ボストン現地レポート 教育に関連した話題を現地から

アメリカのサマーキャンプ、サマースクールの短期留学専門のコーディネーターが、現地の情報を様々な角度からお届けします。

あるボーディングスクール校長のスピーチーアメリカ大統領選を終えて

2016年11月29日 | アメリカの高校留学
感謝祭休暇も終わり、ボーディングスクールに留学中の生徒さんも、それぞれ無事に留学先の学校へ戻りました。大統領選の結果が出て、早くも数週間が過ぎようとしています。

現在、アメリカ東海岸にあります6校のボーディングスクール(私立高校)に留学している、日本人生徒さんたちの現地コーディネーターを務めていますが、私の生徒さんたちが留学しているボーディングスクールでも、予想外の結果の影響は多々あったようです。翌日は全校休校とし、グループに分かれ前向きな話し合いをしよう、ということをやっていた学校もありました。結果に動揺したのは大人ばかりでなく、まだ選挙権の無い子どもたちにも動揺はありました。私自身、結果に対してのショックと動揺が大きく、体調も崩し、しばらく呆然としてしまったのですが、そんな中、現在2名の生徒さんたちのコーディネーターを務めています、ボーディングスクールの校長先生が、選挙結果が明らかとなった翌日11月10日の晩に、全校生徒を集めてスピーチされた内容がメールで届きました。校長先生から保護者へのメッセージには、「子どもたちは大人を見ているのです。」というセンテンスがありました。大人の私たちが動揺し混乱しているばかりでは、子どもはもっと不安になります。こんな時こそ、大人である私たちがしっかりしないといけないのですね。

この校長先生のスピーチの内容を何度か読むうちに、このメッセージを和訳し、弊社より日本のファミリーにも発信したい、と思うようになりました。仕事の合間に少しづつ翻訳を進め、やっと出来上がったのですが、操作ミスで原稿を削除してしまうことがありました。そして、いったん諦めかけたのですが、デスクの上にあるプリントアウトした原文を目にするたびに、これはやはり発信しないといけない、と思いを新にしました。

日本でも、大統領選の結果についての分析に始まり、日本への影響などについて、たくさんの情報がみなさんの周りに流れていると思います。この先どうなるのだろう、という不安を持っていらっしゃる方も少なくないと思います。それは、アメリカ市民も一緒です。しかし、このスピーチに込められた、アメリカという、ある意味実験的な若い国が、理想として、信念として守ってきた、そしてこれからも守っていこうとしていることをお伝えできたら!、と願いながら、以下にスピーチの内容を日本語に訳しまして、ご紹介します。

「急な知らせであったにも関わらず、この集会に集まってくれてありがとう。昨日の朝から、この集会のことを考えていました。なんて数日間だったことでしょう!いやいや、なんて何か月間、いや何年間だった、と言うべきでしょう。今晩は、これまでに起きたことを、君達と話し合いたいと思います。もちろん、最近の出来事、その反応を受けての集会でもあります。
本題に入る前に、今こうして、ここで君たちと集うことで、私自身、どんなに安堵しているか、君たちにまず、伝えたいです。象徴的に、感情的に、教育的に、そして思慮深くあるために、私たちは共にいるべきなのです。そして、お互いに歩み寄れば、より良くなれるのです。今晩、この講堂の扉を、ここにいるみんながそれぞれ開けたことによって、私たちは、お互いに歩み寄っているのです。この数日間、私は言いようのない孤独感を味わってきました。しかし、今、君たちの存在を得て、大きな安堵感を得、思いやりと支え合う大切さを実感しています。
一緒に話し合いましょう。そのために、みんなここに集っているのです。最近の出来事は、わが校だけでなく、私たちの国自体を、深刻に分断させる結果となりました。怒りや中傷に満ちた、軽率な言葉や行為が繰り返され、人々の恐怖を煽る結果となりました。先日の学校集会で、私が言ったことを覚えていますか? 「私が怖れていることは、選挙後の怒りである。」、と言ったことを。。。。 前もって君たちに話しておけば、君たちが心構えを持って、相応しい態度で選挙結果に対応できるのでは、と願いつつ話したことでした。結果的に、私たちはなんとか乗り切れたかのようです。しかし、私はそうは思いません。ここ数日間、大きな混乱と落胆がわが校のキャンパスを支配しました。そして、私は思うのです。早急に、私たちは軌道修正をしなくてはいけない。君たちにも要求します。一刻も早く軌道修正をしよう、と。

