あのトランプ大統領がノーベル平和賞を欲しがっているという。自薦はできないので安倍首相に推薦を依頼し、安倍首相は言われるままに推薦した。トランプ大統領はその推薦状のコピーを誇らしげに公開した。
「対米追従が過ぎないか」という野党らの批判(朝日新聞2019-2-19社説)はもっともだし、大統領が「日本の領土を飛び越えるようなミサイルが発射されていたが、いまは日本人は安心を実感している」と誇ったのとは裏腹に北朝鮮の脅威を理由に米国から戦闘機やミサイル迎撃システムなど巨額の兵器購入を決めた態度とも矛盾する。
だが、「推薦するくらいで安全保障や貿易交渉にプラスになるなら、と判断したのかも。推薦が事実なら、公表されて『しまった』と思っているのでは」という前嶋和弘教授の見立て(朝日新聞2019-2-20)が的を射ているように思える。たしかに推薦したところで受賞を決めるのはノーベル委員会だし、受章する可能性は低い。どうせ結果に影響しないなら、推薦状の一枚くらい書いて恩を売っておくということは、政治としてはアリだと思う。
やはり問題はトランプ大統領だ。記者会見の場で北朝鮮問題について問われて唐突に明かしたそうだ。「安倍首相は、選考委員に送ったという美しい書簡のコピーをくれた。私を平和賞に推薦したといっていた」と。
野党の追及に対して安倍首相はノーベル委員会が平和賞の推薦者と被推薦者を50年間公開していないことを理由に答えなかった。推薦者自身が公開することの是非はわからないが、やはり他国の首脳からの情報をこうして軽々におおっぴらにしてしまうトランプ大統領の軽薄さは世界一の大国の指導者としては信じられない。
基本的にアンチ安倍の私も、今回の一件では、トランプ首相の軽薄さを見抜けなかった安倍首相に同情を禁じ得ない。
「対米追従が過ぎないか」という野党らの批判(朝日新聞2019-2-19社説)はもっともだし、大統領が「日本の領土を飛び越えるようなミサイルが発射されていたが、いまは日本人は安心を実感している」と誇ったのとは裏腹に北朝鮮の脅威を理由に米国から戦闘機やミサイル迎撃システムなど巨額の兵器購入を決めた態度とも矛盾する。
だが、「推薦するくらいで安全保障や貿易交渉にプラスになるなら、と判断したのかも。推薦が事実なら、公表されて『しまった』と思っているのでは」という前嶋和弘教授の見立て(朝日新聞2019-2-20)が的を射ているように思える。たしかに推薦したところで受賞を決めるのはノーベル委員会だし、受章する可能性は低い。どうせ結果に影響しないなら、推薦状の一枚くらい書いて恩を売っておくということは、政治としてはアリだと思う。
やはり問題はトランプ大統領だ。記者会見の場で北朝鮮問題について問われて唐突に明かしたそうだ。「安倍首相は、選考委員に送ったという美しい書簡のコピーをくれた。私を平和賞に推薦したといっていた」と。
野党の追及に対して安倍首相はノーベル委員会が平和賞の推薦者と被推薦者を50年間公開していないことを理由に答えなかった。推薦者自身が公開することの是非はわからないが、やはり他国の首脳からの情報をこうして軽々におおっぴらにしてしまうトランプ大統領の軽薄さは世界一の大国の指導者としては信じられない。
基本的にアンチ安倍の私も、今回の一件では、トランプ首相の軽薄さを見抜けなかった安倍首相に同情を禁じ得ない。