私がまちづくりビジョンの第一に挙げたのが、「エコシティー杉並構想の推進」です。
これは20年間に渡って携わってきた住宅設計という仕事を通して感じていたことのひとつですが、
生活の基盤となる住宅一軒一軒に「省エネ」を実現するには大変時間が掛かるということ。
家は一度建ててしまうと少なくとも20年くらい、場合によっては60年以上もそのまま使い続けることが可能でしょう。
逆に考えるとその間中、その住宅が持っている省エネ性能を見直す機会は殆ど無いと言えます。
一方、住宅設備の技術開発は目覚しく、年を追うごとに性能が上がっていて、
メーカーごとの競争はより激化しています。
例えばトイレの暖房便座の省エネ性能と言えば、一頃はつけっぱなしだったものが、
それでは無駄と言うことになり、夜間に人が使わない時間帯だけOFFになるようにタイマーが付き、
その数年後には人感センサーが付いて、瞬時にそのときだけのために便座を暖めてくれる、
といった具合に日進月歩の技術開発が続いています。
新築の住宅を建てる機会がある人は地球環境のことを考え、
また住み始めてからの光熱費のランニングコストを考えると「省エネ」を念頭に置いた
住宅作りを進めて行くことは容易なことでしょう。
問題なのは既存の住宅です。
余程壊れてでもしない限りは現在の住宅設備を見直すということはないと思われますが、
これではせっかく世の中にある良い性能のものを検討していく機会が少ないのです。
既存住宅の省エネリフォームのメニューを杉並区で用意をして、
推進をしてはどうでしょうか?
そして、地区毎の省エネの成果をスマートグリッドの手法で定点観測
して、発表・表彰することでより一層の省エネを杉並区として強力に推進することが出来ると考えています。
(スマートグリッド=発電設備から末端の電力機器までを通信網で接続し、自動的に需給調整が可能な電力系統を構築することで電力の需給バランスを最適化しようというもの)
山本あけみオフィシャルサイト・まちづくりビジョン
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます