リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

NISA普及で憂える株価至上主義

2024-11-06 | 政治
「財布の中身 米大統領選次第? 株価に影響『NISAが世界知るきっかけに』」(朝日新聞2024-11-6)という記事を読んだ。
NISA(少額投資非課税制度)を利用している普通の庶民が世界情勢に関心をもつようになった、と肯定的に報じている。
だが実はこれこそ私がここ数年危惧していたことだ(どこかで読んで触れた覚えがあるが思い出せない)。
景気がよくなってほしい――それは誰しも政府に望むことだ。だがここ10年、好景気が報道されているわりに国民にとは実感がないという状況が続いてきたのではなかったか。それもこれも、好景気を株価で測るからだ。
国民が実感する好景気というのは、そもそも定職があって、普通に働けば賃金がもらえ、頑張ればそれなりに賃金も上がっていく。物価上昇が賃金上昇率を超えたりはしない。衣食住が足りるのはもちろん、たまにはプチ贅沢があってもよい。
だが現実は円安の恩恵を受ける輸出企業を中心に空前の好決算と株高の一方、庶民は最近は賃上げが勢いづいているとはいえ、バブル期越えの株価の恩恵にはほど遠い。
米大統領選をはじめ世界情勢に株価が影響されるのはもちろんで、世界情勢に関心を向けるのはいいことだ。だが、「株価が上がるのがいい政治」と思っていると、いつまでたっても「大企業だけが恩恵を受ける好景気」を脱せないのではないか。

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