リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

新型コロナが海外で続くと輸入はどうなる?

2020-05-29 | 一般
日本では緊急事態宣言が解除されたが、この間、新型コロナウイルスの感染者が出て閉鎖された病院やコンビニの話も聞いた。ネット通販は大繁盛だが、そもそも商品を製造する工場で感染者が出たらどうするのだろう。農業は「3密」ではないから大丈夫なのかもしれないが、食品工場がコロナで閉鎖されたらどうするか。コロナで運輸がパンクしたら。
世間ではあまり気にされていないようだったので、ことさら騒ぎ立てることは控えてきたが、アメリカの食肉大手の加工場が集団感染により閉鎖された事例があったことを知った(朝日新聞2020-5-26)。会社の会長は「食料供給網は壊れかかっている」と述べたという。
食糧輸出国が自国民を優先して輸出を制限する動きもあるという。コメ輸出1位のインドと3位のベトナムが(一時的だが)コメの輸出を停止したそうだ。
コメはともかく、日本の食料自給率は37%しかない。今のところ食料備蓄があるそうだが、来年以降は不透明だという。
日本がいくら新型コロナ抑制に成功したとしても、供給国でコロナが蔓延すれば、輸入に依存する日本はたちゆかなくなる。経済のブロック化というのはよくないものだと教えられているが、グローバル化の相互依存の脆弱さが明らかになった今、その意味でのセーフティーネットもほしい。

関連記事:
「食料自給率って大事じゃないの?」

追記:薬の原料の輸入が遅れて薬の供給が一部滞っているという(朝日新聞2020-6-11)。

追記2:食料自給率10%のシンガポールが食料の増産に努めているという(朝日新聞2020-7-10)。気候変動による食糧危機に備えて従来から行なっていたが、コロナ禍で必要性が増したという。識者の解説は、シンガポールのような都市型の食糧生産は有望だがコストが課題であること、フードロスを減らすことによって間接的に食料不足を補えることなどを指摘している。同日の「経済気象台」も、都市部の食の問題が危惧されており、世界では地域や都市ごとの食料政策の必要性が提起されているとある。

追記3:インドネシアの首都ジャカルタでは、コロナ感染を避けるために自転車ブームで、日本製が人気だというが、「コロナの影響で輸入ができない」状況で困っているという(朝日新聞2020-7-16)。やはりコロナで輸出入は滞っているのだ。外食・レジャーの停滞ばかりが話題になっているが、生産や輸出入への影響というのはどうなっているのだろうか。

追記4:アメリカの話だが、食肉処理工場が工場内の感染拡大で操業を停止したという話があった(朝日新聞2020-7-31)。日本でもコンビニがしばらく休業したといった話は聞いたが、コロナ禍でもっぱら話題になっているのは需要減や政府要請による飲食店などの休業だ。感染が拡大して国内外の生産が止まるという事態に対してどのくらいの備えができているのだろう。また、コロナで輸出入が滞ることについて、現状があまり報道されていないことが気になる。輸入に多くを頼る日本は、海外で感染が続いた場合、やっていけるのだろうか。

追記5:東京都江戸川区のサンドイッチなどを作る食品工場で78人の集団感染が出た(朝日新聞2020-9-25)。保健所は食品の衛生管理に問題はないとしたが、だとすると集団感染の経路は何だったのだろう。いずれにせよ工場の稼働を止めて工場全体を消毒することになった。海外も含めこういうケースは多いのではないか。そのとき食料や工業部品・製品の供給はどうなるのだろう。

追記6:コロナで生産が止まるという事態には深刻化していないが、イギリスでは濃厚接触者の自主隔離が急増したおかげであちこちで人手不足が起こり、商店の棚が空になったり、ガソリンスタンドが営業を休止したり、交通機関が乱れたりと広範な影響が出ている(朝日新聞2021-7-30)。接触追跡アプリの通知音から「ピンデミック」なる言葉までできたそうだ。濃厚接触者を積極的にみつけて隔離すれば、それはそれで問題らしい。だが、だから濃厚接触者をみつけなくていい、隔離しなくていいというのは、「(特に疑いがない場合の)PCR検査はしなくていい」というのと同じで、正しくないのだろうが。

追記7:(昨今の半導体不足に加え)感染拡大でアジアで部品工場が操業できなくなったため国内の自動車の大幅な減産も起こっている。さらに上海の空港では職員の感染から荷物の受け入れ担当者が減り、物流の点でも部品供給が滞っている。もっとも、旅客便の減少のため一緒に運べる貨物が減っているということでは、貨物専用便を増やすなど工夫の余地があるのではないか。(朝日新聞2021-8-26

追記8:タイの鶏肉工場でコロナのため操業停止が相次ぎ、唐揚げや鶏肉の供給が減っているという(朝日新聞2021-9-30夕刊)。

関連リンク:
「(経済気象台)物流網へのコロナの傷跡」(朝日新聞2021-11-17



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