ティッシュをもらいに衣装部屋へ行ったとき、呼び止められました。「ちょっと話ができる?」と、衣装部屋のトップ。それがちょっとではなかったのは言うまでもありません。
一ヶ月以上前に新しいカツラがシルクの本部モントリオールから来て、試着がありました。またまた重いカツラ…
カツラのことに関してはクリエイションのときに問題がありました。「重いので軽くして欲しい。」と言ってもなかなか軽くしてもらえず「あなたの首のトレーニングが足りない。」とまで言われました。そしてついには首が動かなくなりました。すると「首を動かさないで演技してくれればいいから。」と。結局カツラが軽くなるのに4,5ヶ月掛かりました。
試着のとき、新しいカツラに重さを感じたのでそれを伝えました。それでもそれは軽くなることなく、ショーで少しずつ使われるようになりました。私は何か伝えなければいけないと思ったので、使った次の日に必ず「首が痛い。」と言うようにしました。一週間に一回ほどしか使わないので、今までのカツラをそのほかの日に着けていれば2,3日でそれは治ります。それを繰り返していました。
ところがこの休み明け、回復することなく首が痛んでいるということと、今週は週6日ショーがあるので、「今週は新しいカツラを着けたくない。」とお願いすると思ったよりも簡単にカツラ担当のケリーは受け入れてくれました。
それで昨日まるく治まっていたのに、今日は衣裳部屋のトップから話がありました。
「首が痛いと聞いたからフィジオに話したけど君はフィジオに行っていないそうだね。」
そこから始まり、こちらが何を言っても勢いよく言い返してきます。
「みんなはじめはカツラが重いというんだよ。でもそのうちに慣れる。」
「ちょ、ちょっと待ってください。みなはカツラをつけてほとんど立っているだけですよね。私は頭を動かして踊るのですけど。」
そんなことお構いなしです。
「今のカツラは角になっている部分がきつく詰めた状態なので、髪を少し切って、短くなった分、今使っている古いカツラのように、そこをふんわりと作ることはできないのですか。」
と言うと、
「髪を切ってしまうと長くそのカツラを使えないからできない。」
と言います。
「じゃあ、私は重いカツラを着け首を痛め、また重いカツラを着け首を痛め、髪が少なくなっていくのを首を痛めながら待たないといけないわけですね。」
途中から私は悲しくなり、涙が出てきました。二年前のことを考えて問題を大きくしたくないから我慢して使っていたのに、結局それがいけなかったようです。首のトレーニングはさらに首を痛める可能性があります。二年前は実際そうでした。それでも「トレーニングをしたけれどだめだった。」というレポートを出さないと、モントリオールに報告できないので、それをしないといけないことになりました。そして「だめだったから。」と言ってカツラをモントリオールに返すそうです。100万円もするそのカツラ、全く使わずに返すぐらいなら髪を切って短く軽くして使ったほうが余程良いというのは素人の考えのようです。
コーチのエイドリアンは途中から衣装部屋になぜか来て、私たちの様子を見て出て行こうとするところを私が引きとめたので、経緯をほとんど聴いていました。「大きな会社だから何でも時間が掛かるのは僕も疲れるけど、僕は言わないといけないと思って言うようにしているんだ。問題になることを恐れないで“早く”言ったほうがいいよ。」などといいながら衣装部屋の外で慰めてくれました。
ちょっとがちょっと以上に掛かり、目がはれてしまったので、遅れてまで英語のクラスに行きたくありませんでした。でも、がっかりしたままショーを迎えたくはありませんでしたし、短い時間で気持ちを変えるにはいいきっかけかもしれないと思い、残り30分の英語のクラスに向かいました。
階段を上がるとフィジオのルックに会いました。昨日首のことを話しているので「どう?」と訊かれ、たった今起きたことを話しました。クリエイションのとき、他のフィジオのトレーニングメニューが役立たなかったことも言いました。彼はじっと考えて「大丈夫、何とかなるようにするから。」と言ってくれました。
英語の後ケリーに会い、今日のことを話しました。もちろん彼女はそのことを知っていました。そして彼のように興奮することなくいろいろと話してくれました。彼女の話が良く分かりここでも心を整えることができました。
お蔭でショーは無事に終わりました。
着替えているとバイグーが来ました。
「『雨が降っている。』ってシャルダンから電話があったんだ。彼女が『ノリコはどうやって帰るのだろう。引き返して来る。』って言うから、僕はまだMGMにいるから僕が送っていくと言ったよ。」