私のメッセージはとてもシンプルです。でも、私のメッセージを、モラルや、政治的布教、社会学的見解、または崇高な哲学などと取り違えないで下さい。わが校のキャンパスで、酷い、忌まわしい、中傷的な言葉や行為があったことを見聞きしています。偏見、人種差別、同性愛者差別にあたる言葉も耳にしました。わが校のキャンパスに限らず世間では、右と左、革新と保守、賛成と反対という言葉さえ、否定的な悪意ある言葉として捉えがちな傾向があります。クリントンとトランプという各候補者の名前でさえ、そのような意味合いで使われてきました。先ほども、ある生徒が「〇〇〇が、いったい何を今さらしようというんだい!」、と私の名前を、まるで敵であるかのように言い放つのを耳にしました。

私は信じています―ここで“信じる”という言葉の意味を軽くとらないで下さい―ここにいる私たち全員は、個人的な中傷を厭わない、最悪な政治的キャンペーンの犠牲者なのです。これまでの長いキャンペーン期間、私たちは嫌悪に満ちた言葉に、だんだんと鈍感になってしまったようでした。あまりに頻繁に繰り返し使われた言葉が、実際にどんな意味を持ち、どんな状況や人々を表現する言葉であるのか、きちんと理解することを諦めてしまったようでした。私たちはこれまで、何度、各候補者が自分たちの発言に対して、実際はそのような意味で言ったのではなかった、と聞かされたことでしょう。次期大統領のトランプ氏については、あるテレビ番組で女性に対して信じられない侮辱的な発言をし、その性的虐待にあたる発言に対して、単なるLocker room talk (男性だけでかわされる冗談)であった、と言いました。クリントン長官については、トランプ支持者をさして、酷い惨めな人たちの吹き溜まりという発言をし、何万人という人たちが人種差別者であり、女性蔑視者である、と決めつけました。同様の発言は、例を挙げたらきりがないほどです。そして、私たちは思うのです。この二人に共通する点は、自分たちの発言に対して、またその発言によってどんな結果が生じるのか、責任を取る必要は無いこと。そして、自分の発言が意味するところ、また、どのような行為を暗示するということも、どういうわけか認識しないで良い、という姿勢です。
ここで考えてみて下さい。もし、この選挙に関連した一連のことが正しかったと仮定するとしたら、私たちは感じたことを、いつでも、どんな口調でも、そしてその発言がどんな影響を与えるのか考えずに、無責任になんでも口にして良い、ということになります。これは、一般的に間違いです。そして、わが校においては決して受け入れられない間違いです。また、もし君たちの中に、このような行為は容赦可能で受容されるべき、と考えている者がいたら、これも間違いです。残念ながら、大統領選候補者にこのような行為があったことは事実ですが、わが校のコミュニティの一員として、許せることではありません。もちろん君たちから、言論の自由、交渉の自由、反対意見を主張する意義、ということについてはどうなんだ?、という声が上がるのは、わかっています。私もこのことを考えていました。覚えていますか? 9月に新学年がスタートするときに、わが校のモットーとして掲げたメッセージを。「私たちは、異議を唱え、お互いに学び合う機会を、中傷的な意見や軽率な断言に惑わされることなく、見つけていこう! 」今となっては、なんて予言的なメッセージだったことでしょう。

私は言論の自由を信じ、異なる考え方と討論と対話の意義を信じています。しかし、私、そしてここにいる全員は、中傷的な発言または嫌悪感を煽るような発言を信じてはいません。優越感を誇示し他者を貶めること、他者を排斥し追い詰めること、他者に何かが間違っていると断言すること。このような発言や行為は、私の信念として許せるものでなく、わが校でも許されるべきでない、ということです。ここではっきりと言いますが、このような発言や行為をする者は、この学校から去って下さい。もう一度言います。中傷的な、恐怖を煽る、嫌悪に満ちた言葉を使い、他者を傷つけ不快感を与えるような行動をする者は、ただちに、この学校を去って下さい。

