ボストン現地レポート 教育に関連した話題を現地から

アメリカのサマーキャンプ、サマースクールの短期留学専門のコーディネーターが、現地の情報を様々な角度からお届けします。

アメリカの中学、高校留学と新型コロナ

2020年10月21日 | アメリカの高校留学

日ごとに秋の深まるボストンです。

先日、ボストン郊外にある私立高校・ボーディングスクールに留学中の日本人生徒さんを、特別に学校が企画して下さったVisiting Day(保護者またはガーディアンのみ寮生を訪問しても良いという特別な日)に、和風のお弁当を作り訪問した際のレポートをお届けします。通常でしたら、寮生の生徒さんをガーディアン(外国にいらっしゃる保護者の代理として、アメリカ国内で留学生のケアをする大人)として、週末にキャンパスを訪問したり、キャンパス外に連れ出したり、または自宅に招いたりということは、事前に保護者の方のご承認を学校側にお知らせすれば自由にできるのですが、新型コロナ感染対策として、現地ボーディングスクールでは、関係者以外のキャンパスの出入りを厳しく制限しています。この学校では、翌週からいよいよ通いの生徒さんたちも、対面式の授業スタートに合わせて通学してくる、ということもあり、特別に寮生のファミリーやガーディアンのみ、キャンパスを訪問しても良いという機会を作って下さったのでした。

訪問時間は、午後12時から7時まで。寮はもちろんですが、学校内の建物に入ることは禁止。その代わり、大きなテントを張りテーブルや椅子を用意して下さったり、芝生の上も開放して下さった上で、ソーシャルディスタンスを取りながら、各ファミリーが子供たちと屋外でゆっくりと過ごせるよう配慮されていました。予め記入し提出を義務つけられたフォームには、訪問者の体調チェック、新型コロナに感染した人と接触をしていないかどうか、感染者が急増している他の州へまたは州からの移動の有無などの質問があり、最後に署名をするようになっていました。

キャンパスに到着しますと、駐車場のそばに手を消毒するステーションが設けてあり、ここで訪問する生徒とはお互いに連絡を取り合い待ち合わせをする、というシステムでした。この学校は、他の学校に比べますと決して大きなキャンパスではないのですが、それでも19ホールのゴルフ場ほどの広さがあります。秋晴れの素晴らしいお天気のもと、各々持参したランチを芝生の上で楽しんだり、裏山にハイキングに出かけたり、家族水入らずのんびりと過ごせる、保護者の方々にとっては貴重な機会だったと思います。

この学校には、現在弊社でケアしています日本人生徒さんが4名留学しているのですが、帰寮したのは留学2年目の10年生になった男子生徒さん1名です。春休み以降日本に帰国し、13時間の時差がある中、オンライン授業でがんばってきたのですが、もう時差のある中のオンライン授業はたくさん!、と6月からボストンに戻り、サマースクール参加を経て、スムーズに帰寮できるよう準備をしてきた生徒さんです。この夏、彼がバーモンド州で参加しましたサマースクールについては、後日、改めてご報告いたします。

この生徒さんが開口一番言ったことは、「やっぱり対面授業はいいです!」でした。オンラインで授業に参加していた通いの生徒さんたちが、キャンパスに戻ってくることで、感染が広がってしまうのでは?、という心配はぬぐえない様子でしたが、帰寮後、校長先生はじめ教師たちを交えてのミーティングが頻繁に開催され、学校の対応について説明を詳しく受けながら、感染を防ぐために生徒たちひとりひとりが出来ることは何か?、とディスカッションをしながら、学校任せでもなく人任せでもなく、自らの意識を高めて行くという訓練を重ねたことが、「大丈夫かも!」という信頼につながっているようでした。

添付しました写真は、食事中もソーシャルディスタンスを実施する!、という訓練の様子です。まだまだ気候が良いので、このように屋外での食事もできますが、これから冬にかけて屋内で食事をする際は、全校で約350名ほどの生徒さんたちと教師たちが、いくつかのグループに分かれ、シフト制での食事に切り替わったり、予めパッケージされたランチを受け取り、お互いに6フィート離れて食事をする工夫がされています。