リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

恋愛・結婚にメリットを感じなければ人口減は止まらない

2017-12-16 | 一般
恋愛・結婚を「メリット」と考えてしまうのはさみしい.だが,「結婚にメリットを見出せない」という若者の声をかなり前に読んだ.恋愛とは本来ならこの人とずっと一緒にいたいという抑えられようもない思いであるはずだが,考えてみれば,既婚者でそういう状態にある人というのはどれほどいるのだろうか.「「若者の恋愛離れ」を考える 「割に合わない嗜好品に」」(朝日新聞12月12日)の牛窪恵氏の談話では「もともと、昔の日本は西欧型の大恋愛ではなく、一緒に暮らしてから情が移っていくタイプの文化でした。トレンディードラマが全盛だったバブル前後が、むしろ例外的だったのかもしれず、恋愛より情愛を重視するのは決して悪いことではありません。」と指摘されている.私のいう「本来」もバブル前後の影響なのかもしれない.
50年前なら,女性は生活のために,男性は家事のために結婚は必要だった.だが女性の社会進出で女性は結婚を必要としなくなった(そもそも非正規雇用にあふれる格差社会にあって,生活を支えられる男性が少なくなった).一方,コンビニや宅配,深夜営業など各種サービスの普及で,男性も女性を必要としなくなった.今やその気になれば男も女も一人で生きていくことに何の問題もない.そうなると「結婚に果たしてメリットはあるのか」ということになる.
上記談話は恋愛は必需品でなく嗜好品と捉え,手間やリスクを考えると割に合わないと考える人が増えていると指摘する.スマホがあればいくらでも楽しく時間を過ごせるし,性愛への関心でさえ満たせるというのだ.さらに,恋愛は面倒だし,ふられた時など,メールや画像が公開されてしまうというデジタル時代ならではのリスクもある.一人で暮らしているとどうしても人恋しくなる時というのはあるものだが,今やスマホで常時人とつながっていることが多く,この「超情報化社会」が若者の恋愛離れの最大の理由としている.
かつてテレビドラマで,結婚すると愛情は空気のようなものになっていくがそれでいいということばがあって納得していた.「「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ」(俵万智)という短歌もある.超情報化時代ではそれも通用しないのだろうか.
さらに,待機児童問題に象徴されるように現状では結婚して子供をもつことにメリットどころか懲罰ではないかと思えるほどのデメリットまである.
今の時代,恋愛・結婚の「メリット」をみつけるのは難しいかもしれない.私は「適齢期」(死語と思うが)に「勢い」で結婚してしまうのがベストではないかという気がする.結婚後に幻滅する瞬間は誰でもあるが,上記談話はそういうとき,「あれだけ好きになった人だから仕方がない」という割りきりが支えになると指摘している.そして恋愛の「メリット」を打ち出すことは政府がどうこうできるものでもないが,待機児童問題など,結婚の「デメリット」を取り除くことは政策でできる.

※上記記事のトミヤマユキコ氏の談話も興味深かった.一読を勧めたい.

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「人口増のための禁じ手2策」(9月3日)

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