リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

アベノミクス偽装の一端:「ひとり親家庭の大学進学率増」

2019-02-05 | 政治
アベノミクス偽装の一端が朝日新聞2019-2-4に紹介されていた。
安倍首相は施政方針演説で「新三本の矢」の成果として、「児童扶養手当の増額、給付型奨学金の創設を進める中で、ひとり親家庭の大学進学率は24%から42%に上昇した」と誇った。どうやら厚労省の「全国ひとり親世帯等調査」のデータらしいが、この調査は5年ごとに行うもので、2011年と2016年を比較したことになる。だが調査時点で「給付型奨学金」は支給されてもいなかったし、「扶養手当増額」も調査の3か月前に始まったばかりだという。これで進学率上昇は「アベノミクスのおかげ」というのは偽装以外の何物でもないと思う。
さらに、厚労省のホームページ掲載の調査結果には「進学率」データはない。担当者によると、調査自体は4000世帯を対象にしているが、「進学率」算出に使ったサンプルは260にも満たないという。しかも、統計的意味が薄い「アンケート」だそうだ。

アベノミクスではないが、昨年、安倍首相は、裁量労働制をめぐる国会審議で、裁量労働制の労働者よりも一般労働者のほうが労働時間が長いと主張した。だがこれは、裁量労働制で働く人には単に労働時間を尋ね、一般労働者には「最長の残業時間」を尋ねた数字を比較したものだった。

政策実施時期とほとんど関係ない数字の上昇、しかもたった260弱の「アンケート」結果を使って「アベノミクス」の実績を誇る。自分に都合のいい統計を示すのは与党も野党もやっていることだとは思うが、安倍首相のやり方はあまりにひどいのではないか。

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