本能寺の変 「明智憲三郎的世界 天下布文!」

『本能寺の変 431年目の真実』著者の公式ブログです。
通説・俗説・虚説に惑わされない「真実」の世界を探究します。

大河ドラマ「江」の歴史捜査3:森蘭丸さん?

2011年01月24日 | 大河ドラマ「江」の歴史捜査
 大河ドラマ「江」の3回目を見ました。早速気になったのは登場人物の名前のスーパー。「森蘭丸」と出てきました。弟の「坊丸」「力丸」は正しく出てきましたが「蘭丸」は通説です。しかし、蘭丸は日本中に親しまれてしまった名前で、Wikipediaの解説も少し腰が引けたような書き方になっています。
 ★ Wikipedia「森蘭丸」

 でも、これは完全に誤りです。しかも意図的に作られた名前です。
 このことは拙著『本能寺の変 四二七年目の真実』に書きましたが、本当は「森乱丸」です。
 信長の側近の太田牛一の書いた『信長公記』には「乱丸」と書かれています。ところが、秀吉が家臣に書かせた『惟任退治記』には「蘭丸」と書かれています。江戸時代に書かれた軍記物(『太閤記』や『明智軍記』)はこぞって「蘭丸」と書いたので、これが通説となって浸透してしまったものです。「乱丸」というとむくつけき豪傑を連想させますが、「蘭丸」という名前は美少年を連想させ、信長の男色のお相手というイメージを生む効果を狙ったとみられます。
 ★ 通説の創作者は秀吉!

 信長は合理的な人物であり、その小姓はたくましいボディーガードだったこと、そしてその最強の小姓が彌介というアフリカ人であったことも拙著に書きました。
 ★ 信長最期の言葉の証人捜査(前編)

 こういった歴史の真実の方が私は面白いと思うのですが、大河ドラマの原作・脚本家はそれよりも通説の面白おかしい話を拡大再生産してしまうのですね。とても残念ですが、大河ドラマは別段歴史の真実を探る番組ではなく、「のだめカンタービレ」や「篤姫」の二匹目のドジョウを狙う番組と理解して見ていただければ、それで何も問題はないと思いますが・・・・・・・・・・
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本能寺の変 四二七年目の真実
明智 憲三郎
プレジデント社

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【歴史捜査レポート:大河ドラマ「江」シリーズ】
   本能寺の変の通説:今年も「江」で登場
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   万福丸ショック 
   父・浅井長政の頭蓋骨
   正月の酒宴の出席者
   森蘭丸さん?
   光秀のきんかん頭
   怨恨説踏襲ですね!
   『明智軍記』踏襲ですね!
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