どこまでも親切なこの二人。そして今日もたくさんの方々のお蔭で一日を終えることができました。
一ヶ月以上前に新しいカツラがシルクの本部モントリオールから来て、試着がありました。またまた重いカツラ…
カツラのことに関してはクリエイションのときに問題がありました。「重いので軽くして欲しい。」と言ってもなかなか軽くしてもらえず「あなたの首のトレーニングが足りない。」とまで言われました。そしてついには首が動かなくなりました。すると「首を動かさないで演技してくれればいいから。」と。結局カツラが軽くなるのに4,5ヶ月掛かりました。
試着のとき、新しいカツラに重さを感じたのでそれを伝えました。それでもそれは軽くなることなく、ショーで少しずつ使われるようになりました。私は何か伝えなければいけないと思ったので、使った次の日に必ず「首が痛い。」と言うようにしました。一週間に一回ほどしか使わないので、今までのカツラをそのほかの日に着けていれば2,3日でそれは治ります。それを繰り返していました。
ところがこの休み明け、回復することなく首が痛んでいるということと、今週は週6日ショーがあるので、「今週は新しいカツラを着けたくない。」とお願いすると思ったよりも簡単にカツラ担当のケリーは受け入れてくれました。
それで昨日まるく治まっていたのに、今日は衣裳部屋のトップから話がありました。
「首が痛いと聞いたからフィジオに話したけど君はフィジオに行っていないそうだね。」
そこから始まり、こちらが何を言っても勢いよく言い返してきます。
「みんなはじめはカツラが重いというんだよ。でもそのうちに慣れる。」
「ちょ、ちょっと待ってください。みなはカツラをつけてほとんど立っているだけですよね。私は頭を動かして踊るのですけど。」
そんなことお構いなしです。
「今のカツラは角になっている部分がきつく詰めた状態なので、髪を少し切って、短くなった分、今使っている古いカツラのように、そこをふんわりと作ることはできないのですか。」
と言うと、
「髪を切ってしまうと長くそのカツラを使えないからできない。」
と言います。
「じゃあ、私は重いカツラを着け首を痛め、また重いカツラを着け首を痛め、髪が少なくなっていくのを首を痛めながら待たないといけないわけですね。」
途中から私は悲しくなり、涙が出てきました。二年前のことを考えて問題を大きくしたくないから我慢して使っていたのに、結局それがいけなかったようです。首のトレーニングはさらに首を痛める可能性があります。二年前は実際そうでした。それでも「トレーニングをしたけれどだめだった。」というレポートを出さないと、モントリオールに報告できないので、それをしないといけないことになりました。そして「だめだったから。」と言ってカツラをモントリオールに返すそうです。100万円もするそのカツラ、全く使わずに返すぐらいなら髪を切って短く軽くして使ったほうが余程良いというのは素人の考えのようです。
コーチのエイドリアンは途中から衣装部屋になぜか来て、私たちの様子を見て出て行こうとするところを私が引きとめたので、経緯をほとんど聴いていました。「大きな会社だから何でも時間が掛かるのは僕も疲れるけど、僕は言わないといけないと思って言うようにしているんだ。問題になることを恐れないで“早く”言ったほうがいいよ。」などといいながら衣装部屋の外で慰めてくれました。
ちょっとがちょっと以上に掛かり、目がはれてしまったので、遅れてまで英語のクラスに行きたくありませんでした。でも、がっかりしたままショーを迎えたくはありませんでしたし、短い時間で気持ちを変えるにはいいきっかけかもしれないと思い、残り30分の英語のクラスに向かいました。
階段を上がるとフィジオのルックに会いました。昨日首のことを話しているので「どう?」と訊かれ、たった今起きたことを話しました。クリエイションのとき、他のフィジオのトレーニングメニューが役立たなかったことも言いました。彼はじっと考えて「大丈夫、何とかなるようにするから。」と言ってくれました。
英語の後ケリーに会い、今日のことを話しました。もちろん彼女はそのことを知っていました。そして彼のように興奮することなくいろいろと話してくれました。彼女の話が良く分かりここでも心を整えることができました。
お蔭でショーは無事に終わりました。
着替えているとバイグーが来ました。
「『雨が降っている。』ってシャルダンから電話があったんだ。彼女が『ノリコはどうやって帰るのだろう。引き返して来る。』って言うから、僕はまだMGMにいるから僕が送っていくと言ったよ。」
どこまでも親切なこの二人。そして今日もたくさんの方々のお蔭で一日を終えることができました。