我々が直面している、この状況があるからこそ、今、私たちがどのように行動すべきか、わが校が君達に期待する理想が、非常に重要なのです。君達は私のことを知っています。私も君達のことを知っています。そして、非常にシンプルで大事なことは、お互いに尊重し合い、私たちのミッションである“他者を思いやり、市民としての責任を果たす”というモットーを守ることです。これを実行することは、容易いことではありません。私自身振り返ると、自らの努力が足りなかった、と言えます。私自身、あらゆる考え方を尊重することが十分にできていたか? 先にも述べたように、トランプとクリントンという名前自体が、モラル的意味を持つ言葉になっていたのが現状です。そんな中、トランプ支持者はこのキャンパスで、居場所の無い、尊重されるに値しないような思いをしていた、と言っても間違いではないでしょう。私自身もその一人ですが、リベラルな考え方が浸透しているわが校のキャンパスにおいて、異なる意見や考え方を尊重し、話し合うべきであるという信念が、いつの間にか失われていたように思います。実際、排他的で偏狭な考えがキャンパスを支配していたのです。

中流階級の白人であり、カソリック教徒として育てられた私自身、このことに気付くことができなかったのです。物事をより多角的に見る素地が備わっていなかったのでしょう。君達も、自分自身に問いかけてみて下さい。わが校キャンパスで、トランプ支持者が、周囲から断言されたり、批判されたり、侮辱される恐れを抱かずに、自分たちの主張や意見を十分に述べることができていた、と思いますか? 少数でも? 十分な機会が与えられていた、と思いますか? 私自身、同じ問に対する答えは、“恥ずかしいほどの罪悪感”です。

私は自分の信念を持っており、大切にしています。しかし、相反する考えを十分に尊重することを怠ってきたのでは、と今は感じています。私たちが理想とする居場所を維持するためには、尊重、受容、関心、思いやり、感情、同情、そして優しさをいつ何時も忘れてはいけません。どんな時でも、どのような人でありたいのか、その理想を忘れてはいけないのです。

ここではっきり言いますが、トランプ氏は攻撃的な侮辱的な、そして嫌悪を煽る発言を、より多くしてきました。このような言葉自体、そして偏見、人種差別、性差別、女性蔑視、同性愛者蔑視、そしてあらゆるタイプの人々を攻撃するような発言や行為を、私は許すことができません。一方で、彼を支持する人々全員が、彼を支持したからと言って、全員が偏見に満ちた人々である、とは思わないのです。つまり、共和党支持者が全員偏見に満ちた差別者であり、民主党支持者の中には、そのような人間が一人もいない、と言えますか? 

実に悲しいことに、いま、私たちの周りには、憎しみと偏見が満ちています。私自身、トランプを支持せず、これから彼がやろうとしていることに対して、不安をもたずにはいられないとしましょう。しかし、トランプ支持者たち全員に対して、このような考えを当てはめてしまうのは、間違いだと思うのです。悪い考え方であり、解決を導くものではありません。多くの人が語っているように、そして私も同感するように、トランプ氏の成功は、人々の恐怖を扇動した結果であると言えるでしょう。しかし、ある人達にとっては、彼は希望だったのです。どちらが正しいのか、ここで言及することはしません。大事なことは、この点をしっかりと認識することなのです。私たちがトランプ氏を支持できないとしても、トランプ氏を希望である、と理解した人々の中にも、良い人たち、寛容な人たち、良識ある人たち、そして原則をしっかりと持った人たちがいるのです。このことをきちんと理解することによって、分断されてしまった我々が直面している、問題の解決策が見つかる可能性が生まれてくるのです。

全世界でも理想とされる、思いやりのあるコミュニティを築くことを、まずはわが校で実践しましょう。信念を持ち、善良な心を持ち、そして探究者であり、生産者であり、リーダーであり、ヘルパーである君達が一緒であれば、実践できるはずです。多様な才能、考え、文化、そしてバックグランドを備えた君たちのすべてが、貴重な財産なのです。

