フィレンツェの夏のイベントとして
ウフィツィ美術館やアカデミア美術館の
夜間開館と合わせて今年楽しみたいのが
ジョットの鐘楼の夜間開館。
レンガ色に広がるフィレンツェの街を見下ろし、
ドゥオーモの丸天井を間近に鑑賞することのできる
日中のジョットの鐘楼からの眺めは格別ですが、
414段の階段を自力で昇る必要があるので、
できれば涼しい早朝か夕方に昇りたいと常々思っておりました。
19時から23時までの夜間開館によって、
夕方以降の涼しい時間に昇って
かつフィレンツェの夜景も楽しめます。
夜景といっても薄暗いフィレンツェのイルミネーションでは
著名なモニュメントくらいしかライトアップされていませんが
今しか観られないという貴重さがありますので
この時期フィレンツェにいらっしゃる方にはお奨めです。
◆ジョットの鐘楼◆
ドゥオーモ前広場にある重要なモニュメントのうちの一つ。
高さ84,70メートル、幅約15メートル。
1300年代のフィレンツェ・ゴシック様式をよく表した建築物。
ドゥオーモと同じように白、赤、緑の大理石の装飾。
建築当時からその機能性よりも
装飾性が重視されていたといわれます。
建築はジョット(Giotto)によって1334年に開始されました。
ジョットの死に伴い、1337年以降はアンドレア・ピサーノ
(Andrea Pisano)が受け継ぎます。
結局ジョットは自身のプロジェクトの初期部分
(六角形の装飾板のある高さ)の完成を見るだけとなりました。
アンドレア・ピサーノがジョットのプロジェクトに基づき
2階部分まで完成させると、
外壁装飾にはアルベルト・アルノルディ
(Alberto Arnoldi)が参加します。
菱形および六角形の装飾板のテーマは
普遍法概念とキリスト教における魂の救済の物語。
装飾というよりもすっかり外壁の一部として
溶け込んでいるような彫刻群は
アンドレア・ピサーノ、ナンニ・ディ・バンコ(Nanni di Banco)、
ドナテッロ(Donatello)の作品。
1348年から1350年にかけての2年間、
フィレンツェを襲ったペストの影響で
建築工事は一旦中断されます。
その後ペストが落ち着くと工事再開となり、
1359年にジョットの鐘楼はフランチェスコ・タレンティ
(Francesco Talenti)の手によって完成。
上層階の窓の設置による自然光の取り入れ、
および建物全体の軽量化、
そして最上階のテラスの設置などは
このフランチェスコ・タレンティの功績によるものです。
Le piazze sotto la luna
会期:2008年10月31日まで
会場:ジョットの鐘楼 フィレンツェ
開館時間:19:00-23:00(最終入場22:20)
入場料:洗礼堂&鐘楼共通チケット7ユーロ
鐘楼のみ6ユーロ
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