---カラカラ浴場界隈

【2007年の記録です】
バーデン・バーデンではいちいち好みの

風景に出会っていった。
写真の建物とベンチのかんじが

本当に好き。

白いベンチは他でも見られたけれど、
この石畳とのコンビネーションに

一番しびれた。
娘も引きで撮れば、

写真の中でちゃんと調和している。
（褒めていない！）
あ、洋服が白いせいか！
（ますます褒めていない）

さて、この写真の道は

カラカラ浴場界隈のもの。

カラカラ浴場はとっても古めかしいところかと思ったら、
実に近代的な白い建物だった。

男の子の背景に見える白い建物が

カラカラ浴場。
【カラカラ浴場：　http://www.caracalla.de 】

娘も私もウキウキして近代的な

エントランスをくぐる。
チケット売り場で
「ワン・アダルト、ワン・チャイルド」

と言うと、
「何歳」と聞いてくる。
娘は見た目がもう子どもの域を

脱しつつあるのかもしれない。
背も案外高い。

「10歳」と答えると、
もう年齢的に子ども料金が

適用されないことが分かった。
係りの人はぶっきら棒に

事務的な処理をこなすかんじで、
この切符で何時間いられるとか、

など一切説明がない。
「何時間中にいられるの？」
と仕方なく聞くと、

「３時間よ。
いつもはこの料金で２時間だけど、
今、サービス期間中よ」といわれた。

１人13ユーロだった。母子で26ユーロ。

３時間もいられるものだろうか？
私はマがもつか不安になって
「早めに引き上げてもいいからね」

と娘にいうと
「３時間ずーっといたい」という。

さて、パリでの公共のプールで

既に体験していたので、
あんまりびっくりしないものの、
男女がはっきりと別れていない脱衣所は
ある意味、ハラハラドキドキする。
開けられる心配というより、

間違って開けちゃうのが心配。

でも、最近成長著しく、
恥じらいが出てきた娘が、
慎重に足下をチェックしてから（足下は開いている）
ドアを開け、脱衣所の中に入れば入ったで
素早く内鍵をかけてくれたので、
安心できた。

ロッカーは脱衣所を抜けると

ズラッと並んでいる。
入場カードをロッカーの

扉の内側にしっかり押し込んで閉める。
鍵を抜いて腕にとりつけて、いざ出陣。

まったく、硫黄臭がなく、
温かいという以外、これが本当に温泉？

と首をかしげたくなるほど

さらさらした水質だった。
これは居心地いい。

注意書きには「10分以上つかるのはお勧めしません」と
医者からの警告が書かれていた。

最初だけ時計を見て気にしていたが、
そのうちすっかり忘れてしまった。

もちろん、水着着用。
だからほとんど、プール感覚。
屋外は流れるプールになっていて

楽しかった。
「ママ、反対方向に泳いで競争ね」
と娘が言ったが、
「できるわけないでしょ」

と相手にしなかった。

でも、娘のように考える子どもは

他にもいて
流れに逆らって

プールのへりにしがみついて

一周している親子（父子）がいた。
お、お父さん、ノリがいいねえ、
とある意味尊敬してしまった。

プールの手すりに小

タオルがかかっていて、
あら、日本の温泉のような感じ、

と思って眺めていたら
係員が来て、中国人たちに注意していた。
タオルはデッキチェアとか

指定の場所に置かなきゃ

ダメということだ。

香りがほんのりとする場所、熱々の湯、水、流れるプール、
普通のプール、ド迫力のジャグジーと
どれもひと通り楽しんだ。

日常にバカンスを！