撮影の為のスタジオだけど、毎日100人以上の人が来ていた。撮影以外にも
当時はプリントの受付もしていた。朝預かり夕方渡すのが早いと言われていた時期で
出来上がる頃になると人だらけになっていた。だからリバーサルフィルムも即日対応
させることができた。これは現像所の配慮。技術的な質問は、私が撮影していない
ときを見計らってきてくれていた。実際、最盛期はもっと人がいたけれど、あまり
思い出したくない事なので封印していた。最近は、できない理由に「他にもたくさんの
人がいるので」というのだが、それは違うと私は思うのだ。
中には変な人もいたが、例えば成人の撮影が或る時などは遠慮して夕方とか翌日に
来てくれる人が多く、おんぼろスタジオに集う面々には、こういう配慮をしてくれた
自慢のお客さんだったと思う。海外に行く人が多くて世界の主な場所の写真は
見ていた。それと、海外国内の旅行の際に、わざわざお土産を買ってきてくれる
人もいた。もし、今あの時代に自分がいったら絶対にさばききらないと思う。
でも 今はみじめなだけだが、着物などの着付けができないので、いずれはアウト
となるのではないかとも思っていた。一画素1万円と言われたデジタルの黎明期
ジナーというメーカーのシノゴのデジタルパックを買った。
500万円・・・で500万画素・・・。デジタルの進化は早くて、翌年には
半値以下となっていた。これでは減価償却ができない。