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☆静嘉堂文庫美術館 サイト
『磁州窯と宋のやきもの』 ※3月1日(日)まで
なかなか外出意欲がわかないまま2月も終わってしまい、
3月に入ると逆に用事が入ってしまって、会期が終わっちゃうので、
きょう頑張って行ってきた。
追記)実は3月に入って、新型肺炎の影響で休館になっちゃうかも~と思って、
少し慌てて訪れたのでした。
恐れていた通り、会期繰り上げで臨時休館になっちゃった。(2月29日記)
宋代の焼き物だから、「宋磁」と呼ばれているけれど、これは大雑把すぎる。
「宋」といっても2つの国?王朝?がある。北宋(960-1126)と南宋(1127-1279)
同じ時代に「金」という国?王朝?
ややこしい。
で、今回は磁州窯がテーマ。
年代は11世紀から13世紀、北宋もしか金の多かったなぁ。
でも、見ていくといつの間にか元になっていたりもした。
要するに、私は南宋の青磁が好きなので、それは、、、最後の方に出てきた。
チラシには「白黒つけるぜ!」
白磁かぁ、黒に模様が象嵌で入ってるのかぁ。
あんまり、よくわからないんだよなぁ。
と思いつつ、展示室へ。
だけど、展示解説が丁寧で、すっごくよくわかった。
線彫というか掻き落としの技法のことがやっとわかった。
なるほどー。
白化粧を施して焼いて、そこから模様を残して彫る!というか土を掻き落として描く。
最初は白だったけど、黒釉も出てきたし、三彩(白釉、緑釉、黄釉)も。
紅釉も出てきた~。あ、これは日本に伝わって「宋赤絵」と呼ばれてる。
途中から大きな壺がならんでいて、白地鉄絵花鳥人物壺ってのも。
日本で「絵高麗」と呼ばれている技法。 確かに、絵高麗茶碗のでっかい版。
展示品の中には北宋の町「鉅鹿(きょろく)」遺跡から出土したものもあった。
項羽の時代に戦もあったようだけど、河の氾濫で水没してしまったようで、
「東洋のポンペイ」とも呼ばれているそうな。
黒釉をたっぷりつけて、模様をつけずに焼いた茶碗が日本でいうところの天目茶碗になるのかなぁ?
と、展示されていた茶碗を見ながら、ぼんやり思った。
パネルが2枚展示してあって、1枚は北宋・南宋時代の窯がどこにあったという地図。
磁州窯系のほか、耀州窯とか釣窯、景徳鎮窯、そして龍泉窯(青磁)、そして建窯。
窯と一緒に主要都市も記載あって、「武漢」に思わず反応。けっこー中心。(近くに窯ないけど)
久しぶりに青磁貼花牡丹唐草文深鉢。江戸時代は見立て道具として茶の湯の水指として使われた。
京都や鎌倉の遺跡から出土されているけれど、こちらは鴻池家に伝来したものだったのねぇ。
(写しを8年前に亡くなった師匠が持っていて、たいそう愛着をもっておられた)
そして、独立ケースとはいえ、印象としては「ひっそり」と国宝の稲葉天目。
そういえば、このブログを開設する直前(2007年の7月)、ここで青磁の展覧会があって、
講演会も聴いて、それで南宋青磁が好きになったなぁ。
そういえば、2022年に展示室は都心に移るらしい。
(収蔵庫は残るけど)
この景色ももう見ることはなくなるのかなぁ。
※静嘉堂文庫美術館バックナンバーリスト
2019年11月 『名物裂と古渡り更紗』
2019年5月 『日本刀の華 備前刀』
2016年3月 『茶の湯の美、煎茶の美』
2015年12月 『金銀の系譜-宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界-』
2013年2月 『受け継がれる東洋の至宝 曜変・油滴天目 -茶道具名品展-』
2011年4月 『日本陶磁名品展』
2010年2月 茶道具名品展『国宝・曜変天目と付藻茄子』
2008.12月 『岩崎家の古伊万里-華麗なる色絵磁器の世界』 2008年2月 『茶碗の美-国宝 曜変天目と名物茶碗-』
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