のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

腰に板

2008-10-04 | KA
 ようやくネバダバレエとの企画のリハーサルがはじまりました。今回の振付家はゼブ。ネバダバレエのダンサーです。顔触れが様々なので、どういうことになるのか楽しみでした。
 ゼブが、まずは作品のテーマについて話しました。太陽を中心とした天体の話。話は難しそうでしたが、振付は身体にやさしいものでした。彼が考えていたよりも振付は順調に終わり、5曲あるという振付の1曲目が完了したので、時間より早く解放されました。私は少し眠気があったので、建物の裏のベンチで昼寝をすることにしました。今日はさわやかな天気で、気持ちが良かったです。

 一回目のショーを終えると、左の臀部の様子が少し悪いようでした。そして、二回目に踊り終えると、腰全体がおかしくなっていました。いつもはリフト5が下がったのち、階段を駆け上がって更衣室へ一回戻るのですが、それもしたくない感じ。でも、私は双子の男の子に伝えないといけないことがあるので、頑張って階段を上がりました。
 いつものようにシェリーは更衣室の前で次の場面へ向かう準備をしていました。私は彼女の耳元でささやくように伝えました。
「シェリー、私、腰の調子がとても悪いの。今は小走り出来るけれど、スレイヴケイジでずっとしゃがんでいたら、その後動けないかもしれないの。もしも私が動けなくて、あなたにフルートを渡しに行けなかったら、私のところまでとりに来て欲しいの。」
 そしてまた、急いで地下へ下りました。
 スレイヴケイジはすぐに始まりました。私はなるべくじっとしないようにして、いつもよりも腰の辺りを動かすようにして、シェリーにフルートを渡しに行けるように備えました。そして、スレイブケイジの最後に立ちあがることはできました。
 あとはもうお辞儀だけです。その場所へ行ってシェリーに会うと「ガンバッテ。」と日本語で声を掛けてくれました。お辞儀をして全てを終えるとジェニファーも「頑張ったね。」と声を掛けてくれました。
 急いで衣装を脱ぐと、フィジオへ向かいました。フィジオはあまり行きたくないところですが、あまりにもひどい腰痛なので行きました。彼は時計を見ると、少しならば何かできると言ってくれました。
 彼がしてくれたことから考えて、この休みにマッサージに行った方がいいかと尋ねると、それはいいことだと言われました。彼の勤務時間も終わりなので、数分で治療は終わりました。
 腰には板が入っているようで、動きません。私は不安を抱えたまま、約束をしていた友達と先生方と笑いながら夕食をとり、アパートへ戻りました。
 戻って、自分の身体を見つめ直し、これはもしかするとぎっくり腰かもしれない、と思いました。もし本当にぎっくり腰だったら、マッサージはしない方がいいはずです。そして病院へ行かされて、3カ月安静という診断を下されるわけにはいかないのです。
 すぐに、日本で身体のことを診て下さる先生にご連絡をさせて頂きました。電話が何故か通じなかったのですが、先生からお電話を頂いて、お話しすることができました。丁度、古谷野先生方がいらしているので、先生方に手伝って頂いて出来る治療法を教わりました。しかし、ここまで調子が悪いと、二日で舞台に立てるまで回復する自信はありません。涙がこぼれました。
 でも、沈んでいても腰は良くなりません。せっかく楽しい旅行へいらして頂いている先生方に、お時間とお手を拝借することになります。私も希望を持って回復に力を注がなくてはいけません。すぐに涙を拭いました。