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林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」
―世間虚仮― とうとう御陀仏か、ゆびとま?
一昨日-10/31-の夕刻から、突然アクセスできなくなった「ゆびとま」と「Echo!」
Siteには「臨時メンテナンス中です。2008/10/31~未定。進捗に変化があり次第お知らせいたしますので、何卒よろしくお願いいたします。」と白々しい文字が並ぶのみ。
同じ日の午後にあった定番のメール配信には、メンテナンスのことなど一言も触れられていないのだから、余程の不測事態、むしろ事故というべきか、が出来したにちがいない。
その出自は、小久保徳子らを中心に立ち上げ、全国ネットに広がった同窓会サイト「この指とまれ」も、その小久保自身が06年2月、長崎県知事選に無所属で立候補してむなしく大差で敗れ去ったその選挙戦と同時に、経営の実権は完全に暴力団関係の乗っ取り屋らに移ってしまうという事件のあった会社だが、このことが広く世間に明るみとなってしまうのは、翌07年の2月、(株)アドデックスをめぐる民事再生法違反事件で同じ関係者らが逮捕されたことからだ。
そんなきな臭い怪しい感は、遡って05年の春頃からなにかとブログのEcho内で話題にもなり、会員らのなかでずいぶん騒ぎにはなっていた。
また、昨年8月には「(株)ゆびとま」から新会社の「(株)この指とまれ」へと売却移転しており、この経営陣の正体もよくはわからない。
ざっとそんなこんなで、今更なにが起ころうと驚くほどのこともないのだが、10月28日現在、公称登録者総数3,719,983人を誇る「この指とまれ」も、いよいよ風前の灯、命数尽きなんとしているかと思われる。
<連句の世界-安東次男「風狂始末-芭蕉連句評釈」より>
「霜月の巻」-05
ひきずるうしの塩こぼれつゝ
音もなき具足に月のうすうすと 羽笠
次男曰く、月の定座。奪って軍陣の趣向とした。
「塩こぼれつゝ」とあれば無月はわるし、といって名月というわけにもゆくまい。「月のうすうすと」とは誰が試みても殆ど動かしようのない設定だが、初五があいまいだろう。具足-大鎧ではなく小具足-の音を立てるなという抑制の合図は、とりも直さず初折表のはこびの心構えの含でもあるか。脱ぎ置かれた具足という解釈はよろしくない。移動する軍か、それとね籠城攻めのさまか、後者なら軍陣もやや手詰りとなった兵たちの無聊も出る。
発句・脇を和歌風、脇・第三を漢画風、第三・四を軍記風にはこんだ手際は、貞享蕉風の知的に面白さだろう。
露伴は「前句を籠城防戦の準備に嶮坂山路を塩を搬ぶと看て、此句あるか、或は適地を通り抜けて味方に力を添ふると看て、此句あるか。いづれにせよ戦場軍旅の風情なり。音も無き具足をただ飾り置くのみとするは非なり。‥一句もよろしく、前句とのかかりもよろしく、樹蔭過ぎ行く籠手の上に月の光の薄々と射したる、人情夜景、共に妙なり」、と。
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