13日は安倍首相が、ペンス米副大統領と会談した。NHKニュースでは「自由で開かれたインド太平洋構想の下日米が協力すること。日米とも覇権を誇示する中国に対抗する意志を鮮明にしたこと。北朝鮮の完全な非核化に向け、制裁決議の完全な履行が必要との認識でも一致した」と報道していた。しかし、ペンス副大統領の発言は紹介されていなかった。ペンス氏は通商交渉では火種が残った旨の内容を述べている。他局では報道している。対日貿易について、「日本市場で公正に競争できていない」と不満を表明したことなどは報道されなかった。
また、14日の夜プーチン露大統領と会談し、後にそれぞれ記者会見を行った。
安倍首相は、「私とプーチン大統領の手で必ずや終止符を打つという強い意志を大統領と完全に共有した」、「1956年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる。本日そのことでプーチン大統領と合意した」、「私とプーチン大統領の手で必ずや終止符を打つという強い意志を大統領と完全に共有した」と述べた。安倍首相独特の紋切り型の口調で、一見口をはさむ余地は内容に聞こえる。しかし、裏返せばいつものように「言葉だけ」を並べているようにも聞こえた。
NHKなどは、安倍首相の発言だけを報道した。一部の新聞も領土問題が進展かと日本の立場で表現している。安倍首相の発言はそうかもしれないが、一歩下がって冷静に見れば、プーチン大統領がどのようにとらえているかが重要だということは分かるはずだし、われわれはそこが知りたい。
プーチン大統領の要旨は共同通信によると次の通りだ。
「1956年の日ソ共同宣言に基づき(領土問題を)協議する用意を表明し、対話を復活させた」、「わが国は(領土)問題は存在しないと考えているが、日本は別の見方をしている」、「共同宣言には『平和条約締結後にソ連は日本に2島を引き渡す』と書かれている。しかし2島は何を基礎に引き渡され、島の主権はどちらになるのか、具体的にどう引き渡すのかは書かれていない」、「ソ連と日本の議会が共同宣言を批准したが、日本側は合意の履行を拒否した。ソ連側もゴルバチョフ大統領時代に宣言の履行を拒否した」、「共同宣言には『ソ連は2島を引き渡す』という原則が書かれているだけなので、今後、真剣な検討が必要となる。まして、日本は過去に(宣言の)合意事項の実現を拒否したのだから」とのこと。
プーチン大統領の見解は、安倍首相とはおおいに異なる。安倍首相の発言の語尾は、「共有した」、「合意した」、「一致した」となっている。おまけに「完全に」という修飾語もついているところもある、完全にポジティブだ。一方、プーチン大統領は、「日本は別の見方」、「日本は・・・拒否した」、「主権・・・(については)書かれていない」などの内容で、ニュアンスはネガティブな内容が多い。
私も日本人なので、わが国に有利な北方領土返還であって欲しいと願うのは言うまでもない。しかし、相手国が存在する外交に関する報道については、政府に忖度した内容でなく、両国の客観的な意見、立場をしっかり伝えて欲しい。われわれ市民は報道でしか知り得ないのだから。
また、14日の夜プーチン露大統領と会談し、後にそれぞれ記者会見を行った。
安倍首相は、「私とプーチン大統領の手で必ずや終止符を打つという強い意志を大統領と完全に共有した」、「1956年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる。本日そのことでプーチン大統領と合意した」、「私とプーチン大統領の手で必ずや終止符を打つという強い意志を大統領と完全に共有した」と述べた。安倍首相独特の紋切り型の口調で、一見口をはさむ余地は内容に聞こえる。しかし、裏返せばいつものように「言葉だけ」を並べているようにも聞こえた。
NHKなどは、安倍首相の発言だけを報道した。一部の新聞も領土問題が進展かと日本の立場で表現している。安倍首相の発言はそうかもしれないが、一歩下がって冷静に見れば、プーチン大統領がどのようにとらえているかが重要だということは分かるはずだし、われわれはそこが知りたい。
プーチン大統領の要旨は共同通信によると次の通りだ。
「1956年の日ソ共同宣言に基づき(領土問題を)協議する用意を表明し、対話を復活させた」、「わが国は(領土)問題は存在しないと考えているが、日本は別の見方をしている」、「共同宣言には『平和条約締結後にソ連は日本に2島を引き渡す』と書かれている。しかし2島は何を基礎に引き渡され、島の主権はどちらになるのか、具体的にどう引き渡すのかは書かれていない」、「ソ連と日本の議会が共同宣言を批准したが、日本側は合意の履行を拒否した。ソ連側もゴルバチョフ大統領時代に宣言の履行を拒否した」、「共同宣言には『ソ連は2島を引き渡す』という原則が書かれているだけなので、今後、真剣な検討が必要となる。まして、日本は過去に(宣言の)合意事項の実現を拒否したのだから」とのこと。
プーチン大統領の見解は、安倍首相とはおおいに異なる。安倍首相の発言の語尾は、「共有した」、「合意した」、「一致した」となっている。おまけに「完全に」という修飾語もついているところもある、完全にポジティブだ。一方、プーチン大統領は、「日本は別の見方」、「日本は・・・拒否した」、「主権・・・(については)書かれていない」などの内容で、ニュアンスはネガティブな内容が多い。
私も日本人なので、わが国に有利な北方領土返還であって欲しいと願うのは言うまでもない。しかし、相手国が存在する外交に関する報道については、政府に忖度した内容でなく、両国の客観的な意見、立場をしっかり伝えて欲しい。われわれ市民は報道でしか知り得ないのだから。