⑩中国のロビー活動の実態——質疑応答 その2
(続きです——本講演録は、特別に許可を頂いて公表いたしております。)
次に、質問の2があります。
「自民党の総裁選について質問です。選挙管理委員会のメ ンバーに前回の総裁選で高市早苗氏の推薦人を務めた議員が入っているとのニュースが、 日経新聞から出ました。これは岸田総裁により高市つぶしと言えるのでしょうか」。
総裁選は命こそ取られませんけれども、これはお家が取り潰しになるかどうか、議員生命のかかった現代の戦なんですね。推薦人に名を連ねるのは、その候補が負けた場合に冷や飯を食いつづけなければならない、そういう宿命を負うことになります。「お前、あの 時俺じゃなくてあいつの推薦人として、支持に回ったじゃないか。俺に弓矢を向けたじゃないか」と、そんな話になるわけです。
なくなったけど、派閥の親分クラスは閣僚、内閣に取り込んでわっしょいわっしょいやっていくというやり方はありますけれども、末端の 人たちはそうはいきませんよね。末端というか、中堅以下の議員の人たちはそんな覚悟のいる推薦人を集めるというのは、実は並大抵のことではありません。
特に 無派閥の高市早苗さんの場合、立候補に必要な20人を集めるのは容易ではないんですね。 前回2021年の時には、安倍さんが高市さんの背中を押したので、20人さっと集まりまし たけれども、なかなか難しい、容易なことではありません。
こうした状況で、岸田文雄自民党総裁、彼が2021年の総裁選で高市さんの推薦人として名を連ねた20人のうち、黄川田さんと片山さっきさん、推薦人になることができない 選挙管理委員会に2人を選んだんですね。推薦人から引っこ抜いたという形です。だから 高市つぶしじゃないかと言われているし、私はそう受け取られても仕方がないと思います。質問のとおりですね。
何しろ岸田派からは選挙管理委員会のメンバーがゼロなんですから、おかしいですね。
これは岸田さん、総理であって自民党の総裁であるという役得ですね。遺憾なく発揮しています。ただ岩盤保守層から絶大な人気のある高市さんのことなので、私もつい最近、実は都内でクローズの高市さんの講演会を、最前列で見てきました。講演を聴いてきました。すごい大盛況でした。押すな押すなでした。
そんな高市さん、だから2人ぐらい推薦人を持っていかれても、立候補に必要な推薦人20人を確保するのは、簡単ではないんですけれども、そんなに慌てるほどのことでもないんじやないかと、私は思っております。そ う信じたいというのもありますけれども。
むしろ、公職選挙法に基づかない自民党の総裁選、都知事選とか衆議院補選がありまし たけれども、自民党の総裁選は注目が集まりますが、与党一党ですから、自民党の総裁= 総理ですからね。非常に大事なんだけれども、問題なのは公職選挙法に基づかないんですよ。だからロシアなどの権威主義国家並みに、何があってもおかしくないというのが自民党の総裁選で、この選挙のやり方には十分な注意を払うべきだと私は思います。
現に2020年の総裁選で、地方に強い石破茂元幹事長の推薦人になっていた渡海紀三朗 政調会長、最近、今収録しているまさに前日、発言して撤回したように、地方票を先に開票して国会議員票に影響を与えようという、そういう動きすら出ているんですね。
今まで それはまずいといって、同時に開けていたんですよ。今回、フルスペックですべての国会議員だけとかじやなくて、全自民党員、党友まで入れて選挙をやろうという動きになっていますけれども、もう既に石破派の議員からこんなことを言う、自分たちに有利になるような選挙の仕組みにしようという動きが出ているんですね。おかしいですよね。ころころ 自民党総裁選の仕組みは変わるんですから。
河野太郎デジタル担当相も、もう浮き足立っていますよね。出馬に意欲を示していますけれども、本人確認のいい加減な自民党への入党を利用して、自民党員になりすました中国人の存在というのが指摘されているんですよ。自民党員になりたい、なります、年間 4,000円払います――なれちゃうんですよ。なぜか。
いちいち地方の党組織は、戸籍謄本見せてください、パスポート見せてくださいとやらないですから。免許証を見せてくださいとやらない。全部めくら判。めくら判って言ったら今はだめなのかな。見ないで片手ではんこを押してしまうんです。そんなような状況なので、なりすましの外国人が入ってきている疑いがある。
これは私が勝手に言っているのではなくて、種明かしすれば、既に日経新聞の記者が堂々と取材して、中国側から取材して、日本の捜査当局、公安当局から取材して書いているんですね。嘘は書かないでしょう。ということで、私はこれは日経新聞 はGoodジョフ、いい仕事をやりましたね。
逆に、空恐ろしいと思いました。非常にヤバい。だって、地方で外国人に参政権を云々とか、住民投票権を与えるとか、そんなまどろっこしい話ではなくて、総理総裁ですからね。総裁を選ぶこと、イコール、今の状況では自 民党が与党第一党ですから、自民党の総裁=総理ですから。その総理を選ぶ直接投票を、 一部、中国人に委ねる形になるわけですよ。これはまずい。
こういった自民党のインチキがまかり通るような総裁選の仕組み、こういった点にも目配せして、岸田陣営や河野陣営などがおかしなことをしていないかどうか。石破さんが出るか出ないか、出るでしょう。監視の目を光らせていくということも欠かせません。
(つづく)