Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

湯木さんの懐石道具はやっぱりセンスがいい

2013年09月14日 08時05分07秒 | 美術館・博物館etc.
★湯木美術館 サイト
秋季特別展『湯木貞一の眼差し 茶の湯と料理の器』
  ※9月3日(火)~12月15日(日)<前期:9月3日(火)~10月20日(日)、後期:10月24日(木)~12月15日(日)>

最近、淀屋橋に出没する頻度が高くなっている。
てか、湯木美術館を訪れる回数が増えている

と、バックナンバーリストを作成しながら気がついた。

初訪問は2007年11月。
翌2008年と2009年は各2回。この頃は春秋のみの開館だったから。
そして2010年にホームページがリニューアル。
同時に開館期間と展覧会数が増え始め、訪問回数も3回。

ちょうど前年だったかな?
吉兆のネガティブな話題が世間を騒がせていたっけ。
本業とともに、経営体質の見直しを図ったのかなぁ、とか思ってた。

かくて、2011年からは夏場と冬場の開館するようになる。
訪問回数も2011年4回、2012年4回。

それでも、全面的な展示替がわりと短いスパンで行われ、
「行き損ねたぁ」と嘆くこともしばしば

で、今年、つまり2013年は今回で5度めの訪問
あわよくば年内にもう1回訪れたいとさえ考えている。
(実現すれば年間6回という、とんでもないリピーターになってしまう
 おそらく関西在住の人は多いのではなかろうか)

入館料が700円だから、6回も訪れたら友の会(花会員)3,000円に入ってた方がよかったではないか。

「大阪だから、いつ行けるかわからんし」という先入観は盲点だったワ
次行ったら、入会しよっと

スミマセン。
肝心の展示の感想書いてませんでした

さて、前回に引き続き、、、という表現は妥当ではないかもしれないが、
今年ここで見た展覧会の印象はただただ「懐石道具がすばらしい

春から初夏にかけて訪れた漆器の展覧会で
一番奥(展示ケース6)に展示された懐石道具の豊富さに圧倒されたためかもしれない。

「漆器に限らず、もっと懐石道具が見たいっ」という
ある種の飢餓感が、このときに植えつけられたような。

今回も「絶対に見逃したくないっ」という意識になったのかも。

ちなみに、今回のチラシとポスターもカッコイイっす

入館してまず見た織部の花筏紋の向付、とてもいい

模様がなんというか面白いんだよねぇ。
コトバでは表現できない。

四角の上にウサギの耳のように丸いのが2つポンポンとついて、
足が3つ。丸い輪になっていて、、、????
(ちなみに、図形は書き写した)

奥の展示ケース6では折敷の上に喜三郎の椀と供に同じ形の向付が載って展示。
もっとも、その向付を織部を了入が写したもの。
写し方が見事。「やっぱ、懐石に使われてこそ映える器だな」と思った。

重文指定されている織部の四方手鉢も片身替わりも複雑で見事。

鼠志野の鉢はトーハクでみたものより小ぶり。
鈍翁が所持したよいう絵唐津沓形鉢は「鉢」というより大きい茶碗のような。
正面のひしゃげたところが鈍翁好みっぽい。

ケース2は道入作の緑釉割山椒の向付。
大きくて、立派だなぁ。。。と何度見てもそう思う。

仁清の水玉透の向付。
丸く平たい小皿の立ち上げが花弁のようになっていて、
その一つ一つに水玉透になっている。
カワイイし、涼しげ。

手法としては、畠山記念館の水玉透の鉢と同じ。

尾形深省(乾山)の春文(春の野)の蓋付茶碗もよかった。

ケース4は2代渡辺喜三郎の折敷と汁椀。
佐野長寛の片輪車蒔絵煮物椀はこの春、見たなぁ。
大正時代に中村宗哲が写した煮物椀と一緒に並んでいて、
片輪に施された螺鈿が見事だったのを覚えている。
“再会”できて、うれしい

ケース4は祥瑞本捻鉢。畠山にも同じの出てたっけ。

ケース5は赤地金襴手の向付。
茶碗を転用したというけれど、茶碗って感じじゃないよねぇ。

深省(乾山)作の色絵菊絵図皿。
五島美術館にも類似例あり。

五彩青花龍文鉢は繊細な線が四角いフォルムがいい。
御本刷毛目鉢も手前のカーブと刷毛目がよかった。

ケース6(一番奥)はさっきも書いたけど、懐石道具。
掛け物では「席上書」がサイコー。

昭和43年に茶事を催した際の席上で書かれたもの。
日商岩井の創業者、高畑誠一氏の「吉兆はお茶と料理で天下一」と出光佐三「冨知足者」。

ケース7は呉須赤絵写の向付。
なんとなんと 永楽妙全作。

わー、こんなところで、また出会えるなんて。
妙全さんは永楽家14代得全の奥さん。
夫に先立たれた後、自らは襲名はせず、
永楽家を守ったという女傑。
折りしも時代は明治・大正の京都。

作風が女性とは思えないほどに力強くて驚いたなぁ。
…と感動したのは2008年の春。→こちら

実際、この2008年以降もちょくちょく妙全作の器を見かけることもあった。
本当に永楽家を支えるために、いっぱい器を焼いて売ったんだなぁ。。。と感心していた。

ケース7は魯山人や半七、金重陶陽と大御所が並んでいるけど、
迫力負けしていないところが妙全さんのすごいところ。

ケースは8は大きいお皿。(呉須染付)

ケース9は茶室の設え。
初代宮崎寒雉作の風炉釜に注目。

そんな感じで、今回も楽しんだ。

今回は平日の午後にもかかわらず、見学者が多かった

2010年の経営改革から3年。
確実に実を結んでいるのかも、、、、

今週は『半沢直樹』シリーズを読んでいた。
その中に登場する某老舗ホテルの再建作の一つに所有してい美術品の売却が出てくる。

やっぱ、経営苦しくなると美術品は槍玉に上がるよねぇ。

とか思った。

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★湯木美術館バックナンバーリスト
 2013年7月『吉兆庵湯木貞一の茶事-五月雨の茶事・朝茶-』
 2013年6月『茶の湯の漆器―利休と不昧のデザイン―』2期
 2013年4月「茶の湯の漆器―利休と不昧のデザイン―」1期
 2013年1月「江戸時代の千家のわび茶 宗旦の高弟とその子孫たち
 2012年10月「関西数寄者の茶道具」(前期)
 2012年5月「名物記に載せられた茶碗と名碗たち -高麗・樂・国焼を中心に-」2期
 2012年3月「名物記に載せられた茶碗と名碗たち -高麗・樂・国焼を中心に-」1期
 2012.2月「千家名物とその周辺-利休・少庵・宗旦の茶道具 
 2011.12月 秋季展「茶道具の琳派」
 2011.8月 夏季展「夏の祭釜と茶道具」
 2011.6月 「日本<茶>料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」三期「湯木貞一の茶道具 - コレクションから」
 2011.5月 「日本<茶>料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」二期:「数寄者との交流 - 小林逸翁・松永耳庵・松下幸之助」
 2010.9月 『上方豪商の茶』
 2010年5月 『釜と水指』
 2010年3月 『茶の裂地』
 2009年11月 『棗と茶杓』
 2009年5月 『千家十職-茶道具と懐石の器』
 2008年10月 『茶道具と器にみる四季の花』
 2008年3月 『茶碗を愉しむ』
 2007年11月 『風流と美』

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