リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

新型コロナ:バラマキでない経済支援はどうあるべきか

2020-06-22 | 一般
日本は比較的ゆるい制限と行き過ぎとも思える「自粛警察」のおかげで新型コロナウイルスの第一波をどうにか乗り切った(過去ブログ)が、収入源で困窮する個人や業者の救済については遅れている。ここをきちんとしないと、日本は「コロナウイルスは軽症で済んだのにコロナ破産の打撃は甚大」ということになりかねない。
自治体任せではなく国レベルでの対策が必要なことはたしか(過去ブログ)だが、何もかも国が補償するというのは違う気がする(過去ブログ)。
スピード感をもって対策を行なうことが必要なのことには異論はないが、補償や救済を求める声はあちこちから出ているので(朝日新聞2020-6-22など)、ここではあえてバラマキを諫めることを書きたい。救済を抑制するという主張は票にならないが、みながバラマキを主張していたら日本の財政が破綻する。

まず、アフターコロナ(ポストコロナ)時代にあっては、退場を迫られる業種が出てくるのはやむを得ないという、過酷な現実を直視する必要がある。朝日社説2020-5-24は、リーマンショック時に日本航空や半導体大手エルピーダメモリに支援したが、いずれも経営破綻し700億円超の国民負担が生じたことを引き合いに出して、コロナ後に再建可能な企業に限るべきだと主張している。自民党の10兆円超の企業支援案について述べたものだ。朝日新聞2020-6-17「経済気象台」も、「淘汰されるべき分野・企業というのは(平時でも)あるわけで、何でも助ければいいというものではない。」とし、アフターコロナを見据えた構造改革志向の支援をすべきであって、「見境のないバラマキ系の企業救済はやるべきでない」とする。

財源についての議論も欠かせない。防衛費や内部留保税(過去ブログ)、復興税(過去ブログ)などの可能性をこれまで紹介したが、世間では不思議と財源の話はあまり語られない。前代未聞の経済支援をみな赤字国債で賄うというのは無責任だ。

また、コロナ破産以前に、日本ではそもそも生活基盤の保証が弱すぎると井手英策教授(朝日新聞2020-6-21)は指摘する。
「欧州諸国では、サービス給付に加え、現金給付、例えば住宅手当など低所得層向けのセーフティーネットが平時から手厚い。所得が減ってもひとまず生きていけるし、臨時的な給付を、元々の保障の仕組みに上乗せすればよく、効率的です。
 それに対し日本では、困窮状態に陥っても医療や教育、介護などを安心して受けられるサービス給付の基盤が不十分です。収入減が生活不安に直結し、パニックが起きるから、バラマキに走ってしまう。」
やはり「所得が減ってもひとまず生きていける」社会が本来の在り方だと思うのだが、自民党など「保守」からは許しがたいことなのだろうか。同様に、欧米では文化に対する支援がもともと根強くて、イベント中止の影響は日本ほどではないと聞く。このあたりも見習うべき点はあるかもしれない。

このことも含めて、当座のコロナ対策以外も含めて、海外の事例もよく研究するべきだ。(もちろん、とりあえず数字だけ合わせる(過去ブログ)というのは論外)。

追記:すったもんだ(過去ブログ)の末に支給された一人10万円の特別定額給付金は結局、預金口座に滞留したままで、預金残高は過去最高に達したという(朝日新聞2020-10-13)。「一人10万円」は果たして適切だったのか。


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