ボストン現地レポート 教育に関連した話題を現地から

アメリカのサマーキャンプ、サマースクールの短期留学専門のコーディネーターが、現地の情報を様々な角度からお届けします。

アメリカのサマーキャンプ

2010年12月15日 | アメリカのサマーキャンプ
早いもので、12月も半ばです。街中のクリスマスの飾りつけも綺麗になってきました。

このころに、ボストン周辺の郊外の町にて、来年度のサマープログラムの説明会が開催されます。弊社でも、毎年このような説明会に参加し、最新の情報を収集しています。

なぜ、この寒い時期に来年の夏のプログラムの説明会があるのか?不思議に思われる方も少なくないと思います。教育熱心なアメリカ人の家庭では、実は、クリスマスのシーズンごろから、来年度のサマープログラム探しが始まるのです。

長年にわたり、高い人気を維持しているサマーキャンプやサマースクーについては、本年度のプログラムが終了する前から、来年度の募集が始まる場合があります。このようなプログラムは、アメリカ国内でも一切広告していないにもかかわらず、例年、2月ごろには定員いっぱいとなり締め切っています。また、早期に申込をされた場合は、特別に授業料が割引きになる場合もあります。

弊社で、日本のご家族へ自信を持ってご紹介していますサマーキャンプ、サマースクールも、広告していないにもかかわらず、口コミや紹介で、2月から3月にかけて、定員いっぱいとなって締め切っています、現地で非常に人気の高いプログラムばかりです。また、各プログラムに、日本人が参加できる人数に制限を設け、その上、子どもたちが同じ年齢の子ども達同士で共同生活を送るキャビンに、日本人参加者が一人きりとなるように、特別にアレンジしていることから、参加者の年齢によっては、早く締め切ってしまうこともあります。
参加人数の制限枠は、たとえば、全体で280名ほどの子ども達が参加するプログラムについては、8名までとしています。あくまでも、各キャビンに日本人参加者が一人きりになるようにアレンジできることを、最優先した上での人数枠としています。

アメリカでは、ほとんどの家庭が共働きの家庭です。夏休みは2ヶ月もありますので、子どもの夏休みの過ごし方は、保護者にとってはとても大きな課題なのです。一昔前までは、子どもが夏休みの間、自然の豊かな環境で、親元を離れて野外生活体験をするという、とてもシンプルなプログラムが、サマーキャンプの主流でしたが、最近は、サマーキャンプの内容も、子どもたち、保護者の方々の希望、意向を反映して、どんどん進化しています。

次回のレポートでは、進化しているサマーキャンプ、サマースクールについての詳しいレポートをお届けします。


アメリカの大学選びについて

2010年12月10日 | 教育
前回のレポートに続いて、現在ボーディングスクールに在学中の日本人生徒さんたちの、大学選びについてお話します。

アメリカ人の同級生たちと同様、大学で具体的に勉強したい専攻が決められないのは、よくあることです。私どもがケアしています日本人生徒さんたちも、アートや心理学など、興味のある分野はあっても、それを大学4年間の専攻科目にしたいとは、まだ決められないようです。

そんな場合に、各学校のカレッジカウンセラー、特に私立高校のカウンセラーから勧められるのは、小規模なリベラルアーツカレッジです。リベラルアーツカレッジに入学する場合は、大学3年生になる時点で、自分の専攻科目を決めれば良い、というケースが多いようです。アメリカ人家庭も、子どもが専攻をなかなか決められない場合は、まずはリベラルアーツカレッジに進学して、色々な分野の勉強をしつつ、3年生になる時点で、何かひとつ見極めてくれれば、と思うところが多いようです。これは、リベラルアーツカレッジに進学する生徒たちの経済的バックグランドが、比較的裕福である家庭が多いこともあります。優秀なりベラルアーツの大学ほど、4年生を卒業した後に、大学院に進学するケースが多いことも、このような経済的バックグランドに関連しているように見えます。

