国によるコメの生産調整(減反)と交付金が今年で廃止されることで米価が高騰しているとの新聞記事(朝日新聞12月15日夕刊)を読んで不思議に思った.農業政策は不勉強だが,国の介入を減らして自由競争に向かわせるのはおそらく正しい方向性だと思う.何がいけないのだろう.
記事によると,粘り気が少なく加工に適した品種などが業務用として生産されているが,減反廃止で増産されれば価格が下がると予想して農家に敬遠されつつあるのだという.だとすれば減反と交付金が今年で廃止されたあとは今まで生産量を控えてきた農家が増産して来年には価格が下がると思っていいのだろうか.そうだとしたら,やる気のある農家が生産規模を拡大して効率を上げる,という意味で日本の農業強化に向かう途上の一過性の高騰なのではないだろうか.
ただ記事によれば,業務用米を敬遠した農家はブランド米や補助が続く飼料米に力を入れているという.今度は「ブランド米」を作りすぎてそちらの価格が下がるのではないかという気もするが,おそらく需要と供給のバランスを取る市場原理でうまい方向に集約していくだろう.そもそも「豊作で値下がり」というのはどの農家も経験していることではないか.(暴落を防ぐために収穫物を破棄したなどという報道も見たことがあるが,何とかならないのかとは思う.)
気になるのは「補助が続く飼料米」だ.農家の保護は食糧安保(食糧自給率)の観点から大事だとは思うが,今回の高騰は,補助が残る飼料米と交付金が打ち切られる業務用米というアンバランスが一因であったかもしれない.
何を作るかは農家が決める,という自由主義の原則は正しいと思う.そのうえで,どうすれば必要な米(食料一般)を確保できるか,関係者には適正な農業政策の検討を望みたい.
記事によると,粘り気が少なく加工に適した品種などが業務用として生産されているが,減反廃止で増産されれば価格が下がると予想して農家に敬遠されつつあるのだという.だとすれば減反と交付金が今年で廃止されたあとは今まで生産量を控えてきた農家が増産して来年には価格が下がると思っていいのだろうか.そうだとしたら,やる気のある農家が生産規模を拡大して効率を上げる,という意味で日本の農業強化に向かう途上の一過性の高騰なのではないだろうか.
ただ記事によれば,業務用米を敬遠した農家はブランド米や補助が続く飼料米に力を入れているという.今度は「ブランド米」を作りすぎてそちらの価格が下がるのではないかという気もするが,おそらく需要と供給のバランスを取る市場原理でうまい方向に集約していくだろう.そもそも「豊作で値下がり」というのはどの農家も経験していることではないか.(暴落を防ぐために収穫物を破棄したなどという報道も見たことがあるが,何とかならないのかとは思う.)
気になるのは「補助が続く飼料米」だ.農家の保護は食糧安保(食糧自給率)の観点から大事だとは思うが,今回の高騰は,補助が残る飼料米と交付金が打ち切られる業務用米というアンバランスが一因であったかもしれない.
何を作るかは農家が決める,という自由主義の原則は正しいと思う.そのうえで,どうすれば必要な米(食料一般)を確保できるか,関係者には適正な農業政策の検討を望みたい.