君達に今、世界の安全と秩序は今後も保たれ、これからも君達が傷つくことなく、痛みを伴うことなく成長していけるだろう、と私は敢えて言いません。なぜなら、それは到底約束できることではなく、そして何よりも、君達を今後もずっと庇護下に置いておくことを、私は望まないからです。私は君達に、信念を持って抵抗する力を持って欲しい、と願っています。わが校は、相互尊重の場であり、寛容と思いやりを持ってお互いに話し合うことのできる場です。意見の相違はあっても、他者を蔑視したり、他者を排斥するべきではありません。私たち全員は、ここに居るのです。そして、存在する権利があるのです。各々の権利が保証される限り、わが校は君達を選び、君達はわが校を選ぶのです。すべて者の立場が尊重されるべきなのです。

ホメ―ロスがイリアスの冒頭で、アキレスの怒りが国の不運と破滅をもたらす、と示唆した言葉にあるように、私たちが共存を重んじず分断を選択したとしたら、その結果として破滅の運命があるのか? 私には、正直わかりません。このような運命が私たちのものになり得るのか、そうでないのか、誰もギャランティーはできないでしょう。しかし、私たちがモットーとする“他者を思いやり、市民としての責任を果たす”というミッションを守ることはできます。成されたことを覆すことはできませんが、これまでの私たちを反省して、より良くなれることを示すことはできるのです。私は、君達に最高に期待しています。なぜなら、君達の可能性は無限大だからです。聞いてくれてありがとう!」

最後まで、読んで下さってありがとうございます。


アメリカのサマーキャンプ参加後のご感想

2016年11月08日 | アメリカのサマーキャンプ
今日はいよいよ大統領選の日です。今晩結果が出るまで、落ち着いて仕事が手に付かない人も多いと思います。投票率も記録を更新することでしょう。アメリカならではの良識が保たれるよう、祈る気持ちです。

昨日ご紹介させていただいた、今年初めてアメリカのサマーキャンプに参加された、小学6年生のお嬢さんが書いた、夏休みの作文をご紹介します。

私にとってのビックチャレンジ

「となりに座ってもいい?」 この言葉がきっかけで私はジョージャと仲良くなれた。あの時の英語は何と言ったか、今はもう、覚えていない。
小学校最後の夏休み、ボストンのサマーキャンプに参加した。日本人は6人、他百人はみんな外国人だ。はじめに出会った友達は、ジョージャだ。アメリカのニューヨークシティに住んでいる11才の女の子だ。ジョージャは優しくて、おもしろくて、美人だ。私が英語を話せなくて、ベッドに座っていた時、ジョージャが来てゆっくりと英語で声をかけてくれた。その時、自分のとなりにきてくれるだろうと思い、「オッケー。」と返した。
声をかけてくれたことが、とてもうれしくて、涙目になった。ジョージャが、「Momokaのきょうだいはいるの?」と聞いてきたので、「姉が一人、弟が二人いるよ。」、と答えた。ジョージャは、「姉はいないけど、弟は一人いるよ。」と返してくれた。はじめてアメリカの同じ年の女の子と会話らしい会話ができて、私は久しぶりに笑顔になった。これがきっかけで、すごく仲良くなった。いつのまにか、私から声をかけていた。3週間毎日がとても楽しかった。私が日本へ帰国するときに、ジョージャが手紙をくれた。読めないから、電子辞書を使って調べた。わからない所もあったけれど、私のことを「思いやりのある優しい子。」、と書いてくれていたことがうれしかった。

このキャンプに参加して、3つ学んだことがある。
一つ目は、積極的に英語で会話することだ。キャンプに参加するまでは、自分から英語で会話しようとしなかった。けれど、参加したことで、私から「こんにちは。調子はどうですか。」、と声をかけることができるようになった。
二つ目は、笑顔とあいさつの大切さだ。笑顔であいさつすることは、人と人とをつなぐ、最初のきっかけだ。本当に大切なことだと思う。
三つ目は、学び合うことだ。チームごとの出し物をするとき、私が入っているチームのコスチュームがわからなかった時に、近くにいたセーラに片言の英語で、「私は何のコスチュームをすればいいの?」、と聞いた。セーラが、「Momokaのチームはこのチームだよ。私と同じチームだから、コスチュームは、私のまねをすればいいよ。」、と教えてくれた。ついでに、私の顔に、バツのマークを書いてくれた。セーラがわからないことを教えてくれたり、私の顔にメイクをしてくれた、とてもうれしかった。そのお礼として、私は日本語を教えた。「おはよう」「おやすみなさい」「ありがとうございます」、この3つのあいさつだ。セーラは難しい顔をして、「ワンモア、ワンモア」とくり返していた。私もセーラがわかるまで、何回もくり返した。いつも頼ってばかりだったけれど、役に立ててうれしかった。