アメリカ全国にある大学の中から、進学先をしぼっていく上で、まずは、ロケーション、大学の規模(リベラルアーツカレッジ、ユニバーシティー、私立、州立などの選択があります)、そして現在のTOEFLとSATのスコア、成績の平均値などを材料として、5校から10校ほどの学校がリストにあがります。リストの中には、ドリームスクール(少し高望みだけど、もしかして合格するかも?)、本命の学校、そして滑り止めの学校があります。

アメリカ人の生徒や家庭にはなじみの薄いものですが、留学生、特にアジア系の留学生は、大学世界ランキングというものを、かなり気にしてしまうようです。たとえば、日本の慶応、早稲田よりは世界ランキングで上の大学へ進学したい、とこだわりを持つ生徒もいます。日本の保護者の方も、どうしても気になってしまうようです。

先に書きましたように、アメリカ現地では、4年生大学は自分探しのようなプロセスとして、親自身がアイビーリーグの有名大学を卒業しているケースでも、子どもの大学選びには、かなりリラックスした、言い方を変えれば、息子や娘が気に入った学校に行くのが一番、それが知る人ぞ知る学校であればベスト、と思う保護者が多いのです。そんな考え方なので、大学の世界ランキングなんてものがあることすら、知らないようです。

一方で、アジア系アメリカ人家庭は、親が一世の場合は特に、アメリカに住んでいても、ネームバリュー、ランキングというしがらみが強く、子どもをより有名大学、よりランキングの高い大学へ入れたい、という気持が強く、留学生の親御さんに通じるメンタリティーがあるようです。

ちなみに、ボストン周辺の有名大学、ハーバード、MITなどは、学部(4年生の大学)から、そのままハーバードやMITの大学院へ進学する生徒は意外に少ないそうです。

ボストン郊外には、非常に教育熱心な市があり、親も学歴が高いのですが、現地で見聞きするアメリカ人家庭の子育て、教育に対しての考え方と、日本の親御さんの考え方の違いは、常に感じるところであり、留学ーディネーターとして大変興味深い点でもあります。




今日からブログを始めました

2010年12月08日 | 日記
こんにちは! 弊社のWebsiteにあります、「ボストン現地レポートー教育に関連した話題を現地から」というページを、ブログという形で更新していくことになりました。

ボストンは、12月に入り急に寒くなりました。朝晩の気温は零下です。

中学生のときに、サマーキャンプに参加したことをきっかけに、現在、アメリカの東海岸のボーディングスクールに留学している日本人生徒さんたちがいます。このうち、来年に大学進学を控えている生徒さんが2名。二人とも、アメリカの大学へ進学を希望しています。ほとんどの大学の出願締め切りは、来年の1月末です。冬休みに入る前までには、出願願書、エッセイ、各テストのスコア、先生方に書いていただく推薦状、その他添付書類の準備を終えていることが理想的です。

そんなプロセスに至るまで、日本から保護者の方が学校にいらして、お子さんの授業参観もかねて、お子さん担当のカレッジカウンセラー(大学進学をサポートする専門スタッフープレップスクール、ボーディングスクールには、複数のスタッフが常時います)と面談にいらっしゃるタイミングが、10月から11月でした。弊社も、そのような機会には、保護者の方に同行し、面談がスムーズに進み、実り多い結果となるようにサポートしています。

日本からいらっしゃった保護者の方が、一番戸惑われることが、学校選びかもしれません。アメリカには、実にたくさんの大学があり、大学のスタイルも、州立、私立、私立の中でも、比較的規模の小さいリベラルアーツカレッジと、ユニバーシティーに分かれます。また、大きな国ですので、ロケーションで大学のカラー、そして授業料も大きく違ってきます。

そして、日本の感覚ではなかなかなじめない点が、”知る人ぞ知る”という、全国的に知名度が高くなくても、その分野では認められている大学が、たくさんあるということです。

幼稚園受験から、親子ともども、ネームバリューに翻弄されてしまうことのある日本の保護者の方々には、まずここから、頭をやわらかくしていただく必要があるのです。

次回は、この点について、もう少し詳しくお知らせしたいと思います。