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鉄道とポイントが地域連携のメディアになるとき:世田谷線沿線 駅と商店街のコラボレート・クリーン大作戦

2006-06-08 08:15:03 | コミュニケーション-メディア
世田谷線は、三軒茶やから山下(豪徳寺)、下高井戸の田園都市線・小田急線・京王線をつないでいる、路面電車だ。旧玉電の思い出と、バリアフリー化された生活の足として、都市再生の手段の一つでもある。

「駅と商店街のコラボレート・クリーン大作戦」は、烏山地域での「クリンクリン大作戦」の成功をうけて、商店街と地域のポイントを使って、次に取り組んだのが世田谷線沿線の市民と商店街(事業者)と鉄道事業者と行政との連携活動。烏山が1駅の生活圏を対象にしているのに対し、こちらは世田谷線10駅の複数の商店街とその地域生活者が相手だ。

電車に乗ればもう、心は都心の職場や繁華街へ。ここに暮らすほとんどの人は、区民や地域住民であると同時に、仕事や遊び、趣味の仲間と、地域を越えた関わりがある。ネットが普及し、携帯が家族全員に普及してきて、よりバーチャルに、個人単位で、都合の良い所へ行き、利害や気の合う相手と付き合うようになる。

商店は商店同士、商店街は商店街で、それぞれ顧客を奪い合い、鉄道事業者が百貨店やスーパー、通販まで始めれば、お互い敵対しあってきたことも多い。しかし、個店が個性化し、差別化するほど、それを比べ・まとめ・伝える、市民の声や商店街、そして交通手段が必要になる。

2004年2月に始まったこの大作戦開始は、下高井戸、世田谷、松陰神社前の各駅沿いの商店街と鉄道事業者との連携。烏山での実験事業を展開した、世田谷区・商工会議所・区商連などの支援で、「いい・こみゅにてぃ世田谷」プロジェクトの中で「せたがやポイント」の活動として行われた。そのとき実験的に運用していた世田谷線の「せたまる回数券ポイント引換券」との交換も行い、結果的には、地域活動が交通ポイントへと転換できる仕組みだった。
これが今では、「せたがやせん沿線ポイント」として、区商連の支援による、商店街主体の活動として、年4回の定例になった。参加商店街も、若林、豪徳寺、そして上町のボロ市通りまで加わって、学校や自治会からの参加もある。

大都市圏の生活は、路線・駅と関わりが深い。交通広告から屋外広告・イベントなど、OOH(Out Of Home)メディアとして、その広告メディアとしての力も大きくなってきている。駅でのポスターや車内吊り、駅周辺での幟、そして、各商店街・商店での表示や誘い合いは、繰り返され・応答され、広がりと深さの露出だけでなく、繋ぎ合う力がある。そして、その活動は、ポイントとしての象徴であり、スタンプとしての実用性をもつ。

これは、”世田谷線”や”商店街、生活の足、用足しの場だけではなく、毎日毎日歩き・見聞きし・対話しあう地域生活のメディアとなっているから。
いい・こみゅにてぃ世田谷で始めた、いつ・どこ・だーれ情報カレンダーや、駅ごと瓦版など、ネットや携帯も地域のコミュニケーションの道具、
ポイントやスタンプは、その生活・活動のきっかけ。

活かすのは、そこに住んでる人、働いている人、訪れる人の日々の生活なのだろう。

参考:地域性と専門性を活かす市民活動


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