この3週間は、私にとってビックチャレンジだった。長い間、親元をはなれて生活することや、英語が話せないけれどみんなと仲良くなれるか心配だった。優しい友達がいたから、とても楽しく過ごせた。このキャンプにチャレンジして、とてもよかったと思う。来年も、サマーキャンプに行きたい。

何度も何度も、この作文を読みました。自分だけの体験を通して、この夏に学んでくれたことは、この生徒さんが成長する過程できっと生き続けてくれることでしょう。相手の立場になって思いやることのできる優しさ、思慮深さは、これからどんどん多様化が進む世界で生き抜くために、成功するために、不可欠なスキルです。そして笑顔で挨拶ができたり、お礼を言えることも、とても大事なことです。小学校最後の夏休みに、このような体験をしてくれたことを、心から嬉しく思います。英語をもっと勉強したい、というやる気に繋がったはずです。




アメリカのサマーキャンプ参加後のご感想

2016年11月07日 | アメリカのサマーキャンプ
先週末にサマータイムも終わり、午後4時半には暗くなってしまう季節となりました。来年の夏は遠く感じられますが、来年度のお申込みは既にスタートしており、1日に100名近くのスペースが埋まってしまうサマーキャンププログラムもあるくらいです。

本日も、今年アメリカのサマーキャンプに参加されたお子さんと保護者の方のご感想をご紹介致します。公立小学校6年生のお嬢さんで、ご両親のお勧めもあり、初めてアメリカのサマーキャンプに3週間半参加しました。

質問:アメリカのサマーキャンプに参加して、一案印象的だったこと(楽しかったこと、困ったこと、なんでも)
答: 一番、バンク(キャビン)の子とのふれあいと、アーチェリーがよかったです。バンクの子は、みんな私にたいして、とてもやさしくて、なってない私の英語でもわかろうと、がんばってくれてうれしかった。アーチェリーは、はじめてやったので、毎回やるたびにワクワクしていた。

質問:サマーキャンプに参加する前後で、何か自分の中で変わったこと、気付いたこと、そして考えたこと。
答: 自信がついたことです。いままでは、外国人を見ると、はずかしくなったり、あとずさりすることがあったけど、自信がついて、外国人を見てもふつうにいけるようになりました。

質問:来年もアメリカでのサマーキャンプに参加したいと思いますか? その理由は?
答: 参加した。今年、おもしろかったから。

質問:今年参加したプログラムに何かリクエストはありますか?
答: もっと料理をおいしくしてほしい。スイミンググループをしないでほしい。もっと、世界から子どもたちが来てほしい。

(保護者)
質問:お子さんからお聞きになられたプログラムの話の中で、特に印象的だったことをお知らせ下さい。
答: アーチェリーを初めてやり、とても楽しかったこと。ミサンガ作りも楽しかったようです。

質問:お子さんをアメリカのサマーキャンプに参加させてみて、プラスになったこと。また、その他お気付きになったことがありましたら、お知らせ下さい。
答: 英語で会話が成立した時、とても嬉しかったそうです。帰ってきてから、言葉の端々に英単語が出てきて、驚きました。

質問:何か、プログラムに対してご要望(改善できる点)がありましたら、お知らせ下さい。
答: 食事面をもう少し充実させて欲しい。

質問:コーディネーションを担当致しました、American Summer Opportunitiesについて、ご意見をお寄せ下さい。
答: 池田先生、織田さまからお話は聞いていたのですが、小学生の娘を出すことを最後まで決断できなかったのが、母親の私でした。しかし、タミイさんとお電話でお話しているうちに、勇気をもらえました。娘は、英語を話せなくてもチャレンジすることの大切さを学び、帰ってきました。小学生のうちに、キャンプに参加でき本当に良かった、と思っております。ありがとうございました。 ★娘が夏休みの宿題で作文を書いたので、同封いたします。

