ボストン現地レポート 教育に関連した話題を現地から

アメリカのサマーキャンプ、サマースクールの短期留学専門のコーディネーターが、現地の情報を様々な角度からお届けします。

アメリカのサマーキャンプ

2011年03月02日 | 教育
前回のブログから、だいぶ時間が経ってしまいました。早いもので3月ですが、こちらでは、まだ雪が残っています。私どもがいっしょに仕事をしております、サマーキャンプやサマースクールの現地でも、まだまだ雪が残っているところが多いようです。

前回のブログで、サマーキャンプの内容も、親や子どものニーズに合わせて、進化していることをお知らせしました。親の世代の頃のサマーキャンプの内容に比較しますと、アウトドア、スポーツのアクティビティー主体の内容から、アート全般、ダンスや演劇などのパフォーマンス・アートに関連したアクティビティーが、豊富に取り入れられるようになってきました。また、最近は、TVのドラマで注目されるようになった検視官の仕事を、模擬的に体験できるプログラム、これもTVの番組の影響が強いのですが、お料理に興味を持ち始めた子ども達対象に、お料理レッスンのプログラムを取り入れ始めたプログラムが目立ちます。また、動物好きな子ども対象に、獣医の仕事を、模擬的に体験できるプログラムも立ち上がりました。これらのプログラムは、小学生・中学生対象のプログラムです。

弊社は、このようなサマープログラムの移り変わりを、弊社設立以来16年間見つめてまいりました。第1期生は、もう社会人です。アメリカのサマーキャンプ参加をきっかけに、高校留学を目指した生徒さんも少なくなく、弊社が高校留学のコーディネーションを始めるに至った経緯でもあります。そんな中の一人、現在ボストンのEmerson Collegeに留学中の大学生が、弊社American Summer OpportunitiesのFacebookを立ち上げてくれました。遠い日本から、アメリカのサマーキャンプやサマースクールへ勇気を持って参加したという、共通の貴重な体験を分かち合える友達の輪が、これからどんどん広がっていってくれるよう、私どもも協力したいと思っております。Facebookに参加されている方は、American Summer Opportunitiesで検索されてみて下さい。

長く地道に仕事を続けていると、こんなこともあるんだなーと思うのでした。

アメリカの大学選びについて

2010年12月10日 | 教育
前回のレポートに続いて、現在ボーディングスクールに在学中の日本人生徒さんたちの、大学選びについてお話します。

アメリカ人の同級生たちと同様、大学で具体的に勉強したい専攻が決められないのは、よくあることです。私どもがケアしています日本人生徒さんたちも、アートや心理学など、興味のある分野はあっても、それを大学4年間の専攻科目にしたいとは、まだ決められないようです。

そんな場合に、各学校のカレッジカウンセラー、特に私立高校のカウンセラーから勧められるのは、小規模なリベラルアーツカレッジです。リベラルアーツカレッジに入学する場合は、大学3年生になる時点で、自分の専攻科目を決めれば良い、というケースが多いようです。アメリカ人家庭も、子どもが専攻をなかなか決められない場合は、まずはリベラルアーツカレッジに進学して、色々な分野の勉強をしつつ、3年生になる時点で、何かひとつ見極めてくれれば、と思うところが多いようです。これは、リベラルアーツカレッジに進学する生徒たちの経済的バックグランドが、比較的裕福である家庭が多いこともあります。優秀なりベラルアーツの大学ほど、4年生を卒業した後に、大学院に進学するケースが多いことも、このような経済的バックグランドに関連しているように見えます。

アメリカ全国にある大学の中から、進学先をしぼっていく上で、まずは、ロケーション、大学の規模(リベラルアーツカレッジ、ユニバーシティー、私立、州立などの選択があります)、そして現在のTOEFLとSATのスコア、成績の平均値などを材料として、5校から10校ほどの学校がリストにあがります。リストの中には、ドリームスクール(少し高望みだけど、もしかして合格するかも?)、本命の学校、そして滑り止めの学校があります。

アメリカ人の生徒や家庭にはなじみの薄いものですが、留学生、特にアジア系の留学生は、大学世界ランキングというものを、かなり気にしてしまうようです。たとえば、日本の慶応、早稲田よりは世界ランキングで上の大学へ進学したい、とこだわりを持つ生徒もいます。日本の保護者の方も、どうしても気になってしまうようです。

先に書きましたように、アメリカ現地では、4年生大学は自分探しのようなプロセスとして、親自身がアイビーリーグの有名大学を卒業しているケースでも、子どもの大学選びには、かなりリラックスした、言い方を変えれば、息子や娘が気に入った学校に行くのが一番、それが知る人ぞ知る学校であればベスト、と思う保護者が多いのです。そんな考え方なので、大学の世界ランキングなんてものがあることすら、知らないようです。

一方で、アジア系アメリカ人家庭は、親が一世の場合は特に、アメリカに住んでいても、ネームバリュー、ランキングというしがらみが強く、子どもをより有名大学、よりランキングの高い大学へ入れたい、という気持が強く、留学生の親御さんに通じるメンタリティーがあるようです。

ちなみに、ボストン周辺の有名大学、ハーバード、MITなどは、学部(4年生の大学)から、そのままハーバードやMITの大学院へ進学する生徒は意外に少ないそうです。

ボストン郊外には、非常に教育熱心な市があり、親も学歴が高いのですが、現地で見聞きするアメリカ人家庭の子育て、教育に対しての考え方と、日本の親御さんの考え方の違いは、常に感じるところであり、留学ーディネーターとして大変興味深い点でもあります。