歌はメディア？

「ねー、長々と話なんかしていないで、
　何か一曲、歌ってよ、
　あなたの好きな歌、聞いてみたい！
　そのほうが、あなたのことよく分かるわ。」

「nnnn、好きな歌ねえ・・・　
　どれも今一つって、いう感じなんだけど・・」

「今、ふっと、歌いたいなっていうので良いじゃない。
　前の歌や、この場にあわさなくっていいからさぁ・・・

　言葉をいくら積み重ねてみても、
　語れば語るほど分からなくなるわ。
　身体に溜まった気分を、
　フッと、吐き出すかんじでさ？

　見るものみんな、どこかで見た感じ、
　聞くものみんな、いつかのフレーズ、あのリズム
　かといって、新しいだけでは、身体がついて来ていないしね。

　いい気分、いい感じなら、身を任せてもいいんじゃない？」

　「nnn・・・」

　「もう自分で言葉や音を組み立てるのは、あきらめて、
　　曲や画像を、コトバみたいに、ブレンドしたら？
　　

　　誰にでも分かるコトバなんか諦めて、
　　その曲や映像に感じられる人だけの仲間のなかで
　　暮らしたらいんじゃない？

　　無理しないで、身をまかしなさいよ、
　　この刺激の流れに浮かんでさ、」