石破後の反日左翼の仕掛け
まだ統一教会をいうの?
X(旧ツイッター)を見ていると、「政治と金」の話以外に統一教会問題を取り上げていることがあります。それをたどっていくと極左の東京新聞にぶち当たるのですが、統一教会問題は反日左翼にとって大変おいしい問題であったことがわかります。
10月25日の東京新聞には『「本当に教団と接点はないのか」鈴木エイト氏の選挙ウオッチ同行記』と題して次のようなリード文がありました。
——衆院選の投開票日が2日後に迫った。自民党の裏金事件に端を発した「政治とカネ」の問題が注目されるが、忘れてはいけないのが世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家の関係だ。2022年の安倍晋三元首相銃撃事件を受けてつながりが発覚後、初の大型国政選挙となる。この問題を追及してきたジャーナリストの鈴木エイト氏や元信者らは、教団との関係を指摘された候補者をどう見るのか。――
東京新聞の記事は、統一教会に対してたいそうなご執心ぶりがうかがえますが、それだけ、統一教会ネタで新聞、メディアは思う存分自民党を叩くことができて、留飲を下げただけでなく、視聴率などを稼いで収入増につなげられ、命の恵みになったのではないかと思います。
統一教会叩きよりも日本会議を叩きたかった反日左翼
ただ、反日左翼やメディアの本当の狙いは、統一教会ではなく日本会議叩きにあったのは間違いありません。ただ、統一教会の闇があまりにも大きすぎたのと、しかも、統一教会から日本会議へと話を進めようにも両者には関係性が希薄だったので、統一教会叩きしかできなかったというのがほんとうのところです。
筆者は意図的にこの問題を避けていたのですが、東京新聞の記事を見て、反日左翼の本当の狙いは何だったのか、そして今後の狙いは何かということで特別にお話をしたいと思います。
数年前(安倍政権下)、あるカルト教団の問題で弁護士連中から呼ばれたことがあります。『やや日刊カルト新聞』の記者(鈴木エイト氏ではない)が某教団から訴えられたため支援要請の形で呼ばれたのです。弁護士は、今を時めく紀藤正樹弁護士とその関係の弁護士10名でした。
大物感を漂わせる紀藤弁護士はなかなか出てきませんでしたので、その間、雑談に話が咲いたのですが、その時の話題が、なぜか訴訟のテーマとは違う日本会議の話ばかりでした。日本会議の国会議員メンバーのことを中心にいかに批判の素材を見つけるかということに終始していました。
ただ、筆者にとっては話題の内容があまりにも陳腐でした。なぜなら、筆者は日本会議の構成員ではありませんが、日本会議のことをよく知っているからです。なぜなら、筆者は、1970年代に提起された元号法制化運動から昭和・平成の天皇陛下御在位奉祝運動に至るまでの期間、日本会議の事務局に関わっていたからです。いまでも大学の後輩が専従者として頑張っています。
そんな筆者の前で弁護士連中が「右翼の日本会議が(当時の)安倍政権を動かしているのはけしからん」などという荒唐無稽の話をしておりました。
彼らがなぜ日本会議を嫌うのかと言えば、彼らに言わせれば、「家族の価値観や伝統文化、憲法改正などを推進する極右の組織で、しかも、国会議員を支配下に置く言語道断の組織だから」ということになるようです。とくに、弁護士事務所に呼ばれていった当時は安倍政権下で、「安倍政権のコアな応援団となっている日本最大の右派組織」は、反日左派弁護士には不倶戴天の敵でしかありません。
その際、筆者は、狭い世界しか認識のできない無知蒙昧な弁護士には意見しても無駄だと思い、その認識力のなさにあきれかえっていただけでしたが、弁護士連中にとっては、日本会議の問題のほうが、当日の本題よりも許されざる問題だったのではないかと思います。
そのことを思い出してみると、反日左翼がずっと問題にしていた統一教会問題も、本当は、日本会議が最終のターゲットであり、統一教会問題は単にステップに過ぎなかったのではないか。つまり、日本会議と政治の関係性を問題視させ、日本会議主導の改憲の動きを封じ込める狙いがあったと思うのです。
しかし、統一教会の問題はあまりにも闇が深かったのと、反日左翼が描こうとした「統一教会=日本会議」の図式が成り立たず、思うような絵がかけなかったことで、日本会議に対する批判まで及ばなかったのです。
実際、日本会議にとって、文鮮明を仰ぎ、天皇陛下をないがしろにする統一教会こそはまさに不倶戴天の敵にしかすぎません。その事実を知りもせず、日本会議と統一教会を同一視する反日左翼、弁護士連中のなんと浅はかなことか。統一教会問題で偉そうに御託を並べる反日左翼弁護士の顔を見ると、いつも失笑していました。
