のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

ベッキー…

2008-12-09 | KA
 久しぶりに青空。気分良く、まずは昨日見付けた航空券のチェック。ところがなくなっていました…。前回も同じことをした気がします。仕方なく又調べていると、日本語のサイトで興味深いものを見付けました。値段は約2万円違いますが、旅程は良いです。
 クーポンを使いたいので、オフィスが開く時間を待って電話をしてみました。3回電話をしましたが、つながらず。この時点で「残り3席です。」という表示が出ていたので、クーポン使用は諦めて、予約をすることにしました。今日も高い買い物をしてしまいました…。
 週頭の全体のミーティングでは、新しいアーティスト3名が紹介されました。突然来た私の代役に、ビックリした人も多かったようです。いろいろと質問されました。中には「辞めちゃうの?」と訊いてくる人もいました。
 ミーティングがいつもより長かったので、急いでトレーニングルームへ行くと、アルマンさんをお見掛けしました。今日は前回お会いした時のように誰だか分からないこともなく、すぐに彼と分かりました。「血液の癌と闘っているんだ…。」とお聞きして、涙が止まらなかったあの日。そこからとてもいい方向へ向かっているようで、本当に嬉しくなりました。
 今日はあいちゃんが初めてKAを観ていることだろうな、と思いながら舞台に立っていました。古谷野先生のところへ一緒に通ったことを思い出すと、私は彼女に「よろしく。」は言ったけれど「おめでとう。」は言っていなかったことを思い出しました。シルクドゥソレイユの舞台に立つことは彼女の長年の夢。その夢が叶って今ここへ来ているのに、お祝いを言っていませんでした。
 ショーが終わると、彼女はわざわざ駆け付けて、KA、またそれ以上に私がフルートと踊るところに感動したと言ってくれました。良かったです。私は舞台上で心の中で言った「おめでとう。」をそこで言うことができました。彼女が素敵な時をここで過ごせますように。
 二回目のショーももう終わるころ、ベッキーはこのショーが最後になるということを聞きました。今日医者へ行き、元々調子の悪い肩の手術を明日することに決めたそうです。私は全くそのことを知らず、もちろんミーティングでも放送でもそのことは知らされておらず、一部のアーティストだけが知っていることのようでした。私はびっくりして、そしてがっかりしました。いつものようにクライムの前に下手で準備をしている彼女の脇を「ハロー。」と言いながら通り過ぎ、私は影絵の待機をしました。ベッキーがそこへいる時は、何となく嬉しくなります。ところが、明日から彼女がそこにいることはもう無いのです。何も知らずに最後の「ハロー。」を終えてしまいました。
 いつも笑顔で何事にも積極的な彼女は私の憧れでした。トレーニングの取り組みはもちろん、キャプテンとして活躍したり、防災委員などもして見えないところでも私達のために働いてくれました。ネバダ一速いトライアスロンの選手は、子供たちに器械体操を教えたりすることもありました。
 花火が上がると、彼女の最後を知っているアーティスト達が「ベッキー!!!」と叫びました。私は声も出すことができず、涙だけが溢れました。
 ショーが終わり、更衣室の方へ戻ると、ベッキーがいました。「ベッキー…。」と言いながらハグをすると、しくしくと子供のように泣きました。「しばらくはこの街にまだいるからさ。」それは分かっているのだけど…。
 私が最後の日は、出来れば誰にも知らせずに、いつものようにその日が過ぎ行けばいいと思っていました。でもそれは、こんなにも人を悲しい気持ちにさせることが分かりました。
コメント
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