リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

「上司の指示には従うな」と言われないために

2018-04-09 | 一般
少し前の新聞コラムを読んで,自分のことを言われているのかとどきっとした(朝日新聞「経済気象台」).上司から指示があっても,「どうせ少ししたらまた逆のことを言うからほっとこう」と意に関さない社員が多いとの指摘だった.コラムの趣旨は,経営トップが改革しようとしても,社員の態度がそんな感じだと前に進めない,というようなことだったと思うが,ここではもう少し卑近に,「ほっとこう」と言われないためにはどうすればいいかを考えておきたい.

うまい事例が思い浮かばないが,たとえば上司から「商品が冷たいとクレームがあった.もっと熱くしなくちゃだめじゃないか」と叱られる.しばらくすると今度は「商品が熱いとクレームがあった.もっと冷たくしなくちゃだめじゃないか」.こんな調子では,部下は上司の指示に従っても従わなくても結局叱られるのだから,何を言われても無視するようになる.
今の事例の場合,客から「冷たい」と指摘された時点で,まず,客に提供した商品がマニュアル(会社の内規)どおりのものであったかどうかを確かめる必要がある.マニュアルに従っていなかった場合は何らかの叱責が必要だろうが,それにしても,仕事がいい加減だったのか,内規を知らなかったのか,あるいは何か意図があってのことかなど,事情によって対応は変わるだろう.
次に,マニュアルどおりのものを提供したのにクレームを受けた場合,客のクレームが妥当かどうかを検討することになる.検討した結果,クレームが妥当だとなれば,正すべきはマニュアルであって,担当者を叱責するのは筋違いだ.
もちろん,クレームが妥当でない場合もある.「お客様は神様」ではないし,客の好みも多様だから,客の好みに合わなかったのはやむをえなかった,ということだってあるだろう.とはいえその場合でも,応対を誤って事態をこじらせたのであれば,直すべき点はある.

このように,クレーム一つ取っても考えられるケースは多々ある.問題が生じた時に,きちんとした分析をせずにとにかく部下を叱責する,という態度を取っていると,部下が面従腹背になるのも当然だろう.


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