大善人へ身魂磨き

善でありたいと思う。日々精進。感情の渦に呑み込まれそうな時もあるけれど最後には明るく静かな大海原に和合したい。

炭焼き小五郎 2

2021-06-07 05:13:00 | 神話・物語・本から

炭焼き小五郎のお話や似たお話は沢山あり、細部は違うのですが、共通点があります。


玉津姫が炭焼き小五郎を訪ねて、お金に無頓着な小五郎にこがね、黄金の価値を教える点

夫妻の娘、般若姫が用明天皇と関わりをもつ点

夫妻は仏心をおこし、磨崖仏や満月寺を建立するという点

です。


まず、炭焼き。小五郎が焼いたという深田の里には炭竈の跡がありタタラ跡のような金属鉱石の精錬に関係が深い場所のようです。


石川県(加賀)には、芋掘藤五郎の伝説があります。豊後の炭焼き小五郎は、幼少名が藤治でした。この話もとても似ています。


「芋を掘って細々と煙りを立てているあばら屋に、大和の初瀬の長者の娘、和五が観世音の導きで押しかけ嫁にやって来ました。

ある時、藤五郎が和五の親から貰った 一包みの砂金を田圃にいる雁に投げつけて還ってきました。

藤五郎は嫁にたしなめられて山にはいり、莫大な砂金を持ち還って近くの金洗澤で洗いました。

これが金澤の地名の起こりで、兼六園の泉はその跡といわれます。」


芋を掘る。これは、お芋🍠ではなく鋳物師(イモジ)であり、たたら師と同様、砂鉄や砂金から金属を精製することです。


民俗学の柳田国男氏は神は卑賤な姿をしているが、清純な乙女を訪ね寄りその真の姿を顕すといいました。


炭焼き小五郎、芋掘藤五郎の話は、はじめは真っ黒になりながら一生懸命仕事をする貧乏な男が、巫女のような働きをする妻を得て、たたらの神(金屋子神)による鍛冶、錬金を起こしお金持ちになった話だとされています。たたら神を検索したらでてきた金屋子神ともののけ姫サンは似てますね!






朱色の丹(水銀)を山で生み出すお姫様かなと名前から推測できる神様をお祀りする丹生都比売神社でも、神犬をかっていました。金属のでる鉱山を護る眷属は犬なのかなとふと思いました。


丹生都比売神社御神犬

(故愛犬、太郎に似てる!)


太郎 💖

津野山神界お宮の天井画一枚
故太郎を偲ぶ

柳田国男さんのいう神は卑賤な姿をしているが、清純な乙女を訪ね寄りその真の姿を顕すというお言葉はそういう面もあるかもと思いました。

神様のような存在は色んな姿で目の前に現れ、時には醜い姿や辛そうな姿でも現れるのかも。これは、人だけでなく生き物全てにいえるのかなぁとも思っています。


どれだけ、神様の息吹のかかった全ての命を愛せるか試される時にそういう姿をみせられるのかなぁとも思います。


たたらの神様について考えると、お金は山ほど与えたけれど、夫妻はかけがえのない娘、般若姫を失います。


凄く考えさせられる話だと思いました。般若姫と結ばれた用明天皇(聖徳太子の父)の時代背景も、この話には欠かせないかなぁと思いました。


つづく