黒曜石は、旧石器時代に人々が使っていた魔除けなどの効果もあるといわれている石です。この黒曜石を、アシタカはもののけ姫サンに渡します。
太古の黒曜石が人から人へ渡る流れを映画は表しているのかな?女性からもらったプレゼントを別の女性に渡すとはけしからんとの声もあるようですが。笑。
声優の石田ゆりこさんも、監督にこの行為は酷いって怒ったようです。その際、男とはそういうものだと答えた監督。笑。男女の心理の違いも永遠のテーマですね。
物も流れ、人の心も流れる。同じとこにはとどまらない、カヤも、アシタカも、自分より大切な誰かを守りたいから黒曜石を渡したのかもしれません。石田ゆりこさんの気持ちに共感しつつ、監督は深い!と私は思いました。笑
私は宝石には興味がなく、パワーストーンも持っていません。母からもらったもの少しと、結婚指輪と婚約指輪くらいかな、持ってるのは。指輪も保管は大切にしていますが、身につけません。皮膚が弱くどうも痒くなる。苦笑。
ただこの黒曜石には、翡翠同様なんだか惹かれて調べてみました。
石器時代において、その切れ味の良さから石器素材として広く使われており、金属器を持たない人々にとって重要な鉱物だったようです。
黒曜石(オブシディアン)は酸性の溶岩が急激に冷えてできた天然ガラスで、黒や灰色をしているのが多いようですが、黒地に白色の斑紋模様が見られるもの、赤茶色、微小な気泡群によって光の反射が生じ、ピンクやゴールド、グリーン、イエローなど、様々な色のものもあるようです。
漆黒になる前の黒といえば、玄。奥深くて明かりの及ばない所の色。黒。赤黒い色。天の色とも言われています。
黒曜石(オブシディアン)には、すべての本質や未来を見通す力があると信じられており、心眼の象徴、神秘的な存在の石ようです。
鏡のない時代、黒い石の表面に映る光景に人々は魅了されたのかもしれません。勾玉の翡翠も霊的な石とされていましたが、石には生成の過程に地球の力がやどるように思います。黒曜石は、未知なる物として魔除けや占いなどの儀式に使われたようです。
イースター島のモアイ像にも本来は眼球が嵌め込まれており、白目には白サンゴが、黒目には黒曜石などが使われていたようです。
モアイ像は謎が多いみたいですが、祭祀のものだと言われています。日本から遠い地でも黒曜石を目、心眼のように感じていたということだとすると、黒曜石にはやはり霊的な力があるのかなと思いました。
この黒曜石ですが、取れる場所はかなり限られているようです。
つまり、共通の黒曜石が発見されるところは人々の流れが交易、交流があったことがわかり、縄文時代や旧石器時代にも、歩きや舟しかないのに人々は遠く離れた地に黒曜石を運んでいるようです。
また、黒曜石が取れない朝鮮やウラジオストクにまで日本の黒曜石が発見されているのです。
稲作が伝わった、〇〇が伝わった、太古の日本は未開で、大陸から文化が伝わったみたいに言われていますし、歴史でも、ちょっとしか習わなかった長い長い縄文時代。
しかし、その時代は神と繋がり、心を大切にした時代だったように思います。黒曜石や翡翠なんかの霊的な石を大切にし、祈りを行い、祈りに対象物があるとしたら、それは人が作った物ではなく、自然が生成した自然物に対して行っていたのかなと思いました。海を超えて黒曜石を伝えた太古の日本人の姿を想像してしまいます。
高知県で発見された縄文時代の遺跡があります。大分県姫島産の黒曜石で作られた石器が中国、四国の縄文時代遺跡からも発見されているみたいです。姫島からは真名の長者の般若姫を思います。姫島は黒曜石の産地みたいです。
いずれも姫島画像検索より
また、八ヶ岳の北麓にも本州最大の黒曜石原産地遺跡があります。ここは、星がつく地名が多いみたいです。星糞峠、星ヶ塔 、星ヶ台など、あかりのない時代、太陽の光や月の光だけで生活していた太古の人にとって、足元でキラキラ光る黒曜石のかけらをみつけたら、それは、空から降ってきた天のものと思ったことでしょう。黒曜石を星のかけらと信じたことからこうした地名が生まれたと伝えられています。
太古、衣食住がままならない時代、常に命の危険と隣り合わせの生活の中、太古の人が純粋に石に霊的な力を感じ祭祀に使ったり、獣を射止める矢に使ったりした黒曜石。生きることと祭祀が結びついていた時代の石。
今、お金をだしてパワー下さい!恋愛叶えてください!お金持ちにして下さい!と買えるパワーストーンは同じ石でも違う気がしています。
【画像は黒曜石、もののけ姫、モアイ像、姫島検索画像より】