日本なるものの解体を狙う反日左翼
さて、現在、反日左翼の至上命題は「改憲阻止」にあります。例えば、憲法のどこかの条文一つだけでも変えられれば、77年間もの間守り通してきた「護憲」体制が崩壊します。なかでも、自民党の改憲案は9条と自衛隊にあり、改憲で自衛隊が交戦権を持つ国軍になれば、反日左翼の友邦国は日本への侵略が一層難しくなります。
ただ、改憲は右側にとっても至難の業であることは確かです。国会の発議に三分の二以上の縛りがあるからです。そこで、考え出されたのが「解釈改憲」で、現在の日本国憲法の条文を右側からの解釈で読み直し、とりあえずは改憲せずとも、例えば「自衛隊は合憲」とする解釈を広めるにいたりました。
この考え方は、私が学生時代の1972年ごろから発案されました。発案者は私の理論的師匠の伊藤哲夫氏です。この思想により、憲法解釈も、左翼の「象徴に過ぎない天皇」から「象徴であらせられる天皇」に劇的に変化しこの思想の下、ついに安倍政権下で「集団的自衛権の行使」が容認され、安保法制へと結実していきました。
一方、反日左翼の護憲は商売で、その筋の専門家は日本の革命状況をつくるために日本の伝統と文化を破壊することに専心しています。これは、かつての日本共産党主導の暴力革命路線破綻によるもので、革命の前に、まず日本人としてのアイデンティティを破壊し、日本人という枠組みを壊して、日本に愛着を感じない国民を作ろうとしているのです。しかも、それが、あたかも世界の潮流であり、「日本に拘ることは恥」とする考え方まで用意しています。
もう、すでに突破されたものがあります。2023年の「LGBTQ理解増進法」です。まだ理念法の段階ですが、日本の伝統的な考え方とは全く異質なものです。このことを、日本国を体に例えてみると、異質な外国のウイルスを体内に取り入れたことと同じになります。コロナワクチンの騒ぎどころではありませんね。
一度、味をしめると反日左翼は調子に乗ります。LGBTQと同じ論点から、いつもの外国人参政権や、選択的夫婦別姓、女性天皇・女系天皇まで話を進めようとしています。
そして、それをメディアからたびたび質問させることによって、それがあたかかも世論のように見せかけます。つい最近では、中国から資金援助をもらっている国連女子差別撤廃委員会が女性天皇を要求してきましたが、それもこの作業の一連の流れです。
こうした文化思想的な問題は、受け入れても大したことのないように思えるかもしれませんが、実際は猛毒のウイルスです。頭の部分に感染でもすれば気が狂います。今まで、私たちの祖先が日本の風土になじむように試行錯誤しながら営々と築き上げてきた日本の叡智を一瞬で破壊してしまうのです。
反日左翼は古からの伝統と文化を頑迷固陋のものとして取り扱いますが、古くから今日まで続いているものは役に立たなくなったものを排除し、有用なものを取り入れているからずっと大切にされ、今日、優れものとして評価されているわけです。いわば、老舗とおなじなのです。
しかし、反日左翼にとっては、この伝統とか文化という考え方は、体制破壊=革命には最大の障壁です。そこで、なし崩しに崩せるところから攻め始めて自分に都合のいいものに置き換えようとします。そして、気がついてみれば日常の至るところに彼らの主張があふれかえっているわけです。
ちなみに、今回の総選挙にも、選択的夫婦別姓から女系天皇までテーマの中にも紛れ込んでいます。いつの間に、こんな問題がテーマになったのでしょうか。なかなか反日左翼のやり方は巧妙ですね。
以上、若干説明が長くなったかもしれませんが、反日左翼の現在位置は、政治と金で自民党政治を徹底糾弾することによって、安倍政権下で地下にまで押し込められたところから日の目を見るところまでに復活しました。
これからは、現状の日本の基礎となっている文化や伝統に対して激しくケチをつけて、異質の価値に置き換えさせようと目論んでいます。それこそが、日本人の絆を分断することで騒乱を巻き起こし、革命状況に導く近道だと考えているのです。
これには、意外に自民党国会議員も経団連をはじめとする財界も引っ掛かかっています。内部に工作員がいると見て間違いありません。それに比べると、むしろ、国民の方が騙されにくい。ただし、わかっていても声を上げようとしないサイレント・マジョリティという欠点はありますが。
このため、総選挙後は、反日左翼にやさしいリベラル石破政権は、反日左翼の要求をのみ続けて崩壊するしかありません。ただ、ここで、自民党の危機バネが効くのか、それとも、反日左翼が勢いを増すのか、第三の流れとして、市井から新しい動きが澎湃として現れるのか。全く分かりませんが、筆者には第三の流れに期待したいところです。