リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

「無駄な仕事削減」と「学校運営参加」でPTA活性化に成功した「本多聞式」とは

2019-06-09 | 一般
PTAの役員になりたがる人が多くて立候補だけで決まる―そんなPTAを神戸市立・本多聞(ほんたもん)中学校が実現したそうだ(朝日新聞2019-6-9「PTA、人気組織に変われた 神戸の市立中学、軌跡が本に」)。
記事を読んでも例外的なラッキー事例ではないかという思いはぬぐえなかったが、みなに意義が感じられない仕事を減らすための手続きは参考になった。先日もちょっと触れたが、たとえば登下校の見守りの人数を減らしたりすると、「子供の安全を軽視するのか」と苦情がくるという。現状を変えるのはそもそもエネルギーのいることなのに、批判されるとしたら一層やりにくくなる。
本多聞中学校の場合、保護者アンケートで「あなたがPTA役員に選出されたとして、必要だと思う活動に〇を、必要だと感じないものに×をつけてください」として「昼間のパトロール」「体育会の受付」「広報誌」「研修」など15の活動項目を挙げたところ、大半が「×」とされたという。このように「無駄」との意見を数字として示すことが改革の「推進力」になったという。以前も書いたが、自分はやらないのに減らすと文句をいうような人はスルーすればよい。
こうして保護者の負担を減らす一方、本部役員数十人だけの毎月の「PTA運営委員会」に校長も出席し、意見交換できるようにし、各クラスのクラス委員も出席できるようにした。「図書室の開室日を増やして」、「教室に加湿器を」、「手持ちかばんは重いのでリュックも認めて」などさまざまな要望を話し合うという。
私が校長だったら保護者からこんな要望を寄せられる場をあえて作ろうとは思わないかもしれないが、結果は大成功だったようだ。校長は「学校への信頼が高まり、苦情が大幅に減った。PTA改革は『教員の多忙化対策』と『生徒、保護者への丁寧な対応』を同時に求められて苦悩する学校にとって、唯一の解決策」とまで評価している。
どんな苦情が減ったのか、なぜ減ったのか(PTAを通じて学校が要望を受け入れてくれたから、ということなのか?)、どこが教員の多忙化対策になっているのか(教員にとって重い負担となっている保護者からのクレームが減ったから、ということなのか?)など釈然としない点も多いが、無駄な仕事を減らし、学校運営に参加できる組織にすることでPTAが人気組織になった、という事例は参考になる。学校側にどういうメリットがあるかをもう少しはっきりさせれば他校にも広まるかもしれない。

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