本能寺の変 「明智憲三郎的世界 天下布文!」

『本能寺の変 431年目の真実』著者の公式ブログです。
通説・俗説・虚説に惑わされない「真実」の世界を探究します。

大河ドラマ「江」の歴史捜査43:大坂夏の陣

2011年11月12日 | 大河ドラマ「江」の歴史捜査
 先週の大河ドラマ「江」はいよいよ大詰めの山場「大坂夏の陣」でした。大坂城落城と淀君・秀頼はじめとする豊臣一族郎党の最期が描かれていました。私は一族が滅びることの悲惨・悲痛・無念を切々と感じましたが皆様はいかがだったでしょうか。
 滅ぼした側の「一族生き残りのためには将来の危険要素は徹底して除去する」という戦国武将の論理もよく描かれていました。これは脚本家がこの番組で一貫して主張してきたことです。そのことを実に見事な場面に創作していました。
 豊臣家を滅ぼすと決意していた家康が、それまで豊臣家との共存を主張してきた秀忠に最終決定を委ねます。秀忠は苦悩の末、「豊臣家を滅ぼす」と決断したのです。家康が秀忠に語った「豊臣を滅ぼすのは秀忠のため。平和な世にするためには避けて通れない戦いがある」という言葉が伏線になっていました。秀忠は自分の子・竹千代のためを考えたでしょう。戦国武将の論理というと従来は自分一代の成功の視点でしか描かれてきませんでしたが、「後代の繁栄」を打ち出したのは画期的な前進と評価します。これが戦国武将の実像だと思います。
 さて、大坂夏の陣という大きな歴史事件の最中に主人公の江は何をしていたのかというと、ひたすら写経するだけでした。
 今回も「主人公が歴史事件にからまない」で終わってしまいました。
 ★ 「江」は何故面白くないか

 ★ NHK・BS歴史館「本能寺の変の謎」(軍記物依存について
 ★ 本能寺の変 四二七年目の真実』読者書評

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明智 憲三郎
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4 コメント

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「本能寺の変黒幕説」新説提唱 (東北の黒田如水)
2011-11-18 10:26:24
明智先生は「本能寺の変研究家の先駆者」として、秀吉参謀の「黒田考高(如水・官兵衛)」のポジションはいかにお考えですか?
本能寺の変黒幕説 [編集]詳細は「本能寺の変」を参照

本能寺の変が当時豊臣秀吉の参謀であった黒田考高による演出という説が、松平定知などから提唱されている[14]。その根拠として

信長の死後、自らの君主秀吉に、「ご運が巡って参りましたな。これであなたの天下です」と秀吉をそそのかしたこと。
毛利と秀吉との講和をわずか1日でまとめあげた交渉力の高さ
いわゆる「中国大返し」では官兵衛が先回りし、街道で炊き出しや水を準備していた点。
後の豊臣政権の五大老に、毛利輝元と小早川隆景の2人が選ばれている点。
などを挙げている[15]。

その他、黒田は有岡城の戦いの際に「考高(黒田のこと)は敵に寝返った」との流言が流れ、怒った信長が嫡子松壽丸の殺害を部下に命じており、それに対する信長への怨恨を根拠にする説もある。史実では松壽丸は竹中重治が匿っていたため殺害されなかったが[16]、フィクションでは松壽丸は殺害され竹中重治が松壽丸に顔のよく似た子供を連れてきたという説もある

また、秀吉から常に野心の高さを警戒され、豊臣政権下では重職へ就くことがなかったこと、後年、関ヶ原の戦いでは東西両陣営が関ヶ原に集結した隙をつき九州各地を平定した野心の高さなども黒幕説の根拠の一つである。

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はじめまして (章奴)
2011-11-19 03:29:34
明智様、はじめまして。「本能寺の変 四二七年目の真実」を拝読し、このブログにたどり着いた者です。母方の先祖(尾張源氏高田氏)が織田信長の家臣であり、その頃、浅井備前守長政の一族から嫁を迎えております。つまり、江の親戚だったわけで、今年は、滅多に見ない「大河」を毎回欠かさず見ておりますが、明智様と同じように、あまりに「主人公が歴史事件にからまない」ので、面白くないと感じておりました。歴史に疎い妻に、常々「江の人となりについては、ほとんど史料がないのだから、脚本家が全部創作せざるを得ないのだろう。」と申してきたところです。それはさておき、実は、私の義母の従姉妹が、沼田藩土岐家当主である故土岐實光氏の夫人なのです。それで、土岐明智氏については、大変関心を持っておりました。もともと戦国時代好きということもあって、本能寺の変については、様々な本を読んできたのですが、初めて、「これぞ真実」と思える本に出会った気がします。今後の普及活動の進展をご期待申し上げます。
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黒田官兵衛演出説 (明智憲三郎)
2011-11-19 07:30:02
 Wikipedia「本能寺の変」の「黒田官兵衛演出説」を読む限りでは「思い付き」のレベルであって、証拠の信憑性、動機の論理性、犯行プロセスの論理性ともに蓋然性(確からしさの度合)が低いと判断せざるをえません。
 歴史捜査には証拠とされる逸話の出典史料の信憑性確認、動機の論理性・必然性、信長殺害のプロセス解析が必要ですが、Wikipediaの記述を見る限りでは、私には捜査に乗り出すだけの魅力を感じませんでした。
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土岐氏情報 (明智憲三郎)
2011-11-19 07:39:52
 章奴様、はじめまして。拙著出版以来、先祖に関連ある方々と知り合いになる機会が増えました。とてもうれしいことです。
 故實光氏令室にも何度かお会いしましたが、いかにも温厚で素晴らしい方です。
 土岐氏については美濃源氏フォーラムのホームページで情報発信されていますがfacebookにも「美濃源氏土岐一族」というグループができています。美濃源氏フォーラムの開催する講座の案内など掲載されていますのでご覧いただければと思います。
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