赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

移民問題——日本の救世主はファミレスにいた

2024-02-19 00:00:00 | 政治見解



移民問題——日本の救世主はファミレスにいた :240219情報


不法移民のアメリカ』で論じた通り、不法移民は国家を揺るがす大問題となります。なぜなら、不法移民の多くは元に居住した国家への不満を抱えているから逃げ出してきたのであり、移民先に「怨念」を持ち込んできているからです。したがって、怨念に、言語、習慣、文化、宗教の違いが移民先との軋轢摩擦になっています。

さて、移民をあまり受け入れない日本にとっては、移民問題をどうとらえるか、とりわけ少子高齢化が進み若年層の労働力を確保したい経済界の思惑を含めて、北野幸伯氏にご登場いただき考えてみたいと思います。


★移民問題をどう考えるか?

私は「セルフレジ、ウェイターロボットの普及は、なぜいいのか?」という話をしたことがあります。

機械化、自動化、ロボット化しなければ、企業は結局、「人手が足りない。どうしよう。そうだ! 貧しい外国人労働者を雇って最低賃金で働かせよう!」となってしまう。差別的移民政策を進めるよりも、機械化、自動化、ロボット化の方がいいという話です。

この件について、たくさんのメールをいただきました。二通ご紹介させていただきます。

まずは、「イギリス在住50代女性さま」からのメール。

いつもメルマガを拝読しております、イギリス在住の50代女性です。ロシアでの差別される移民の状況を興味を持って読みました。そこで今、イギリスで起こっていることをお知らせしたく初めてメールいたします。

まずイギリスには歴史的に移民が多く、アメリカのようなひどい人種差別はありません。あるのは「区別」程度で、見慣れない外国人に関わるのを避けようという雰囲気がありますが、許容範囲内の出来事です。

イギリスはEUに加入していた時代は外国人が自由に出入りし、低賃金の仕事や季節労働を担い、長距離トラック運転手が足りないと運転免許の取得や外国人運転手の受け入れを緩和し、介護職従事者が足りないと2-3年の時限ビザで外国人を受け入れという場当たり的な政策を行っています。

人手が足りない、どうにかしてくれという民意を反映してのことですが、人が入ってくるということは、その人の生活がイギリスを舞台にするということです。家族や子供も一緒に来て、住居を借り、学校に通い、医者に通うということです。

目下、家賃の高騰が起きていますが、こうした外国人の急激な入国で需要が高まったのが大きな要因です。学校では英語の話せない子供に手がかかり、いわゆるふつうの問題のない子供は、テキストブックを「自習」するのが日課です。

病院も患者増に逼迫して、救急車を呼んでも7-8時間は来てくれません。何事も急な変化には対応できないのです。家を建てる、医者を増やす、学校を建てるなどには時間と長期的な計画を要します。

私も日本やイギリスの歴史、文化を尊重し、法律を守り、きちんと納税する移民はむしろ歓迎です。ただし急激な変化にはインフラも民意もついていけていないので、入国の際にきちんとした精査をしてもらいたいと思います。

身近に人種差別的な事件は起きていませんが、若い人たちの間で不満は燻っているようです。ただし不満の的は政府で、さいわい外国人を差別する雰囲気はありません。ロシアのように、外国人を不満の捌け口にしないでほしいと祈るばかりです。

ちなみに、日本も今国会で、外国人労働者を受け入れしやすくする法案が通りそうだと聞き、危惧しています。日本人が応募しないような低賃金で重労働を外国人に安くやらせる、というような企業は淘汰されるべきだと思います。

ロボット化という投資ができない企業を延命させるために、日本人の調和に満ちた生活を崩すのはあまりにもったいない。

ありがとうございます! イギリス現地からの情報は、貴重です。学校の状況、救急車が7~8時間来ないなどは驚愕ですね。

〈 何事も急な変化には対応できないのです。〉というのは、「本当にその通りだ」と思いました。


つづいて、藤宮さまからのメールをご紹介させていただきます。

今回の、「【セルフレジ、ロボットウェイターの普及はよいことか?」についても、北野先生のご意見に全面的に賛同致します。セルフレジやロボットウェイターの普及は、やはり人手不足だと思います。

日本がこれだけ人手不足になった理由は、政策の結果だと思います。(中略)私の職場でもそうですが、人手不足で、一人一人の社員がフル回転し、常に残業しているような状況です。そんな状況なので、触れ合うような時間を取る余裕もあまりありません。むしろ、余計な時間を取らないで欲しいと思います。

余裕が無いのです。

そんな中で、少しでも代われる仕事を機械やロボットがやってくれたら、こちらにも余裕が生まれ、触れ合う時間を取る事も出来るようになると思います。

人手不足の原因となる、ここまで日本が少子高齢化に陥る施策を取ってきた、政治家や官僚、
それを選んだ国民の責任では無いかと思います。

その解消はやはり差別的移民では無いと私も思います。

個人的には、ファミレスのウェイターロボットは子どもも喜びますし、従業員の方も余計なクレームを受ける事が減るのでは無いかと思います。

最近はカスタマーハラスメント(カスハラ)も酷いので。セルフレジも、私は人と話すのも得意では無く、余計な気も使いたく無く、またマイペースで作業出来るので、積極的に利用します。〉


実感のこもったメール、ありがとうございます!

藤宮様が書かれているように、日本にも「余裕」が必要だろうと思います。もっと具体的に言うと、「お金の余裕」「時間の余裕」です。日本は「長時間労働」で有名な国でしたが、働き方改革でマシになってきたのかなと思います。

「お金の余裕」は、財務省に操られてきた自民党政権(民主党政権も)が増税を繰り返してきた結果、ほとんどの人が「余裕がない生活」を強いられていることでしょう。

私が2018年日本に戻ってきたとき、日本の閉そく感の理由が三つあると思いました。
・長時間労働
・重税国家であること
・少子高齢化、人口減少

既述のように、長時間労働は、「働き方改革」と新型コロナパンデミックによる「テレワークの普及」で、改善されてきました。日本が幸せな国、繁栄する国になるための次のステップは、「重税国家であることをやめること」です。

この結論、「よく理解できない」と思う人も多いでしょう。そんな人は、『安倍晋三 回顧録』を是非ご一読ください。
「暗黒の30年、本当の理由」が明確にわかります。





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