お祭りなんかでお面をみるひょっとこ。ひょっとこは、火男(ヒオトコ)から来た言葉のようです。タタラで働く火男や冶金・鍛冶師は、火口を片目で覗き込むから目を傷めて片目になると言われているそうです。口もふっと何かを吹いています。
「火男」が風を送る「火吹き男」であり、「吹く神」つまり「福の神」になったとも言われていて、これらはいずれも竈神と関係しているとされています。
たしかに、野外で飯盒炊飯なんかする際、炭から火を起こす時、炭に火を広げる風って必要です。
これから、ひょっとこを見る目が、火の神様を見る目に変わります。日本の言霊や、日本の伝統の物は意味が深いですね。



これ私
ひょっとこの表情はユーモラスです。人を笑わせるお面です。富とも結びついて縁起が良いとされているのは、竈のイメージ、たたら神(金子屋神)などと結びついているからかもしれません。
あと、ひょっとこは門客人神との関係が推察されていて、門客人神、つまり“アラハバキ”と称される神とも関係していると云われているようです。気になります。
アラハバキ神、実は全く存在自体最近まで知りませんでした。長髄彦がアラハバキ神と教えてもらってから、気になり調べています。アラハバキ神は日本全国で名前を変えたりして祀られているようです。砂鉄の産地に多く祀られていると言われています。
東北多賀城市の荒脛神社(足/下半身の神様)。多賀城は、蝦夷討伐の拠点の一つでした。
東京都あきるの市にある二宮神社の摂社荒波々伎神社。
愛知県一宮町の砥鹿神社の摂社、荒羽々気神社。
出雲の佐太(さだ)神社には昔「あらはばき門」があったとされています。
氷川神社や中山神社にもいらっしゃるみたい。こちらは、電車で行けそうです。
アラハバキの神とは、
1.もともと土地の精霊であり、地主神であったものが、後来の神にその地位をうばわれ、主客を転倒させられて客人神扱いを受けたものである。
2.もともとサエの神である。外来の邪霊を撃退するために置かれた門神である。
3.客人神としての性格と門神としての性格の合わさったものが門客人神である。主神となった後来の神のために、侵入する邪霊を撃退する役目をもつ神である。
とのことのようです。
もとにいたのにスミに追いやられた、とって変わられた神様。スミは隅、炭、角、墨、住み、棲み、澄み、と沢山の言霊が響きます。門客人神と隠され変えられた神様。
ひょっとこと、火の神様、竈門の神様で、製鉄と関係あるたたらの神様そして、アラハバキ神が何となく繋がりました。
古代から尊崇され続けてきたはずの神々は、征服され居場所を追いやられ、土着の部族と運命を共にしているかもしれません。
柳田国男さんの「石神問答」によれば、武蔵の国にはアラハバキ社と称する小社が多数あるみたいです。
神は人の敬により威を増す。

部族が征服されたりで、人の祈りが無くなり、新しい御祭神にとってかわられた神様だとすると、可哀想に思いました。
津野山の神様は60年くらい放置されました。復興できて良かったです。
もし、人の都合で放置されたり、名前を変えられたりした神様が他の場所にもいるなら、そちらにはせめて手を合わせに行きたいと思いました。
【画像はひょっとこ検索画像より】