ご感想に同封されていました作文の題は、「私にとってのビックチャレンジ」でした。次回のレポートで、この作文の内容をご紹介したいと思います。
中学生のお姉さまは、別のサマーキャンプに2週間参加しました。お姉さんよりも、期間の長いサマーキャンプに参加することは、このお嬢さんにとっては、まさしくビックチャレンジだったはずです。また、小学生のお嬢さんを遠いアメリカまで、単身送り出すお母さまのご心配なお気持ちも、お知らせいただいたご感想を拝読し、改めてひしひしと感じることができました。今年の3月、私が日本に滞在しております間に、お電話でお母さまとお話しさせていただいたことを、よく覚えております。親御さんにとっても、お子さんをアメリカのサマーキャンプへ送られることを決断されることは、大きな大きなビックチャレンジであることを、コーディネーターとして決して忘れてはいけない、と考えております。初めて、日本の子供達をアメリカのサマーキャンプに送り出したのは、21年前となりますが、これからも一人一人のお子さん、そして保護者の方とじっくりと向き合いながら、お子さんにとっても、そして親御さんにとっても、かけがえのないハッピーで有意義な体験となるよう、お手伝いできたら、と心から願っております。

アメリカのサマーキャンプ参加後のご感想

2016年11月03日 | アメリカのサマーキャンプ
今日は、雨がしとしとと降っています。今週は、11月だというのに春のようなお天気になったり、目まぐるしいです。ボーディングスクールに留学中の生徒さんたちは、アメリカならではのお祭りHalloweenを、それぞれ楽しんだようです。着ぐるみのまま授業を受けたり、寮でお化け屋敷をやってみたり、色々と楽しい報告もありました。

本日も、今年の夏にアメリカのサマーキャンプに参加された生徒さん、そして保護者の方のご感想をご紹介いたします。公立中学に通う2年生の男子生徒さんです。ご両親のお勧めで、初めてアメリカのサマーキャンプに3週間参加しました。出発の前日まで、夏休みの宿題を片付ける様子のお写真を、お母さまが送って下さったこともありました。

質問:アメリカのサマーキャンプに参加して、一番印象的だったこと(楽しかったこと、困ったこと、なんでも)
答: このキャンプに参加して楽しかったことは、日本ではできないウォータースキーやロープコースなどで、あとカヌーやカヤックも楽しかった。とにかく、毎日のように水に入れたことや、1週間同じアクティビティを続けられたことがすごくよかったです。最初は英語が通じなくて本当に困ったけど、だんだん何をすれば良いのかわかるようになって、キャンプを楽しく過ごすことができました。夜になると、毎日イブニングプログラムをできて、毎日すごく楽しみでした。アメリカの人たちは、皆本当にやさしくて、同じキャビンの子たちもいつも何かする時や、困っている時に、声をかけてくれて、すごく助けられました。だから、キャンプでの生活をすごく楽しめました。

質問:アメリカのサマーキャンプに参加する前後で、何か自分の中で変わったこと、気付いたこと、そして考えたこと。
答: このキャンプに行く時は、すごく不安で緊張しましたが、参加する前と参加した後で、自分は変わったと思います。本当に、最初はアメリカについた時、これから何が起きるかわからなくて不安でしたが、毎日キャンプ生活をしていくと、自分で積極的に相手に話しかけることができて、あまり緊張しないで生活できました。キャンプ生活を続けて2週間ぐらいになると、緊張なんかまったくしなくなり、いつも友達といるのが楽しくなりました。だから、残りの毎日を1日1日大切に過ごすようにしました。英語がしゃべれなくても、YesかNoかで答えれば、ぜんぜん平気と思いました。次は、英語をしゃべれるようになって挑戦しようと思いました。

