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山頭火のモノローグ
山頭火は
捨てても捨てても捨てきれないものに涙がながれる
と云ったのだが
また別のところでは
徹し得ないところに、すべての悩みがある
悲しいのぞみがある
とも云っている
母は彼の幼い頃に自宅の井戸に身を投げて死んだ。
-山頭火、数えの10歳。
他家へ養子に出された弟もまた後に、郷里近くの山中で縊死している。
-山頭火、数えの36歳。
山頭火が背負った宿業の重さは計り知れないが
それによってかよらずか
放浪行乞に生き、自由律の句に生きようと
妻子をも捨てた
いや、そのように、捨ててしか生きられなかった
だが本当に捨てきったのか
最後の最後まで、捨て切れなかったのではないか
捨てきれないものに涙し
徹し得ないところに、悲しいのぞみを
どうしても垣間見てしまう山頭火自身は
結局、なにもかも捨て切れなかったのだ
と自嘲するしかない。
彼はよくおのれ自身の生を生きた
どうしようもない生だと自嘲しながら
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