている人も見受けられます【※1】。

【※1】『正論2013年6月号』:「YouTubeで公開されている『普天間基地野嵩ゲート前のプロ市民』を是非ご覧いただきたい。普天間基地の大山ゲートでは、月曜日から金曜日までの毎朝、横断幕で歩道を封鎖する活動家や、ノロノロ運転で米兵の通勤車両を妨害する本土出身の活動家もいる。毎朝、米兵の車を蹴る老婆もいるという。・・・」

これでは、仮に社会正義の運動であったとしても、手放しで賛同することができません。かつて1970年代学生運動の「反戦平和」を叫びながら、平和とは真逆の「闘争」、「戦争行為」に国民の支持が集まらなかったのと同様に感じます。

まら、かれらは、「民意を重んじろ」、「話し合いで解決せよ」ということを強く主張しています。しかし、いざ話し合いの場がもたれた場合、かれらの主張ばかりが会場内に響き渡ります。しかも、かれらに対する反対意見には怒号と罵声で封殺します。かりに、主催者側が科学的根拠で説明しても、また、客観的な状況説明しても「その説明は納得できない」と大声で否定するだけです。いくら丁寧な説明があっても議論はかみ合わないのです【※2】。国会の論戦でも同じようなことがしばしば起こりますので、そのことはよく理解できるはずです。

【※2】原発の説明会では国側が「安全に管理すれば大丈夫だ」と言うと、「そんなものは『国家』は嘘をつくから信用できない」と反論する。また、「核エネルギーは平和利用する」と言うと、「プルトニウムを『国家』が悪用するかもしれない」と反論する。どこまでいっても話し合いはかみあわないままである。


なぜ、国家を信用しないのか

かれらは「国家は悪である」という間違った認識【※3】を持っています。これは社会主義イデオロギーに由来するもので、1991年のソ連の崩壊とともに消え去るべきものでしたが、未だにその「洗脳」から目覚めることが出来ない人が存在します。

【※3】レーニンは『国家と革命』のなかで「国家は支配者階級による統治機構であり、その本質は暴力装置である」と説いている。「国家とは、その社会において経済的に支配的な一階級が、自己の利害を全社会に押しつけ、自らの支配のための「秩序」を防衛し、政治的支配をおしひろげるための機構である。警察、監獄、軍隊などの暴力装置が国家権力の本質的な機能を果すものである。」とする。「自衛隊は暴力装置である」との発言した政治家はレーニンの思想に染まっていたということに他ならない。

また、かれらの中には「国家や権威の存在を否定」する無政府主義の思想の持ち主も存在します。「政府が権力を行使すれば、国民の自由を抑圧する」から、そういう「国家や政府はいらない」とする考え方です。


テロリズムの本質

このような「国家は悪である」、「国家は不要である」という考え方をエスカレートさせればテロリストになっていく可能性も高くなります。テロリズムとは、思想や言葉での主張よりも、違法な行動や暴力に訴えていこうとするものだからです。

先日、官邸の屋上にドローンを飛ばした犯人は、反原発を主張する人ですが、「言葉やデモ行進では効果が無いのでドローンを飛ばして圧力をかけようとした」と供述しているようです。これはテロ行為と同じです。原発よりも何倍も人々を不安に陥れる行為です。テロの本質を良く物語っている事件だったように感じます。

また、政府批判を繰り返す勢力の根底にもテロリストと共通する思考があります【※4】【※5】。かれらの考え方こそが、社会の無秩序と無差別の暴力を招いています。かれらの行動には憎しみの感情を煽って戦争を誘発させようとする意思を感じます。

【※4】2015年5月20日 、「鉄は熱いうちに打つ、安倍は今のうちに撃つ方が良くないかなあ。 7/24に大抗議があるけど、一発楔打ち込むためにも」と一国の首相に殺害予告をしているツイートがあった。

【※5】5月21日、秋篠宮ご夫妻の次女佳子さま(20)に危害を加える書き込みをインターネット上にして逮捕された人物は、「佳子を韓国人の手で韓国人の男に逆らえないようにしてやる」と書き込んでいた。さらに、模倣犯と思われる人物は「明日佳子内親王を誘拐し朝鮮総連に拉致監禁し・・・ついでに皇居と伊勢神宮を時限爆弾で爆破する」と脅迫ともとれる内容を書き込んでいる。


かれらに共通するのは、日本という国家に対して強い憎しみの心情を持っているということです。そして、日本を破壊するためには何をしてもいいと思っているのです。彼らにとって、「反基地」、「反原発」、「反戦」は、自らのテロ行為を正当化するための口実にすぎないのです。

かれらの本当の目的は、「テロをやめさせたいなら『金を寄こせ』」といっているのです。日本に反逆して暴れまわれば、金をもらえることを知っているのです。これまで「過激な闘争」には、補償金名目で莫大なお金が支払われていましたから【※7】。

【※7】1977年9月28日に発生した日本赤軍によるダッカ日航機ハイジャック事件では、600万米ドル(当時の為替レートで約16億円)の身代金が支払われた、また、成田国際空港建設に反対する闘争では、土地を収用された反対派住民に別途、補償金が支払われている。沖縄の反基地闘争も例外ではない。
ご参照「沖縄反基地闘争の本質 利権目的の反日闘争はもう止めよう!!

まさに、暴力団やISIL(過激派組織イスラム国)と同一の手法をとっているのがおわかりになるはずです。彼らは金のために違法行為や暴力もいといません。しかも、かれらにとっては、金と破壊が目的なので、最初から建設的な代案などありません。ものを破壊してすっきりするような精神とはどのようなものなのかを想像すれば、おおよそ彼らの精神性がどのようなものか理解することができるのではないでしょうか。


高度な精神性に基づく日本の再生を

かつて、カントは道徳の基本的命題に対して「他人に対して自分が他人からしてほしいようにすること」と語りました。論語でも「己の欲せざるところは人に施すこと勿れ」と語っています。

このように先人たちが残した言葉は現在でも色あせない言葉があるように、「人の苦しみには共感し、人の幸福を我が喜びとするような一体感」を基調に、さまざまな機会で「国民としての自覚」を高めていきたいと思います。

そのためにはどのような精神文化によって日本の平和が保たれてきたのかを学び、これからもより高度な精神文化を創り続ける努力を続けることが何よりも大切なことだと思います。この努力が国民と日本を結ぶ強い絆になるはずです。

また、外からの「軍事的な攻撃」に対し国民の安全を守る施策を講じることも国家の重要な働きの一つです。私たち国民がこのような認識を持つことが、日本に対するテロや戦争の脅威を無くすことにつながるのではないかと思います。


戦後70年を機に、国際社会の模範となれるような日本に再生していきたいと念願しています。そのためにも、与野党問わず安全保障政策の議論に「高度な精神性に基づく秩序」を反映していただきたいと強く思います。



  お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com 
  FBは https://www.facebook.com/akaminekaz です

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 安全保障法制はなぜ必要なのか | トップ | カジノ法案は亡国への道 »
最新の画像もっと見る

政治見解」カテゴリの最新記事