質問:来年もアメリカでのサマープログラムに参加したいと思いますか? その理由は?
答: 来年は、受験があるから参加できるかどうかわからないけど、例えば来年だめでも、その次の年なら参加できるから参加してみたいです。理由は、今回キャンプに行ってすごく楽しかったし、英語を勉強してまた挑戦してみたいからです。そして、もう1度参加してみて、またキャンプの人達に会いたいからです。

質問:今年参加したプログラムに何かリクエストはありますか?
答: 今年は同じアクティビティに続けて参加してたから、野球とかクッキングとか今度はしてみたいです。でも、またウォータースキーややってみたいです。今回一番楽しかったウォータースキーをもっと上手になってみたいです。

(保護者)
質問:お子さんからお聞きになられたプログラムの話の中で、特に印象的であったことをお知らせ下さい。
答: 特に何かのプログラムということではなく、キャビンの仲間のことやキャビンの中でのことを楽しく話してくれるのが、驚きであり、印象的でした。それぞれの話はたわいもない話ばかりで、キャビンでクモが出てきたら、みんなでののしってつぶしたり、カエルをいじめたり、牛乳をバカ飲みしたり、と言った、うーん何とも幼稚な男だらけのキャビンの話というか、バカバカしい話でした。しかし、写真を見ながら、それぞれの名前を教えてくれ、それぞれのエピソードを教えてくれる時は笑顔で、本当に楽しかったんだな、と感じています。
スポーツに、Lip Syncに、ナイトイベントに、3週間フルにイベントだらけで、こんなに思い切りエンジョイできることは無いと思います。今しかできない良い経験ができたと思います。

質問:お子さんをサマープログラムに参加させてみて、プラスになったこと。また、その他お気付きになったことがありましたら、お知らせ下さい。
答: キャンプに行かせる前、また行かせていた間も、日本では心配で一杯でした。しかしながら、帰ってから聞いてみると、本当にエンジョイしていたようで、異文化、多種多様な国からの仲間と溶け込める力が、こんなにあったのかと驚きました。(実際は、私の知らないことがあったのかもしれませんが) また、アメリカのサマーキャンプの素晴らしさにも感動しています。日本のキャンプでしたら、少し教条的で、軍隊的なものであったかもしれません。しかし、アメリカのとにかくエンジョイしよう、仲間と楽しもう、という姿勢は素晴らしいと思います。このような明るさを学んでくれたらいいな、と思います。

質問:何か、プログラムに対してご要望(改善できる点)がありましたら、お知らせ下さい。
答: 特に、改善点、要望は思い当たりません。

質問:コーディネーションを担当いたしました、American Summer Opportunitiesについて、ご意見をお寄せ下さい。
答: キャンプに行かせる前、行かせている間も心配だらけでしたが、現地でのフォローをいただき、また、適宜、状況を教えていただき、不安を解消することができました。また、本当にわからないことだらけで、質問ばかりだったのですが、全て対応いただき、どうもありがとうございました。

全体で、参加者は百数十名の比較的小規模なサマーキャンプに、日本人は3人のみ、そして男子は一人きりという環境で、この生徒さんは3週間元気に楽しく過ごしてくれました。ご感想を改めて拝読しますと、親御さんもご本人も、不安でいっぱいだったようですが、ボストン空港に到着したときは、とてもさわやかな笑顔が印象的な生徒さんでした。スポーツが大好き!と、伺っていましたが、現地では水上スポーツを中心に、初めてのことに果敢にチャレンジしてくれました。この持ち前のチャレンジ精神と笑顔で、言葉にはハンディがあっても、すぐにお友達を作ってくれました。現地を訪問した際も、「困ったことはありません!英語もなんとかなっています!」と、言ってくれて、嬉しかったです。

感想にもありますように、高校受験の後は英語をもっと勉強して、同じキャンプに里帰りし、アメリカ人やその他の国からやってきた仲間たちと再会し、もっともっとコミュニケーションが取れたら、また違った体験となることでしょう。今後、日本を飛び出したいな、、と思ったときに、里帰りできる場所=心の拠り所を見つけた夏であり、この体験はきっとこの生徒さんの将来につながっていく、持続性のある有意義な体験となったサマーキャンプ参加であったことと思います。